【作法1:直前まで水に浸す】
製品は清潔な状態で梱包されてきますが、使用前によく洗い、装着直前まで水または湯に浸しておきます。水に浸しておくのは、サイフォンの原理を使うための呼び水を入れるためです。
【作法2:直径9cm未満、湯はタップリ沸かす】
この製品はマグカップ用なので、湯沸かしも基本的にマグカップになります。メーカーウェブサイトによると直径9cm以上のクッカーには少し慣れが必要とのこと。
とはいえ、我が家に直接火にかけられる直径9cm未満のマグカップが無かったため、直径12.3cmのロッキーカップに装着してみました。ロッキーカップはメーカーでも実証済みのため、まずまずの相性のようです。そして、沸かす湯量は満水近くが良いとのこと。
【作法3:湯沸かし前からの装着はNG】
森乃雫は製作過程で140℃耐熱の特殊接着剤を使用し、取り付け固定用にネオジム磁石(150℃耐熱)を用いているため、本体を装着したカップを火にかけると破損の可能性があります。カップへの装着はバーナーから下ろしたあとに行いましょう。
【作法4:右利き10〜11時、左利き1〜2時方向】
取説には湯を注ぐ際、カップの傾きや注がれる湯量を確認しやすくするために、本体の装着位置はハンドルを6時の方向にして、右利きなら10〜11時、左利きなら1〜2時の方向が良いと記載されていました。
本体の磁石部分をつまんで隙間を作り、その隙間をカップのフチへ深くしっかり差し込めば、固定されます。片手で簡単に装着できますが、火傷には注意!
【作法5:初めは僅かな傾けを維持】
ほぼ満水であれば、サイフォン効果によりカップを僅かに傾けただけで、森乃雫が湯を吸い上げ、注湯が始まります。注ぎ初めはあまり動かさずベストな傾きを維持するのがコツです。
注ぎ口から細く出ている湯は毎秒2.5ml。カップの傾きを調整すれば雫落としも可能で、さらに雫落としからの多めの注ぎは毎秒3ml。200mlのカップならドリップに1分20秒以上かかる計算です。
【作法6:残り湯はカップなどの洗浄に使う】
筆者所有のドリップポットの注湯量を測ると毎秒5〜25mlでした。森乃雫はカップ1杯分専用の繊細な湯量に調整されていることがわかります。言い換えると、一度に数人分を淹れるには注ぐ湯量が足りないかもしれません。
※300ml以上の抽出をする場合は、濃いめに抽出してから足し湯する方法もあるとのことです。
少しコツが必要だったものの、おいしいコーヒーが淹れられました。カップ1杯分を淹れるための量より多くの水と、それを沸かすための燃料消費はシビアな山岳キャンプでは少々損失ですが、平地のキャンプなら残ったお湯をカップなどの洗浄に使えば有効利用できます。
ケトルやシェラカップにも装着可能
森乃雫を装着した状態での湯沸かしはNGなので、荷物の制限が少ないオートキャンプなら、湯沸かしは直径9cm以上のケトルで行い、その湯をマグカップに移して森乃雫を取り付けて注湯するという方法も可能です。
キャンプの必需品シェラカップへの装着ももちろん可能。一人分のお湯をサッと沸かして、そのままドリップができちゃいます。
UL志向のキャンパーなど、なるべく持ち運ぶギアを少なくしたい方にはぴったりです。
コーヒー党バックパッカーのソロキャンプに最適
森乃雫はカップ1杯分のコーヒーを美味しく淹れるためのミニマルで、良い意味でマニアックな製品です。実際に使うと、デザインや設計の奥深さに感心してしまいます。
コーヒーは嗜好品ゆえ、淹れる方法、味わう方法は個人の自由ですが、ミニマルな道具で注湯の時間も味わいたい人には、特別なキャンプアイテムになること間違いなしです。
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