旅をコンセプトとしたセレクトショップ「Purveyors」
群馬県桐生市にある名店「Purveyors(パーヴェイヤーズ)」。倉庫を改装した3階建ての建物に、ショップ、ビールの醸造所、レストランが同居する、個性的なお店です。
パーヴェイヤーズは旅とアウトドアをコンセプトにしたセレクトショップです。2階3階では僕たちの目線でセレクトしたアイテムや、オリジナルのアイテムを販売。1階はクラフトビールの製造、販売を行い、レストランにて提供しています
そう教えてくれたのは、若いながらストアマネージャーを務める岩上哲平さん。
今回は、テッペイさんがどのようにしてパーヴェイヤーズと出会い、働くに至ったのか、またアウトドアに限らず、ビール製造や飲食を手掛けたり、イベントで日本全国へ飛び回ったり、積極的な展開を見せる気鋭の店舗をどうやって切り盛りしているのか話を聞きました。
地元桐生のお店で感じたワクワク感
テッペイさんとパーヴェイヤーズの出会いは約2年前、父親の紹介で店に足を運んだそう。
オーストラリアでのワーキングホリデーから桐生の実家へ戻った際、父親の紹介で客として訪れました。そのときの中に入ったワクワク感は、はじめて一人で飛行機に乗りフィリピンの街中に降り立ったときの感覚とすごく似ていましたね。直感的にここで働きたいと思いました
地元での運命的な出会いでパーヴェイヤーズで働き始めましたが、テッペイさん自身がお店のコンセプトにフィットした人材であったことも重要なポイントです。
パーヴェイヤーズに入る前はフィリピン、オーストラリアと語学留学をしていました。そこでいろんな場所を旅して回りましたし、自然豊かな場所で過ごしている中で、アウトドア・キャンプはもはや生活の一部。ファッションももともと好きでした
「Purveyorsという世界観」を実現する、唯一無二の店舗作り
厳選されたアウトドアギアやアパレル
店頭に並ぶギアやアパレルは、他のアウトドアショップとはひと味違う品揃え。こだわり抜いたセレクトが見て取れます。
アイテムはオーナーがセレクトしています。例えば手前のテーブル・ブランケットのスツールはウッドライフサービスという古材を使用した木製ファニチャーのブランドで、オーナーが北海道の旅先でいつも行く居酒屋の店主からご紹介してもらい、実際に工房へお邪魔し取り扱うことになったブランド。他のアウトドアショップではなかなか見られない物だと思います。このとき僕も一緒に旅をしていました。
パーヴェイヤーズにはオリジナルブランドや、名だたるブランドとの別注やコラボアイテムも多数ラインナップしています。
あと僕たちはオリジナル商品やコラボ商品の企画をしています。年に2回、パーヴェイヤーズショーという合同展示会を行なっていまして、その度に新しいアイテムやコラボをお披露目しています
クラフトビールやレストランなども手がける
「ファークライ ブルーイング」は2021年にスタートし、パーヴェイヤーズ店内で醸造を行う本格的なクラフトビールです。
ファークライ ブルーイングは、阿久澤 健志氏をブルワーに迎えスタートした桐生発のビールです。彼は仕込みに麹を使ったビールの第一人者。ファークライのビールには、麹の持つ酸味やフルーティーさがあります。この日本の伝統手法を使ったビールを世界に向けて発信していきたいと思っています
イベントプロデュースで全国を飛び回る
パーヴェイヤーズの仕事はお店の運営だけではありません。日本全国のイベントのプロデュースや出店も大きな仕事の一つ。
旅をコンセプトとしているので、日本全国で仕事をしています。5月だけでも、秋田、茨城、静岡、大阪、埼玉、愛知、横浜のイベントへ参加しました。
イベントは、オーナーがお店のできる前から続けてきた仕事。今はパーヴェイヤーズがあることでさらにパワーアップして展開できています。イベントに出ることで多くの出会いがあり、それが新しい仕事に繋がることも少なくありません。僕たちにとって、外に出ることはかなり意味があるんです
あらゆる現場でカメラを構えることも
テッペイさんはストアマネージャーであると同時に、パーヴェイヤーズ専属カメラマンという一面も。EC用の商品撮影などはもちろんのことイベントの撮影なども行います。
もともとカメラ片手にオーストラリアなども回っていましたが、いまやカメラは僕に欠かせない仕事道具です。商品、イベントなどの映像制作、web掲載などをメインで行っています。
演出はつけずに、シズル感とか、楽しそうとか、雰囲気がいいとか、その瞬間を切り取る。生の感じを出すよう心がけています
名店を任される重圧
多岐にわたるパーヴェイヤーズの仕事を任されるのは、やはり楽しいことばかりではありません。のしかかる名店の重圧に、テッペイさんも苦労が耐えないようです。
正直、大変なことばかりです。アウトドア業界に入るのも初だし、なんせパーヴェイヤーズはお店だけじゃないですからね。イベントプロデュースの段取りや現場仕切りなど、トラブル対応など色々大変です
店やイベントで起こる数々の出会いの中に喜びが
お店やイベントでたくさんの人との出会いがあり、その中にやりがいや喜びがあるとテッペイさんは話します。
ものが売れたらもちろんうれしいのですが、マーケットイベントでお客様が作家さん、ブランドディレクターの方とお話ができ、より商品を理解して満足してご購入している姿や、ライブイベントで満足しているお客様の笑顔を見ているときが1番うれしいですね。
お客様、ブランド、関係者、みんなで一緒にPurveyorsを作っているという感覚。もっともっと面白いお店にしようと思えます
那須に新店オープン!気鋭ショップの挑戦は続く
すでに様々なプロジェクトを行なっているパーヴェイヤーズですが、気鋭の店舗は止まることを知りません。さらなるサービス向上のため、次なる仕掛けを用意しているようです。
これからも、日々ご来店されるお客様の人生を良い意味で狂わせるようなお店作り、サービスをしていこうと思います
実は、2022年7月6日に、栃木県那須町の森の中にある「GOOD NEWS」という商業施設の中に、新たな店舗が誕生しました。「持続可能なまちづくり」を掲げながら、森と共生し施設内にお菓子の製造工場兼就労支援施設を構えた商業施設。
僕たちとしても那須限定商品や森の中のテント展示など、桐生店舗とは違うスケールでお待ちしております。
パーヴェイヤーズ初の姉妹店舗の誕生ということで期待しかありません。
パーヴェイヤーズを世界一かっこよく
これからも様々な展開を用意するパーヴェイヤーズ。それを支えるテッペイさんの志はさらに大きいものでした。
これはアウトドア業界においてなのかわかりませんが、量販店でもなく、他のセレクトショップでもなく、パーヴェイヤーズという世界観で独立して、世界でも1番かっこいいお店にしたいですね