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最強の冬用シュラフの選び方
冬用シュラフを選ぶ際には、快適温度や中綿の種類などチェックすべきポイントがいくつかあります。最強の暖かさを得られるように、以下のポイントに注目して選んでみましょう。
最強の冬用シュラフの選び方のポイント
対応温度|使用する環境の最低気温を要チェック
まずは、保温性を表す「快適使用温度」について確認しましょう。快適使用温度とは、その寝袋を使ったときに多くの人が快適に寝られるとされる温度を示しています。シュラフを選ぶうえで最も重要なポイントといっても過言ではありません。
快適使用温度が、最低気温より「-5度」が目安
予定しているキャンプ場の最低気温を調べ、その気温より5度低い快適使用温度のモデルを選ぶのがおすすめ。
特定の気温が不明な場合、春から秋にかけての3シーズンであれば快適使用温度が5度前後。冬キャンプを行う場合は-5度以下のモデルが選択肢になるでしょう。
-30度前後でも使えるモデルが最強
冬の雪山や高地など過酷な環境でキャンプを行う場合は、-30度前後のモデルも選択肢になります。雪や結露で濡れると保温力が低下してしまうので、防水・撥水性能にもこだわって選ぶとよいでしょう。
ただし、快適使用温度が-30度を超えるようなモデルは、ほかの時期や低地での冬キャンプでは暑すぎる場合もあるので、注意が必要。快適使用温度が低ければよいというわけではなく、自分のキャンプスタイルにあったものを選んでくださいね。
中綿|ダウンと化繊の2種類
中綿の素材もシュラフ選びにおいてとても重要なポイント。主にダウンと化繊の2種類があります。自分の重視するポイントにマッチしたモデルを選びましょう。
コンパクトになるのはダウン
コンパクトさを重視する場合は、ダウンがぴったり。軽量かつ圧縮性に優れていて、持ち運びやすいのが特徴です。特に800フィルパワー以上の高品質なダウンは少量で高い保温性を発揮します。
ただし、ダウン最大の弱点は濡れると保温性が低下する点。濡れる可能性がある環境で使用する場合は、防水性のあるシュラフカバーなどを併用しましょう。
濡れても保温性が落ちにくいのは化繊
濡れても保温性が落ちにくいものがほしい場合は、化繊を要チェック。圧縮性はダウンに劣るものの、濡れても保温性を維持するのが利点です。また、ダウンよりリーズナブルに購入できるのも大きなメリット。
収納サイズのコンパクトさより、価格の安さや扱いやすさを重視する方におすすめです。
形状|マミー型と封筒型から選ぼう
シュラフの形には主にマミー型と封筒型があります。それぞれの特徴やメリットについて解説するので、自分の使い方に合ったものを選んでくださいね。
暖かさ重視ならマミー型
暖かさを重視する場合は、マミー型がうってつけです。マミー型はその名のとおりミイラのように体全体を包み込む形状をしていて、密着性が高いのがメリット。内部の空気を効率よく暖め、冷気の侵入と暖まった空気が出ていくのを防ぎます。ただし、封筒型に比べると窮屈感がある点には注意が必要です。
また、軽量・コンパクトに持ち運べる点も魅力。小さく収納できるので、登山やツーリングキャンプなどに適したモデルがほしい場合は、ぜひチェックしてくださいね。
ゆったりとした寝心地なのは封筒型
ゆったりと使いたい場合は、封筒型がぴったり。長方形のシンプルな形状で、マミー型に比べてゆとりがある点が特徴です。寝返りを打ちやすく、快適に眠れるので、体が大きな人にも適しています。
また、ファスナーを開けるとブランケットや布団のように広げて使うことも可能。布団のように使えば温度調節しやすいので、春先や秋口まで幅広く使えるモデルがほしい人は要チェックです。洗濯機で丸洗いできるタイプも多く、お手入れも簡単ですよ。
真冬でも暖かい最強シュラフ5選
ここからは真冬でも暖かい最強のシュラフをダウンと化繊の種類別にご紹介。一般の成人男性が寝袋の中で丸くなった状態で寝られる温度を示す「下限温度」が-25度以下のシュラフをピックアップしました。
最強のダウンシュラフ3選
NANGA オーロラライト900SPDX
快適温度(度) | - |
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下限温度(度) | -27 |
中綿素材 | 860フィルパワーダウン |
重量(g) | 1,400 |
展開サイズ(cm) | - |
収納サイズ(cm) | 21×21×41 |
適応身長(cm) | 165 |
上級者向けのフラッグシップモデル。濡れに強く、過酷な環境でも大活躍
NANGA オーロラライト900SPDXは、海外の高所登山まで対応可能なフラッグシップモデル。表地にはNANGAが独自に開発したAURORALIGHTという防水透湿素材を使用していて、雨や結露に強く、濡れて保温力が下がる心配がありません。
サイズはショート・レギュラー・ロングの3種類から、身長に合わせて選べます。小柄な方や大柄な方にもおすすめです。
おすすめポイント
⚫︎海外の本格的な冬山登山にも対応できるフラッグシップモデル
⚫︎防水透湿素材を使用していて、雨や結露をしっかりはじいて濡れにくい
⚫︎修理、クリーニングなどのアフターサービスが充実。安心して使い続けられる
イスカ ダウンプラス デナリ 1100
快適温度(度) | - |
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下限温度(度) | -30 |
中綿素材 | 720フィルパワーダウン |
重量(g) | 1,830 |
展開サイズ(cm) | 84×208 |
収納サイズ(cm) | 24×24×38 |
適応身長(cm) | - |
厳冬期の登山までカバーできる本格モデル。保温性が高く、窮屈感もない
イスカ ダウンプラス デナリ 1100は、下限温度-30度という脅威のスペックで厳冬期のあらゆる国内登山に対応します。
上部に余裕を持たせた3D構造を採用することで窮屈感が少なく、足元には多めに保温材を使用することで末端の冷えを防ぎます。
おすすめポイント
⚫︎厳冬期のあらゆる国内登山に対応する
⚫︎3D構造を採用。窮屈感なくゆったり眠れる
⚫︎足元に保温材が多く使用されていて、足が冷えて眠れないことがない
サーマレスト ポーラーレンジャー -30℃
快適温度(度) | -20 |
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下限温度(度) | -30 |
中綿素材 | 800フィルパワーダウン |
重量(g) | 1,477 |
展開サイズ(cm) | 183 |
収納サイズ(cm) | 22×22×25 |
適応身長(cm) | - |
ポップなカラーのハイスペックモデル。抜群の保温力で冬山でも安心
サーマレスト ポーラーレンジャー -30℃は、極地冒険家のために作られた本格モデル。足元のダウン量が多く、しかも足元の暖かい空気が逃げないようにジッパーが太もも辺りまでになっています。
寝袋から出ることなく腕を出せる点も大きな特徴。マットレスと一体化させるコネクターや、別売りのキルトやブランケットと繋げられるループなどを搭載した細かい仕様がうれしいポイントです。
おすすめポイント
⚫︎足元が冷えないようにダウン量や構造に工夫がされている
⚫︎寝袋から出ずに腕を出せる。温度の調整も可能
⚫︎マットレスと連結し、ズレを軽減できる
最強の化繊シュラフ2選
Bears Rock 封筒型寝袋-30℃
快適温度(度) | 20~-10 |
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下限温度(度) | -10~-30 |
重量(g) | 3,400 |
展開サイズ(cm) | 90×230 |
収納サイズ(cm) | 36×36×45 |
適応身長(cm) | - |
低温対応の封筒型モデル。マミー型が苦手な人にうってつけ
Bears Rock 封筒型寝袋-30℃ FX-503Wは、横幅90cmと広々していて、ゆったり眠れる封筒型のモデル。窮屈なのが苦手な方におすすめです。また、幅広なので毛布を入れて使うこともできます。
内側には肌触りが良く、吸水性にも優れた素材を採用。暑いときはさらっと、寒いときはすぐに暖かさを感じることができます。
おすすめポイント
⚫︎-30度まで対応可能。マミー型が苦手な人におすすめ
⚫︎フルオープンにしてブランケットとしても使用可能
⚫︎内側には肌触りが良く、吸水性に優れた素材を採用
Bears Rock マミー型センタージッパー寝袋-34℃
快適温度(度) | 12~-12 |
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下限温度(度) | -12~-34 |
重量(g) | 2,900 |
展開サイズ(cm) | 83×210 |
収納サイズ(cm) | 34×34×45 |
適応身長(cm) | - |
センタージッパーが目を引くモデル。スムーズな出入りと使い勝手のよさが魅力
Bears Rock マミー型センタージッパー寝袋-34℃ FX-453Gは、センタージッパーが特徴的なモデルです。出入りがしやすく、下側のジッパーを開けて足を出せば温度調節も簡単。
腕を出せるようになっているので、寝袋に入ったままスマホを触ったり、読書をしたりできるのもメリットです。首・顔・頭まわりをしっかり覆うドラフトフードにより、より高次元の暖かさを実現しています。
おすすめポイント
⚫︎センタージッパーモデルで出入りがスムーズ
⚫︎腕を出せるので、寝袋に入ったままスマホを見たり、本を読んだりできる
⚫︎首・顔・頭まわりを覆うドラフトフード搭載
シュラフを暖かくするテクニック
スペックの高いシュラフを選ぶことも重要ですが、工夫次第で暖かく過ごせます。以下の方法をぜひ参考にしてくださいね!
インナーシュラフや毛布を入れる
シュラフの保温性を高めるためには、インナーシュラフを併用するのが効果的。インナーシュラフは、シュラフの内側に敷く薄手のシーツのようなもので、フリース素材のものが特に暖かくておすすめです。
また、毛布やブランケットで代用するのも1つの方法。マイクロファイバーやフリース素材の毛布は、軽量で保温性が高いため、寒い夜でも快適に過ごせます。これらのアイテムをうまく活用して寒い季節のキャンプを楽しみましょう!
Snugpak フリースライナー
サイズ(cm) | 76×220 |
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素材 | ポリエステルフリース |
重量(g) | 1,000 |
フリース素材で暖かい。ズレも少なく快適
おすすめポイント
⚫︎夏場に単体で使用できる
⚫︎顔回りには暖気を逃さないためのドローコード付き
⚫︎コンプレッションサックが付属し、コンパクトに圧縮できる
▼人気のインナーシュラフを比較した記事はこちら
5050WORKSHOP NUK ヒーター搭載電熱ブランケット&クッション
サイズ(cm) | 105×150 |
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素材 | ポリエステル |
重量(g) | 600 |
2Way仕様で使いやすい。おしゃれで使いたくなるデザインも魅力
おすすめポイント
⚫︎ヒーター内蔵で暖かい。10,000mAhのバッテリーで最長7時間使用できる
⚫︎ファスナーを締めればクッションにもなる2Way仕様
⚫︎落ち着いたカラーリングがおしゃれで普段使いも可能
湯たんぽ・カイロを使う
シュラフ内を暖かく保つために、湯たんぽを使用するのも非常に効果的な方法。湯たんぽは、就寝の30分前にシュラフ内に入れておくのがおすすめです。お尻や腰あたりの位置に入れておくとシュラフ全体が暖まり、快適に寝られます。
より手軽に暖をとりたい場合は、カイロがぴったり。背中や腰、足の裏など大きな筋肉がある部分に貼るとより効果的に暖かさを得られますよ。
ただし、湯たんぽやカイロを使用する際は、低温やけどに注意が必要。湯たんぽはカバーを使用し、カイロは衣類の上から貼るようにしましょう。湯たんぽについてはお湯が漏れないようしっかり蓋を閉めたか確認してから使ってくださいね。
ONOE トタン湯たんぽ
サイズ(cm) | 29×22×8 |
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容量(L) | 2.4 |
昔ながらのデザインが可愛い。コンパクトで普段使いも可能
おすすめポイント
⚫︎シンプルで飽きのこないデザインが魅力
⚫︎一酸化炭素中毒の心配なく使用できる
⚫︎自宅での使用にもぴったり
小林製薬 桐灰カイロ マグマ(貼らないタイプ) 10個入
サイズ(cm) | 13×9.5 |
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容量(L) | - |
手軽に暖をとりたい人にオススメ。貼るだけですぐに暖かくなる
おすすめポイント
⚫︎すぐに高温になり、冷めにくい
⚫︎服の上から貼るだけで簡単に暖をとれる
⚫︎30枚で2,000円前半とリーズナブルに購入できる
厚手の靴下やテントシューズを履く
厚手の靴下やテントシューズを履くのも効果的な方法の1つ。靴下は、特にメリノウール素材がおすすめ。メリノウールは湿気を吸収し、乾燥させる特性があり、足を暖かく保ちながら蒸れを防げます。寝る前に厚手の靴下を履くことで、足先の冷えを効果的に防ぐことができます。
靴下だけでなく、ダウンや化繊綿を使用したテントシューズもおすすめ。軽量で保温性が高く、足元をしっかりと暖められます。コンパクトになるものが多く、持ち運びやすいのも特徴です。
モンベル エクセロフト フットウォーマー
サイズ展開(cm) | S:22~24/M:24~26/L:26~28 |
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素材 | ポリエステル |
脱げにくく、快適に履ける。保温性も抜群
おすすめポイント
⚫︎中綿にモンベル独自の素材エクセロフトを採用。濡れても保温性が落ちにくい
⚫︎裏地にずれにくい起毛メッシュ地を使用。就寝時、歩行時ともに脱げにくい
⚫︎ドローコードで足首のフィット感を調節可能
▼テントシューズのおすすめを紹介している記事はこちら
厚手のマットやコットを使う
厚手のマットは必須です。厚手のマットを使えば地面からの冷気を遮断し、断熱効果を高めることができます。選ぶ際は、断熱性能を示すR値が高いマットを選びましょう。マットを複数重ねて使用するのも1つの方法です。
さらに寝心地を高めたい場合は、地面から体を離すことのできるコットを併用するのがおすすめ。地面からの冷気の影響を最小限に抑えることができ、凹凸の影響もなくなります。
WAQ インフレータブル式マット 10cm
展開サイズ(cm) | 70×200×10 |
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収納サイズ(cm) | 77×22 |
重量(kg) | 3 |
10cm厚で寝心地良好。設営がスムーズなのもうれしいポイント
おすすめポイント
⚫︎厚みが10cmあり、冷気をしっかり遮断できる
⚫︎自動で膨らむオートエアバルブを搭載。手間をかけずに膨らませられる
⚫︎複数横並びにして使いやすく、ファミリーキャンプにもぴったり
▼インフレーターマットを比較検証した記事はこちら
DOD ハンペンインザスカイ
展開サイズ(cm) | 78×190×22/39 |
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収納サイズ(cm) | 44×25×22 |
重量(kg) | 5.9 |
ベンチとしても使える汎用性の高さが魅力。寝心地もふかふかで気持ちいい
おすすめポイント
⚫︎エアマットを内蔵したふわふわの寝心地を楽しめるコット
⚫︎ハイ、ローどちらにも調節でき、ベンチとしても使える
⚫︎耐荷重が180kgあり、大人3人が座ることも可能
▼おすすめのコットを紹介している記事はこちら
最強の冬用シュラフを手に入れて冬キャンプを満喫しよう!
星が美しく、虫が少ない冬はキャンプにぴったりの季節。ハードルが高く感じるかもしれませんが、しっかり防寒対策していれば快適にキャンプを楽しめますよ。今回紹介した最強の冬用シュラフを手に入れて、魅力たっぷりの冬キャンプに出掛けてみてくださいね!
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