「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む。」を掲げるパタゴニア
2018年にミッションステートメントを「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む。」に変更。また、昨年にはパタゴニアの創業者であるイヴォン・シュイナード氏が、パタゴニアの全持ち株を環境団体に譲渡することを発表したニュースは、記憶に新しいところ。
CAMP HACKのSDGs専門サイトPLAYでも昨年、パタゴニアが注力する「食」に関する事業「パタゴニア プロビジョンズ」の取材をしたばかり。アウトドア製品だけでなく、衣食住にかかわる幅位広い領域で”地球を救う”ビジネスをおこなっています。
そんなパタゴニアですが、映画事業をおこなっているのをご存知でしょうか? 今回取り上げるパタゴニア・フィルムが上映する内容は、2050年までに全世界20億人に関係するといわれる地球変動に警報を鳴らすものとなっています。
映画『ニュートック』に見る、待ったなしの気候変動危機
2月26日(日)に長崎県、3月5日(日)に東京都で無料上映される映画『ニュートック』。
舞台は、アメリカ・アラスカ州のベーリング海沿岸部にある三角州に造られた、先住民・ユピック族が暮らす「ニュートック村」。この村の住民は、さまざまな気候変動により、永久凍土の融解が主な原因となって村の近くを流れるニングリック川の岸の侵食、インフラの崩壊により移住することが決定しています。
この現状を追いながら、3名の住民や支援者にフォーカスし、気候変動による災害に直面する人々のリアルに迫る内容となっています。
この現状は、日本の裏側で起きている単なる一つの事象にすぎないのか? じつは国内避難民監視センターのよると、2050年までに生じる気候難民は最大で全人口の20億人にも上るといわれています。
まさにニュートックのこの事象は、島国である我々日本人にとって対岸の火事ではないのです。
上映と同時に行われるオープンフォーラム
「気候正義から公正な移行へ 日本の社会システムのこれからを考える」というオープンフォーラムが上映後に開催されます。
気候変動を止めるのに必要なことは何か? パタゴニアが考えるのは「脱炭素社会の実現」です。しかし、ただ単に脱炭素化しては、それまでその産業で生計を立てていた人々は路頭に迷うことになります。その人々への負の影響を減らす「公正な移行」も同時に考えようというのが今回のフォーラムの内容です。
また、現代の日本でそれを実現するには何が必要で何ができるのかまで考える内容となっており、今このときにも起こっている気候変動を知り、その対策を具体的に考えることまでアプローチする、まさにパタゴニアらしい企画。
会場は長崎県と東京都と限られていますが、ぜひこの機会に、自分たちの愛する自然と向き合ってみませんか?
イベント名 『ニュートック − 反乱を起こす水』フィルム上映&オープンフォーラム
会場日時
会場①:長崎大学経済学部本館12教室
日時:2023年2月26日(日)12:30開場
会場②:上智大学・四谷キャンパス ソフィアタワー(6号館)101教室
日時:2023年3月5日(日)12:30開場
参加費:無料(要予約)
参加申込:パタゴニア公式サイトをご確認ください