出会いは、お店がオープンして1ヵ月くらいに客として来たこと。そのとき、客とスタッフという関係でしたが、オーナーのトモさんと話していて、週末だけの手伝いを探していると話していたんです。
軽いノリで「僕でよければ」と言ったら「じゃあ早速来週から!」と(笑)。
週末だけお店で働き始めたアツシさん。仕事を続けていくなかで、次第に本気で取り組みたいと思うようになったそうです。
いずれは趣味を仕事にしたいと漠然と思っていました。また学生時代にスターバックスでアルバイトをしていたこともあり、再びカフェで働けることに喜びも感じていました。
好きなものに囲まれて働くなかで、「週末の手伝いだけでなく本腰をいれて働かせてほしい」と思うように。そこでトモさんにお願いをして、2020年の4月から店長として立たせてもらっています。
現在はコーヒーを淹れたり接客したりと、店舗運営をメインとしてイベントの企画や商品企画などマルチに動いています。
繋がりから生まれる新たな商品
TARP to TARPのカフェメニューや販売しているアイテムは、人と人、キャンパーとキャンパーの繋がりから生まれたものばかりでひとつひとつにエピソードがあります。
大人数でも取り分けやすいキャンプ向きなカレー
キャンプといえばカレー!ですが、キャンプに最適化されたカレー、という角度は面白いアイデアです。
カフェメニューのスパイスカレーもキャンプ仲間に振る舞ってもらったものがおいしくて商品化されたもの。キャンプで仲間に少しずつ取り分けるとき、具が均等になるように、細かくカットされているのがポイントです。
TARP to TARPではカフェメニューとしての提供しかしていませんが、このカレーの考案者のダホンカレー@dahon_curryにて注文が可能。キャンプで味わいたい方はぜひ問い合わせてみてください。
キャンプの洗い物が簡単に!
繋がりから生まれるのは、カフェメニューだけではありません。
オープン当初はカフェがメインで物販は多くありませんでしたが、繋がりが広がるにつれて商品数も増えていきました。
その中でも「ECO CAMP CLEANER」は大ヒット商品のひとつ。汚れた食器に吹きかけてキッチンペーパーなどで拭き取るだけで、食器が驚くほど綺麗になるという優れもの。
これは、トモさんと繋がりがあったメーカーの商品で、もともとキャンプ用ではありませんでした。しかしお客様の好評を受けて、パッケージデザインを変えて、“キャンプ専用”として販売するようになりました。
キャンプでお酒をより美味しく飲むためのひと工夫
お酒好きだというアツシさんは、自分の好みを商品に反映させることもあるそう。
僕が企画したアイテムもあって、それがこのTARP GLASS(タープグラス)。キャンプでも使えるかっこいいグラスが欲しいなと思い作りました。
ビールやハイボールは、グラスに注ぐと炭酸がちょうどいい具合になってよりおいしくなります。僕の企画では、自身の好みや実務の中から得た気付きを商品に落とし込んでいますね。
「ECO CAMP CLEANER」や「TARP GLASS」は店頭のほか、ECサイト「LOG」で購入できます。
キャンプイベントを通して体験した、ピンチと達成感
アツシさんは年2回開催されるキャンプイベント「TARP to TARP to CAMP(タープトゥータープトゥーキャンプ)」の企画運営も任されているそう。
初めて企画運営を任された第2回で今の仕事史上最大のピンチと、この仕事ならではの喜びを同時に体験したそうです。
このイベントは100組くらいキャンパーが集まる大規模なグループキャンプで、店と同じくみんなが繋がることを目的にしています。僕が企画を任された最初のイベントで、会場が想定よりも狭くお客さんが入りきらないかも……というハプニングがありました。
そんな危機を救ってくれたのは、先に会場内でキャンプサイトを設営していたお客さんたちだったそう。
どんどんお客さんが入ってくる中で、先に入っていた方に場所を詰めてもらうようかけ合っていきました。普通は嫌だと思うんですけどみなさん快く了承してくれて……なかにはタープやテントを一から張り直してくれる人までいたんです。
繋がりに助けられ、なんとかピンチを切り抜けられました。イベント中も隣り合ったキャンパー同士で新たな繋がりができるのを目の当たりにし、イベント後には大きな達成感に包まれましたね。
なお、次回のTARP to TARP to CAMPは5月ごろの開催を予定しているそう。イベントの詳細はTARP to TARPのインスタグラム@tarptotarpで順次発表されるとのことで、気になる方は要チェックです。
自分自身が人と人を繋ぐ存在へ
現在好きなものに囲まれて仕事ができているアツシさん。彼がやる気に溢れて話す今後の展望は聞いているだけで期待感が膨らみます。
個人的には、TARP to TARPがキャンパー同士をつなぐ場所であるために、自分自身が“輪を広げるきっかけ”を作れる人でありたいですね。この人に会えばキャンプの楽しい話が聞ける……と思われるよう頑張ります(笑)
お店としては、今後も新しい商品には期待して欲しいですね。お話しできる限りでは、大型キャンプギアやビールなどを仕込んでいるところです。イベントもいろんなことにチャレンジしていくつもりです。若い人向けのイベントとかやってみたいですね。
TARP to TARPはキャンパーとキャンパーが繋がる場所、行けば新たなキャンプ仲間との出会いがあるかもしれません。
横浜に寄った際にはぜひ訪れて、アツシさんをはじめとしたTARP to TARPスタッフ、居合わせた他のお客さんとの会話を楽しんでみてください。