ミニマルワークスの人気テント「シェルターG」を購入レビュー
今回紹介するのは、ミニマルワークスの中型ドーム型シェルターテント「シェルターG」。2021年の6月頃、日本での発売が開始されたテントです。
こちらのテントを買ってよかった7つの理由と、気になったポイントをレビューしていきます。
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筆者が「シェルターG」を選んだ背景
筆者が「シェルターG」を選んだ一番の動機は、ふもとっぱらのような強い風が吹きがちなキャンプ場での使用に耐えるドーム型のシェルターテントを探していたことでした。
これまで使用していたコットン製の大型ワンポールテントでは雨撤収が大変、タープでは風に弱いという悩みを解決したかったのです。
とはいえヒルバーグ「アトラス」のような大型のドームテントは高額で手が出せないこともあり、予算10万円前後で、設営がしやすい中型サイズのものを探していました。
ミニマルワークス シェルターG
理由その1. 1人でも立てやすい構造とディテール
2本メインポールを入れただけで自立するので立てやすい
「シェルターG」は、メインポール2本、サブポール2本で立てるドーム型のシェルターテントです。メインポールを2本通すだけで自立するので、1人でも設営しやすい作りになっています。
風が吹いているときはこの状態でペグを打っておくとさらに設営しやすいです。
ポールはメインとサブで色分けされているので迷うことなく設営できます。ポールの一部がオレンジに着色されているのがメインポールの目印。
ポールをスムーズに抜き差しできるポールスリーブ
ポールを通すスリーブは、ゆとりのある作りになっており、スムーズに抜き差しできます。この部分がタイトに作られていると、ポールを抜く際に途中でポールが抜けたりとストレスを感じることもあるのでありがたいところ。
ミニマム4本の少なめなペグダウン数
必要なペグダウンの数については、無風時には最低4本で固定できるので、慣れれば約20分ほどで設営可能。強風時には、最大14本のペグダウンでしっかり風対策できます。
付属のアルミ製のVペグは8本のみで、風の強いシーンでは対応しきれない場合もあるので、長めの鍛造ペグやチタンペグを用意しておくのを推奨します。
理由その2. 風に強いドーム構造
「シェルターG」はポール同士がクロスするポイントが6箇所ある、風に強いドーム構造です。強風時には、左右各2本、前後各1本、合計6本のガイラインをペグダウンすることでより風に強くなります。
生地についても、引き裂き強度と2000mm防水を備えた40デニールのシルナイロンを使用しており、台風でも無い限り必要十分なスペック。
弱点があるとするなら、天井の面積が広めなので、積雪による真上からの力には注意が必要です。そういったシーンに出くわした場合は、大きめのタープをテントの上に鋭角で張りましょう。
理由その3.大きな入り口で搬入搬出がしやすい
「シェルターG」の優れたポイントは、大きく開くドアを前後に備えている点。天窓と合わせて多くの光を取り入れられ、タープのような開放感のある空間になります。出入り口が広いので、搬入搬出もスムーズに可能。
開いドアはラフに丸めて、テント下部のポケットに収納する方式。多くのテントのドアは綺麗にロールアップしてトグルで留めるものが多いですが、地味に面倒な作業なのでありがたいところ。ジッパーは前後ともに両開きなので、ドアを閉めた状態からの出入りもしやすいです。
理由その4. ウレタン天窓付きで幕内が明るい
「シェルターG」の魅力はなんといっても、この天窓。TPU(熱可塑性ポリウレタン)と呼ばれる、埃がつきにくく耐久性の高いプラスチック素材でできており、視界もクリアです。夜にオープンすれば、月明かりを楽しめます。
もちろん眩しいときには、ジッパーで天窓を閉じることも可能。天窓を取り外しても、メッシュが付いているので、虫の侵入も防げる考えられた作りです。
理由その5. シーンに合わせてより快適になる豊富なオプション
中にいながら景色が楽しめる「TPUドア」
「シェルターG」には、便利なオプションが用意されており、後から買い足すことで、シーンに合わせてさらに使い勝手が向上します。例えばこちらの「TPUドア」は、入り口に取り付けることで、大きな透明な窓をプラスできるオプション。冬キャンプで、外の景色を楽しみながら中で暖を取るということが可能です。
「TPUドア」は中からの視界はクリアですが、若干のスモークがかかっているので日中は、外から中の様子が見にくくなっています。
ミニマルワークス シェルターG TPU ドア
「シェルターG」の入り口には、標準のシルナイロンのドア用のジッパーに加えて、オプション用のジッパーが用意されています。「TPUドア」を取り付けたまま、標準のドアもちゃんと閉められるので、プライバシーを確保できる作りです。
虫の侵入を防ぎ、通気性がさらにアップする「メッシュドア」
出典:UNBY
もうひとつのオプションが「メッシュドア」。こちらも入り口のオプション用ジッパーに取り付けられるパーツで、大きな入り口をメッシュにできます。通気性の視界を確保しつつ、虫の侵入を防げるので、気温や湿度の高い日に最適なオプションです。
ミニマルワークス シェルターG メッシュドア
通気性に関しては、「メッシュドア」無しでも、サイド4箇所、天井1箇所のメッシュ付きベンチレーターが設けられているので、ある程度確保されています。
理由その6. レイアウトのしやすい空間
フロアが四角形に近いのでデッドスペースが少ない
「シェルターG」のフロアは四角形に限りなく近い六角形になっています。そのためデッドスペースを作ることなく、アイテムを配置できレイアウトがしやすいです。
サイズは、奥行き約2.8m、幅約3.4m。約2mのコットを2つ配置しつつ、リビングを作れる広さがあります。とはいえ3人以上のファミリーには手狭なサイズなので、そういった場合はタープを張って別途リビングを作ると良いでしょう。グループキャンプのリビングとしてなら6人までなら快適に使えます。
天井が最も高いところで170cmと、身長が高めの方にとっては低めに感じる高さなので、ロースタイルがおすすめです。
インナー発売フラグ?たくさんの吊り下げリング
フライシートの内側には、ポールの位置に沿って、22箇所もの吊り下げ用のOリングが配置されています。そのためフックや小型のカラビナを使ってLEDランタンやバンジーコードを吊るす場所には困りません。
後々、インナーテントが発売されることを勘繰ってしまうようなディテールですが、現在はまだ発売の情報はなし。まだ伸び代を秘めている「シェルターG」恐るべしです。
ソロ用テントと組み合わせてのカンガルースタイルも快適
フロアサイズ約2.3m×1.1mのヒルバーグのソロ用ドームテントを入れてみたところ、ジャストサイズでした。
中型サイズのドームテントながら、こういったソロ用テントと組み合わせたカンガルースタイルも可能。カンガルースタイルにより、暖房効果が高まるので冬のソロキャンプにもおすすめです。スカートが無い弱点もこれでカバーできますね。
……それでは最後、7つ目の買ってよかった理由と、気になる2つのポイントをご紹介!
理由その7. 余裕のある収納バッグと携帯性
地味ながら、大事な付属品がテントの収納バッグ。テントの作りは良いのに収納袋が使いにくい、作りが粗末、そんなテントもたくさんあります。その点「シェルターG」の収納バッグは、余裕のある大きさで、開口も大きく、ラフにたたんだテントも入れやすいです。コンプレッションベルトももちろん付属。
素材は、テントと同素材のシルナイロンで軽量で薄手ながらも丈夫で防水性があります。
内容物は、テント本体、ポール、天窓、Vペグ。これらを入れても余裕があり、別売りのオプションもまとめて収納できます。
「シェルターG」の気になるポイント
スカートが無いので地形によっては隙間風も……
満点を付けたい「シェルターG」にも気になるポイントはあります。
「シェルターG」にはスカートはありません。ですが、平らな場所であれば隙間はかなり少なめなので、凸凹した場所ではそこまで気にならない程度です。張る場所に気をつけるか、カンガルースタイルでカバーしましょう。
サイドポケットの水捌けは要注意
出典:UNBY
理由その3ではメリットとして紹介した“ドア部分を収納するテント下部のポケット”ですが、ここに夜露が溜まりやすく、撤収前に水を拭き取る必要があります。
ここがメッシュでできていたり、水を逃がすアイレットがあればなお良かったかなと。朝起きたら早めに乾いた布で拭いておくことをおすすめします。
「シェルターG」はこんな方におすすめ
「シェルターG」は、移動手段が車のソロからデュオでのキャンプ用に、設営しやすい中型のドーム型シェルターテントを探している方におすすめのテントです。
夏はコット泊、冬はカンガルースタイル、タープとしての使用など、さまざまなスタイルで使える汎用性の高さも使い勝手の良いポイント。初心者からキャンプ慣れした方まで、多くの方のニーズを満たせる名品と自信を持って言えます。
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