ファミリー必読。キャンプ場で子どもの迷子防止のためにできる「7つの対策」
//=get_post_meta(get_the_ID(), 'lead_sentence', true); ?>
キャンプブームと共に増えているのが迷子トラブル。そこで今回は、CAMP HACK読者の皆さんに実際に行っている迷子対策をヒアリング。
さらに、アンケート内容をキャンプ場の運営者さんにコメントしてもらいました。
2022/12/26 更新
編集者
CAMP HACK編集部
月間550万人が訪れる人気No.1キャンプメディア『CAMP HACK』。累計制作記事本数は10,000本以上。環境省等の行政機関、「髙島屋」や「niko and ...」といったクライアントとの連携実績多数。また、TBSテレビ『ラヴィット!』等、各メディアで登壇機会多数の編集部員も所属。
CAMP HACK編集部のプロフィール 制作者
TOMOKO YAMADA
四国の秘境出身フリーライター。キャンプ歴数十年。3人子連れのファミキャンからデュオ・ソロキャンへと移行中につき、ギアのUL化を絶賛推進中!Clubhouseにて「キャンパーさんよってらっしゃい!」モデレーターやってます。よってらっしゃい〜! Instagram:@tomokoyamada76
TOMOKO YAMADAのプロフィール
アイキャッチ画像出典:PIXTA
キャンプ場での迷子トラブル急増中!
出典:PIXTA
アウトドアブームの高まりと共に、子ども連れのファミリーキャンパーも急増。一方で、最近増えているのが子どもの“迷子トラブル”なんです。
さらに、キャンプ場など野外の迷子では、その間に怪我や事故に巻き込まれるリスクも高いことが懸念されます。
そこで今回は、CAMP HACK読者のみなさんにアンケート調査を実施!「キャンプ場での迷子対策、どうしてる?」という質問に回答してもらいました。
コメントをいただくのはこの方
ふもとっぱらキャンプ場 竹川さん
株式会社ふもとっぱら 総務部長。入社以来、アウトドアブームと共に利用者が増え続ける“キャンパーの聖地”、静岡県の「ふもとっぱらキャンプ場」の運営に携わっている
さらに、静岡県富士宮市にある「ふもとっぱらキャンプ場」の竹川さんに、アンケート結果にコメントしてもらいました。
ディズニーシーに匹敵する広さと年間利用者約20万人という規模のキャンプ場で、数々の迷子トラブルに対応してきた運営側の視点から、迷子対策の実情などについても詳しく伺いました!
みんなが実際にしている迷子対策7選
それでは早速、みんなが実際に行っている迷子対策についてチェックしていきましょう!
対策 1. キャンプ場選びに気をつける
出典:PIXTA
──アンケートでは、「見通しの良いキャンプ場」を選ぶという回答が多かったです
これはおおむね賛成です。けれど、子どもの居場所が見つけやすい分注意すべき点も
──その注意点とは?
見通しがいい=遮蔽物がないということなので、夏は日陰が少なく熱中症のリスクが上がります。また、風を防ぐ物もないので、ペグダウンの強化や風に強いテントを選ぶなどの対策が必要です
出典:PIXTA
──他には「崖など落下の危険性が少ないキャンプ場」を選ぶという意見もありました
探しにくいだけでなく、迷子のときはパニック状態なので平時より怪我や事故につながりやすいという意味からも賛成です
──地形的なリスクが少ないキャンプ場選びは大切ですが、子供って水遊びが好きだし、夏は水辺のある場所へ連れて行ってあげたいですよね
水辺は特に要注意ですが、現実として、地形的なリスクがゼロの場所はなかなか少ないと思います。なので、危険な場所についてしっかり対策されているかどうかもチェックしていただきたいです。危険な場所には「遊泳禁止」や「立ち入り禁止」の立て看板や柵などがきちんとあるかがポイントです
出典:PIXTA
──「遊具が近いサイトを選ぶ」という回答についてはいかがでしょう?
これについては、良い面と悪い面がありますね。良い面としては、人が多く集まる場所なので人目につきやすいということ。悪い面というのは、子供が多いために、逆に1人1人の印象が薄くなってしまうことです
──いざ探すときになっても、周りの人が覚えていない可能性があるんですね
そうですね。さらに、近いがゆえに遊具の場所に子供1人で向かってしまう可能性や、遊具自体が事故の原因となる可能性もあります
対策 2. 当日の服装を撮影しておく
出典:PIXTA
──当日の服装を、スマホなどで撮影している親御さんも多いみたいです
これは大賛成です。もし迷子になったときに、近隣の方に説明しやすく目撃情報も入手しやすいですね
──当日とは違う服装や髪型の写真だと別人に見えてしまったり、保護者も動揺からうまく説明できないケースもありますよね
運営サイドとしても、写真があると迅速に対応できます。LINEなどですぐ共有もできますし。冬の夜間など一刻を争うケースもあるので、ぜひみなさんにお願いしたいです
対策 3. 絶対に目を離さない
出典:PIXTA
──「時間がなくてもトイレなど一緒についていく」や「兄弟や大人といるようにして1人にしない」という回答もたくさん集まりました
たとえトイレであっても、小さなお子さんを1人にしないことは大前提です。でもそれには家族の協力が必須になってきます。「誰が誰をトイレに連れて行く」など、家族やグループ間での情報の共有もマストです
対策 4. 子どもに危険性を伝える
出典:PIXTA
──「落下しやすい場所や入ったらNGな場所」を伝えているというアンケート回答も多かったです
教育としても非常に大切だと思います。ただし、子供は遊びに夢中になると“忘れてしまう”ので、やはり大人の見守りが前提ですね
出典:PIXTA
──危険な場所や、「知らない大人にはついて行かない」といったことを伝えておくのは普段の生活においても大切な教育の一環ですよね
年長の兄姉などに「〇○さんに任せるから、みんなが危険な場所に行かないよう協力してね」など“役割”を与えて大人の信頼を伝えるのもいいですね。もちろん、こちらも大人のフォローと見守りが前提です
──大人がどんなに注意を払っても、子供は想定を超えた行動をとってしまうケースがありますよね
危険を伝えて迷子や事故自体を防ぐだけでなく、やはり多少の怪我は想定して準備しておくことも重要です
出典:PIXTA
危険を伝えて安心してしまわず、救急セットの準備やキャンプ場周辺の病院の場所などをチェックしておくのも忘れないでほしいですね
──ふもとっぱらでは、子供だとどんな怪我のケースが多かったりするんですか?
ズバリ、火傷です。それこそ、子供は一瞬目を離した隙に焚き火やストーブなどの火器に触ってしまうんですよね 。危険箇所では警戒心が強まるけれど、逆に自分のサイト内では安心してしまいがちなのかもしれません。ストーブにはストーブガード、焚き火の周りは焚き火テーブルで囲うなどの対策がおすすめです
対策 5. 目と音で居場所を確認しやすくする
出典:PIXTA
──居場所を確認するためのアイディアとしては以下のような回答がありました
これも非常に有効ですね。実際、迷子の発生は暗い時間に増えるので、視認性を高めるのはいいと思います
──2歳未満など、体の小さいお子さんはより視認しにくいので、鈴など音でも認識できればより見つけやすそうです
迷子になってしまったときにとても有効なのが、保護者の連絡先と名前・本人の名前が分かる物を子供に持たせておくことです。普段はしっかり名前が言える子でも、迷子でパニックになると泣いて話せなかったりするので
──「ウチの子は大丈夫」と過信せず、パニックになってしまったときまで想定しておくことですね
子供が好きなアニメなどもひと言添えてもらえると、保護した我々もコミュニケーションが取れやすくなって助かります
対策 6. 本人が緊急時に使えるアイテムを持たせる
出典:PIXTA
──緊急時用に以下のグッズを持たせているという回答もありました
子供が遊ぶときに邪魔にならない小さな緊急呼子笛などを持たせておけば安心ですね
──パニックに陥ると、大人でも呼びかけに対して大声で返せなかったりしますよね。ただ、本人が能動的に使う必要があるので、普段から使い方を練習しておくべきですね
はい。その通りです。あとは、持たせるアイテムを“首掛け”にすると危険なので、腰回りなど遊ぶ時に邪魔にならないように注意が必要です
対策 7. もし迷子になっても探せるガジェットを使う
撮影:編集部
──迷子になってしまったときの捜索グッズとして「AirTag」や「山岳用ビーコン」を持たせておくという意見もありました
AirTagについては、迷子を探す目的で使った場合の有効性について、ぜひ私も知りたいです
山岳捜索サービス「ココヘリ」などは年会費が必要な面もあってか、実は今回のアンケートで一番多かったのが「AirTagを持たせておく」という回答。
ただ、Appleの公式見解では、“人”ではなくあくまで“物”の捜索を目的としたガジェット。“迷子を探す”場合の有効性については、検証が必要そうです。
▼AirTagの検証についてはこちらをチェック
キャンプ場でさらに気をつけたいこと
迷子対策の観点で、キャンプ場運営サイドからさらに気をつけて欲しいことを教えてもらいました!
予約時について
出典:PIXTA
予約時の注意点
●グループキャンプでは、代表者をまとめずに、できるだけ“保護者”や“車両”ごとに予約する
ふもとっぱらでは、車1台ごとに代表者と連絡先をセットで予約登録するシステムなので、迷子のケース含め、いざというときの連絡がスムーズです
キャンプ場のルールについて
出典:PIXTA
ルール1. 最徐行
迷子になってしまった子供はパニックに陥りやすく、いつも以上に、近づいてくる車などへの注意力が低下してしまうんです。なので、キャンプ場内が広くても必ず、徐行していただくようにしています
出典:PIXTA
ルール2. 移動時間制限
ふもとっぱらでは、夕方17時以降の車移動はしないようにお願いしています
──夜間の車移動を禁止するキャンプ場が増えてきていますが、これは、騒音緩和や飲酒運転の防止などが目的だと思っていました
もちろんその意味も含むのですが、暗くなると歩行者の視認性が下がって、リスクが大幅に増すからでもあるんです
迷子になった時のために
他にも備えておきたい
●連絡先が分かるものを子供に持たせておく
●迷子になった際の集合場所を決めておく
先にも触れた通り、保護者の連絡先が分かるものを持たせていただくと同時に、迷子になった際の集合場所を決めておくことが大切です
──迷子自体の防止策はもちろん大切ですが、万一迷子になってしまった場合を想定した備えも大事なんですね
ふもとっぱらでは各施設に名前があり、来場される方全てに同じ、マップを配布しているので、ぜひご活用いただきたいです
また、迷子の子供を他のお客様が保護してくださるケースも多いんです。そんな風にお互いに助け合いの気持ちでキャンプ場を利用していただけるとありがたいですね
さまざまな人が集まるキャンプ場。助け合い・思いやりの気持ちを忘れずに楽しむことが、お互いの安全性や快適性の向上にもつながるということですね。
竹川さん、とても参考になるお話しをありがとうございました!
迷子自体を100%防ぐのは難しいけれど……
今回、アンケート結果や竹川さんのお話から分かったのは、迷子になってしまった場合の対策も非常に重要だということ。
迷子自体を100%防ぐのは難しいけれど、万一迷子になってしまった場合まで想定した対策ができていれば、よりスムーズな捜索や二次被害のリスク軽減に繋がります。
あなたもぜひ、この記事を参考にキャンプでの迷子対策を見直して、安全かつ快適にファミリーキャンプを楽しんでくださいね!
✔️こちらの記事もチェック