リラックスも前傾も快適な「アーミーダック」製のシート
デザインにオリジナリティはあるけど、肝心の座り心地が犠牲になってしまっていては、長く付き合える相棒にはなり得ません。「RLTチェア」はデザインはもちろん、座り心地にもこだわり設計されています。
その座り心地の要となっているのが、シートの素材と形状です。「RLTチェア」のシートには、愛知県知多半島で織られている、アメリカ発祥の米国連邦規格に準じた帆布生地「アーミーダック」を使用。
強度の高い綿糸を、高密度で織り上げているので、一般的な帆布に比べ、薄手でも高い強度を持ちます。それにより、伸びにくく柔らかな座り心地を実現。
さらに、シートの形状にも、座り心地の良さの秘密が……。シートはフレームの肩側と膝側の2辺に、ハンモックのようにかけられているので、座り姿勢に合わせて動くようになっています。
浅く座って後傾姿勢をとり、リラックスした状態もこの通り。シートは、首あたりまでカバーするハイバック形状になっているうえ、頭と股を支える部分にフレームが無いので、リラックスチェアとして最高の座り心地をもたらします。
リラックス姿勢にくわえて、キャンプ用ローチェアに求められるのが、前傾姿勢での座り心地の良さ。ロースタイルでのキャンプシーンでは、リラックスするだけでなく、料理や食事で、前傾姿勢を取ることも多いです。後傾姿勢に特化したチェアで無理に前傾姿勢を取ると腰を痛めてしまう原因にも……。
「RLTチェア」は、前傾姿勢を取ると、シートが姿勢に合わせる形で動くので、腰に負担がかかりにくく、快適です。
キャンパーにうれしい実用性の高さ
「RLTチェア」は家のインテリアとしても、素晴らしい出来のチェアですが、キャンプ向けに設計されているので、分解折り畳み機能もしっかり備えています。背面のロープの自在を緩めることで、2つ折りの状態に折り畳み可能。
さらに、フレームを5つのパーツに分解できるので、車のサイズの関係で、積載が限られている方や、バイクでツーリングキャンプをする方も持ち運びがしやすいです。チェアには、「アーミーダック」製の収納袋も付属。
日本の銘木のぬくもり。素材へのこだわりが尋常じゃない
冒頭でRLTのプロダクトは、伐採されたまま使われることのなかった「支障木」を素材として活用していることに触れましたが、これらの木材は雑多な木材ではありません。その「支障木」の中から厳選した、銘木を製材して使用しています。
写真の板1枚につき、チェア1脚を製作。一流の木工家が、1枚の板の中から良い部分をさらに厳選しています。
「RLTチェア」はフレームに使用された木材の違いで、「こなら」「山桜」「欅」の3種類をラインナップ。いずれも知る人ぞ知る、材木店などでは高値で取引されている、日本が誇る高級木材です。
巷にはオークや、ウォルナット、タモなどを使ったアイテムが多いですが、実は優れた木材は他にもたくさんあることを知らされます。
木材の需要と供給の関係で、他の銘木を使用したモデルを展開したり、逆にラインナップから消えることもあるので、出会いは一期一会。
熟練の職人技が成す、触っただけでわかるほどの質感の高さ
筆者が「RLTチェア」に実際に座って感じたのは、質感の高さ。アームレストに手を置くと、ウッドフレームの表面が驚くほど滑らかな触り心地に加工されているのがわかります。指でなぞっても全く引っ掛かりがなく、ずっと触っていたくなるような仕上がり。
その質感の高さの秘密は、熟練の木工家による徹底した、鉋(かんな)がけ。アウトドア用のウッドチェアにここまで丁寧な鉋がけを行うブランドは見たことがありません。
「RLTチェア」は決してお安くは無いですが、その分大量生産品では得られない細やかな職人技が凝縮されているので、違いがわかる人には価値以上のものに感じられます。
スモールパーツにも妥協なし。突き詰められたディテール
さらに、チェアの質感を高めているのが、細部への妥協の無さ。
チェアの各所にはクオリティ高く美しい真鍮製の金具が使用されています。さらに、これらの金具ひとつひとつは、腕利きの金属加工職人がいる工場で製作されていると言うのだから、そのこだわりは本物と言わざるを得ません。
経年変化も楽しめる真鍮パーツはもちろん、フレームを固定するガイロープにもこだわりが詰まっています。こちらのガイロープは静岡県で製造されたもの。オリジナルの自在金具とのマッチングを何度も繰り返し、あえてインナーコードを撚っていない4mmのものが使われています。
ブランドオーナーの鈴木氏は、「私たちのプロダクトはそのままでも完成度の高いものを目ざしていますが、ガイロープを好きなものに交換するなど、使い手の自由な発想でカスタムも楽しんで欲しい。」ともおっしゃっていました。そういった懐の深さもRLTの魅力。
一生モノのウッドチェアで質の高いキャンプライフを……
余談ですが、2021年度の幸福度ランキングが2位だったデンマークでは、初任給で椅子を買う習慣があります。それは、椅子が単なる物ではなく、一生のうちの長い時間を過ごす大切な場所として考えられているから。そのため彼らはいいものを吟味して選び、長く大切に使い続けます。
そんな価値観に共感できる方には、このウッドチェアはおすすめです。飽きの来ないデザインと高い耐久性を備え、修理や座面の交換などのサポートも手厚いので、あなたの人生のパートナーとして生活の質を一段高めてくれることでしょう。
チェアの他に、ウッドテーブルも開発中のRLT。今後も目の離せないブランドです。