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【ナイフの種類と選び方】刃付けの形状だけで4種類!?木村ミサのブッシュクラフト入門 #02

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ナイフの刃付け部分「グラインド」について知っておこう

UPI寒川さん
ブレードパターンによって適材適所があるように、じつは刃付けの形状にも種類があって。それぞれで用途の向き不向きがあるんです。



UPI寒川さん
ナイフの刃付け部分をグラインドって言って、例えばそのアメリカ製のフォールディングナイフは「ホロウグラインド」。特徴としては、えぐれていて先に小さな刃がついてる。


ミサミサ
ホントだ、えぐれてる。


UPI寒川さん
でしょ? 一方で、凸状にふくらんでいるのは「コンベックスグラインド」と言って、別名“ハマグリ刃”。

さきほど話に出たモーラナイフなんかは全てV型の形状をしてて、それを「スカンジグラインド」って言います。真っ直ぐなのは「フラットグラインド」。



UPI寒川さん
上記の4つが代表的なグラインドです。


ミサミサ
それぞれでどういった特性があるんですか?


UPI寒川さん
ずばり、右にいくにつれて、強度が高くなります。「コンベックス」は、丈夫で刃持ちが良い。逆に、細い「ホロウ」はシャープな切れ味が特徴なんだけど、耐久性はやや劣ります。


ミサミサ
なるほど! 強度が高いとナイフの役割が変わってくるんですか?


UPI寒川さん
そのとおり。ナイフで木を切る技術を “バトニング”と言うんだけど、そのバトニングには「コンベックス」が一番破壊力がありますね。パカーンって。イメージ的には、木の中に太いものがグッと入って、しっかり“木を割いていく”みたいな。


UPI寒川さん
そして「ホロウ」は、シャープなので“木への食い込み”はすごく良いんだけど、“木を割いていく”と言うよりかは“食い込んでいく”感じ。なので、バトニングに有効なのは、やはり刃付けのふくらんでいる「コンベックス」。

グラインドによって“研ぐ難易度”も変わってくる


UPI寒川さん
ナイフは、使えば使うほど切れ味が落ちたり、かけたりしますよね?


ミサミサ
はい。


UPI寒川さん
なので、切れ味を保つために研がなくちゃいけないんですけど、ちょっと細かい話があって。「ホロウ」と「フラット」には“ベベル”って言って、先端に小さい刃があるでしょ?


ミサミサ
確かに、よ〜く見るとありますね!


UPI寒川さん
要はその小さい方の“ベベル”でモノを切っていくわけ。なので、切れ味が落ちたらそこを研ぐ。もちろん、この“ベベル”が欠けたら修繕は大変だけど、研ぐこと自体は割と簡単。ただ、錆びてくると「ホロウ」はくびれてる箇所も研ぐ必要があるので、そこを研ぐのは難しいですね。


ミサミサ
そうなると直線でV型の「スカンジ」は一番研ぎやすそう! ……合ってますか?笑


UPI寒川さん
そうなんです。「スカンジ」はそう言った点で非常に扱いやすい。「コンベックス」にも稀に“ベベル”があったりするんですけど、基本的にはこうやってカーブを描いてるので、やっぱ研ぐのは難しいですよね。


▼ナイフの研ぎ方をもっと知りたい方はこちら

素材で選ぶ


ミサミサ
同じモデルでも、「ステンレス」と「カーボン」の素材があるんですね。


UPI寒川さん
そうですね。鋼材もナイフ選びでは大事なポイントです。「ステンレス」の特徴は絶対的にサビにくい。サビないとは言いきれないんですけど、メンテナンスに神経質にならなくていいのが魅力です。


UPI寒川さん
かたや、「カーボン」は炭素が鉄の中に含まれていて、素材自体がすごい硬いんですよ。でも、錆びやすい。濡らして放っておくとすぐ錆びちゃいます。


ミサミサ
なるほど。サビの強さをとるか、刃自体の強度を取るか……ですね?


UPI寒川さん
「ステンレス」と「カーボン」の良し悪しはよく論争になるんですけど(笑)。正直、お好みです。

ただ、「カーボン」は錆やすいんですけど、「ステンレス」に比べると研ぎやすいというメリットもあります。

クラシックなモデルも渋い……!


ミサミサ
これ、カッコいい〜!


UPI寒川さん
ノルウェーのメーカー、ヘレナイフですね。こっちは、どちらかというと趣味のナイフで、ハンドルに一個一個模様が入っていてカッコいいですよね。



UPI寒川さん
こっちも、木製のハンドルを使ったモーラナイフのクラシックシリーズ。同じに見えても、木目が違って……。


ミサミサ
ホントだ、全部違います!


UPI寒川さん
モーラナイフの伝統的なモデルで、シース部分のレザーもまた渋いですよね。昔はね、ケース自体もレザーだったんですよ。でも、「皮だと水分を吸って衛生的じゃない」ってことで今はプラスチックに。

最初の1本はレザー?プラスチック?


UPI寒川さん
もちろん、レザーは味わいがあってかっこいいんですけど、最初の一本ってなるとプラスチック製のカバーの方がオススメですね。プラスチックだと水分を一切吸わないのでナイフが錆びにくい。

グリップも木製よりかは樹脂がビギナー向きです。素手で握ったときのグリップの良さは、おそらく“木”以上。吸い付くような感じ。


ミサミサ
お……確かに、しっかり握れてる感じがします!


UPI寒川さん
でしょ? このグリップの良さは、ブッシュクラフトに限らず、ハンティングの人たちにもすごく定評があって。僕はやったことないですけど、狩った獲物を解体するとき「血と油でぬるぬるになっても滑らないってところが評価されているみたいです。


ミサミサ
ひゃ〜!プロ視点……!

構造で選ぶ

UPI寒川さん
あとは、構造の違い。大きく分けると「シースナイフ」「フォールディグナイフ」があって……。


ミサミサ
折り畳めるか、そうでないかみたいなことですよね?


出典:楽天
UPI寒川さん
そうですね。「シースナイフ」は上の画像のように刃から持ち手部分までが一体になっていて、刃渡りの長さが特徴。折り畳むことはできないけどすごく頑丈で、バトニングなど力を必要とする作業に安心して使えます。


▼バトニングについてもっと知りたい方はこちら

出典:Amazon
UPI寒川さん
一方、「フォールディングナイフ」は折り畳める仕様が大きな特徴。コンパクトに携帯できて便利だけれど、比較的に小さなモデルが多いのでバトニングというよりかはロープを切ったりする力を必要としない作業に向いてます。


ミサミサ
単に携帯性の話じゃないんですね!



UPI寒川さん
そう。ちなみに、今持っているそれはモーラナイフの「ガーバーグ」っていうモデルで、「シースナイフ」の中でも特に強度のある「フルタング」構造。

ブレードを構成する1枚の金属板がハンドルまで通っているっていうものです。


▼「ガーバーグ」についてもっと知りたい方はこちら
▼「ナイフの構造」についてもっと知りたい方はこちら

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