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中古バンIDY

元アウトドアショップの店長が、中古バンをDIYしたら人生が変わった

アウトドアフリーランスとして、インストラクターや車中泊イベントを主催するヘンミマオさん。

自分の「好き」を仕事に生きる生粋の自由人かと思いきや、元はショップの店長だったとのこと。

きっかけは、一台の中古バンをDIYしたところから始まったと語るヘンミさん。そこにはどんなストーリーがあったのか? ご自身の体験談を寄稿していただきました。

目次

記事中画像撮影:筆者

コロナ禍で出会った「バンキャンプ」という生き方

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大手アウトドアリユースショップで一生懸命、働いていた数年前。店長として、大好きなキャンプギアに囲まれて、充実した日々を過ごしていました。

でも急に起きた新型コロナウィルスの流行。店舗は一時休業になって、感染対策により大好きなキャンプにもなかなか行けなくなる事態に。

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そんな中、初めて知ったのが「バンキャンプ」というスタイル。これが僕の今後の人生のターニングポイントとなりました。

筆者のプロフィール

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ヘンミマオ

アウトドアフリーランス。元アウトドドアショップ店長。コロナ禍を契機にDIYにのめり込み、中古バンをキャンプ特化型にカスタム。現在はキャンプインストラクター、キャンプ場スタッフ、キャンプコーディネーターとして活動中。
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DIYにのめり込む

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得意を活かして、働ける嬉しさを感じていたアウトドアショップの店長職。

でも、新型コロナの流行で、仕事も休日も捧げていたキャンプが失われてしまい、何にも意欲が湧かない日々が続きました。

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そんな中、おうち時間を有効に過ごす為に興味のあったDIYを始めることに。

まずは簡単な家具から。自分が頭の中でイメージした物が実際に形になるという楽しさを知ってしまい、一度始めたら止まらずに、どんどんのめり込んでいきました。

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気がついたらラック、カウンターテーブル、テレビボードなど、ほぼ全ての家具を作り終えることに。

明確な目標があるDIYは、コロナ禍でも感じることができる活力となっていました。

衝撃が走った!中古車DIYへの挑戦

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ある日、何気なくSNSを見ていたら、車の内装をオシャレにDIYして、旅やキャンプをしている人達がいることを知りました。

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車という空間の中に、こだわりとライフスタイルを「自分の手」で詰め込む。車中泊とも違う、このスタイルに衝撃を受けました。

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既製品のキャンピングカーとも異なるアイディアの宝庫。自分だけの空間をキャンプに持っていける、それがとても魅力に感じたんです。

思い立ったらすぐ!中古車を購入!

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そこからの行動は早かったです。中古車ショップを周り、DIYに最適なバンを見つけました。

選んだのは、商用車のマツダ「ボンゴバン」。よく調べて見ると、同車種でもさまざまな種類があり、自分が購入したのはロールーフ、シングルタイヤ、片側ドアの車体。

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価格は約30万円

最初からDIYするつもりだったので走行距離だけ気にかけて、外装や内装のボロさや汚さは気にしませんでした。

以前は電話会社が使用していた車とのことで、後部座席は元々無く、什器が備え付けられていました。

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イメージしていたのは、キャンプ道具を詰め込んだ山小屋のような温かみのある車。

インスタグラムやピンタレストで「バンライフ」「車中泊仕様DIY」「自作キャンピングカー」など様々なワードで検索をしてイメージを膨らませていきました。

詰め込んだこだわりポイント

キャンピングカーにはしない

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まず中古バンDIYを始める際に調べたのが、車検の条件。

もともと、このバンは小型貨物車(いわゆる4ナンバー)でした。一方、キャンピングカーは、「特殊用途自動車(いわゆる8ナンバー)」というまた違った区分になります。

4ナンバーは税金が安くコスト的にお得。しかし車検が年1回と整備にかかる負担が大きいです。対して、8ナンバーは車検が2年に1回という利点があります。

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買ったときのナンバー区分で車検を通すか、それともキャンピングカー登録をするか……迷った末、あくまで小型貨物車としてDIYを進めることを決めました。

理由は主に以下の2つ。

キャンピングカー登録はハードルが高い
自由にDIYしたい

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キャンピングカーとして車検を通すには、寝台や調理設備を備えていることが取得条件として設定されており、DIYするのはややハードルが高く、車の専門知識がない自分では不安が残りました。

自己責任を覚悟の上、自由度高くDIYを進めるためには、4ナンバーが都合が良い。そのほうが試行錯誤のしがいがあると思いました。

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「それで車検通るの?」とよく聞かれますが、DIYしたベッドや棚はあくまで荷物扱い。車体にビス止めしていないので、全て荷台からおろせるように設計しています。

車検は荷台を空にして、持っていきます。

自分のスタイルをそのまま載せる

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自分が持っているキャンプギアは、ウッド調でアンティークな雰囲気の物ばかり。だから、車の内装もそれに合わせたい。

DIYで目指したのは、自分のキャンプスタイルをそっくり車に載せること。キャンプの延長線のように、車中泊したいと考えて、デザインを決めました。

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無機質な鉄の塊を、ログハウスのような空間にする。そのために、木材を天井に貼ったり、車体もナチュラルな色合いに塗装しました。

ライフスタイルを自分の手が詰め込む作業が楽しくて、夢中になったのを覚えています。

既製品は使わない

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最近は、車中泊仕様にアドオンできる既製品が多く販売されています。

ある程度、型にハマると楽ですが、せっかくなら一から作りたい。そう思って、棚やベッドはホームセンターで木材を買い、自分で組み立てることに。

どうしても、既製品のプラスチックな質感が嫌だったというのも、理由の一つだったと思います。

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たとえば、ベッドは伸縮させて、ソファーとして2wayで使えるようにしました。週の約半分を車内で過ごすので、空間を分けたいと思ったからです。

失敗した瞬間も数知れず。「ちょっと違うな」と思ったとき、既製品なら買い換える必要がありますが、DIYなら自分でバラしてまた組み立てられる

もし壊れても、自分で使ったから、どこをどう修理すればいいか明確にわかります。生活スタイルの変化に合わせてアップグレードできるのもバンキャンプならでは。

なるべく買わない

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家具がたくさんあるように見えますが、そのほとんどはキャンプギア。元から持っていたアイテムを車内で併用しています。

だから、かかった費用は全部で5〜6万円程度。ソーラーパネルは無く、電気系統は何もいじらない。自己責任だから、自分が安全に対処できる範囲だけに留めています。

今あるものを使って、新しいものはなるべく買わないこと、それをずっと意識しています。

もしかして、お金かけずに生きていける?

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中古バンをDIYしたことで、気づいたことが一つ。「多分、自分はお金をかけずに生きていける」。

足りないものは自分で作ればいい。欲しいものがあったら自分で考えればいい。

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だからもっと、自分の気持ちに任せて、自由に全力で挑戦してみよう。そういう気持ちが強くなっていきました。

仕事を辞めて、アウトドアフリーランスに

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現在はアウトドアショップを退職。そこで得た道具の知識やお客様との関わり方などの経験を活かして、アウトドアフリーランスとして活動を開始。

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埼玉のときがわ町にあるキャンプ民泊施設「NONIWA」でキャンプインストラクターとして働いたり、「VAN CAMP JAPAN」というチームを組んで、DIYしたバンの展示やキャンプのイベントを開催しています。

最初は独学で始めた「バンキャンプ」。今ではいろんな人に興味を持ってもらい、こうして「好き」を仕事にできていることが、本当にうれしい。

これからは自分の経験を伝えて、同じ趣味を楽しめる仲間を増やしていきたい、そう思っています。

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好きこそ物の上手なれ

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いかがでしたか? 「中古バンをDIYしただけで、こんなにも大きく人生が変わるとは思っていなかった」と語るヘンミマオさん。

まさに「好きこそ物の上手なれ」。今後も自分の「好き」を信じて活動する姿を楽しみにしています!

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