設営後にゴキュ~ッと飲むビールは最高!
設営を終えてゴキュ~ッと流し込むビールは最高! クーラーボックスのラッチを締める時間すら惜しい、待ちかねた瞬間です。
よく冷えた状態で飲むために、クーラーボックス内での置き方にこだわったり、あるいはできるだけキャンプ場の近くで購入したりと、工夫を凝らしているキャンパーも多いのでは?
しかしキャンプ場では、缶ビールがいつもキンキンに冷えているとは限りません。「肉を優先してクーラーに入り切らなかった」「2泊目の夕方にはぬるくなっていた」……そんな状況でも缶ビールを冷やせそうな方法を5つ、実際に試してみましたよ。
冷えたビールがない場合の対処法×5
これから5つの方法を試していきますが、缶ビールはもちろん常温のものを使用。その常温の状態が何℃なのかを知るためペットボトルの水を用意し、常温の缶ビールと一緒に保管しておきます。
この水の温度が、冷やす前の缶ビールの温度であると仮定して、急冷後の温度と比較します。
1つ目の方法: 川の水でビールを冷やす!
それでは1つ目の方法をやってみましょう。アウトドアならではの冷やし方、川の水を利用してみます。ビジュアル的に風情があるし、「キャンプしてるぞ!」って感じで気分もいいですよね。冷やす時間は30分としました。
30分という時間は、テントやタープの設営時間を想定しています。ぬるいビールしかないけど設営後に飲みたい! というシチュエーションです。
ちなみに冷やす前の温度は21℃。川の水でいったい何℃になるのでしょうか?
結果は……18℃! 常温から3℃下がりました。しかし、冷えているビールとは言い難いですね。川の水に手を入れた瞬間は「うわ、冷てー」と思ったんですが、実際はそれほどでもありませんでした。時間も短すぎましたね。
ただし川の水の温度は千差万別ですから、季節や標高によってはいい感じに冷えることもあると思います。今回の結果は、あくまでもサンプルの1つです。
2つ目の方法: 濡らしたタオルと扇風機で冷やす!
次に試す方法は、濡らしたタオルで缶を包んで、扇風機の風を当てるというもの。タオルの水分が蒸発するときの気化熱によって、缶ビールが冷えるとの噂です。常温状態は27.9℃でした(※)。
※缶ビールと行動を共にしたペットボトルの水で計測。以降の実験も同様です。
至近距離から最大出力で風を当て、30分間放置しておきます。ときどき缶ビールを回転させ、まんべんなく風が当たるようにしました。
結果は……26.4℃! 常温の状態から1.5℃だけ下がりました。キンキンのビールには程遠い温度ですね。濡れタオル自体はけっこう冷たくなったように感じたんですが、効果は極薄でした。
結果が振るわなかったので、ここで追撃アイテムを使用します。こちらはダイソーで購入した「ストーン アイスキューブ」。冷凍庫でしっかり冷やしておいてドリンクに投入すれば、薄まることなく冷たさをキープするというもの。
26.4℃のビールを少しでも冷やしてくれるといいのですが……。
ストーンを入れて数分後……温度は25.8℃となり、効果は-0.6℃。そもそもが「飲み物の冷えた状態を長持ちさせる」というアイテムなので、やはり劇的に温度を下げるわけではありませんでした。
というわけで追撃によるフォローも失敗し、濡れタオルと扇風機を使った方法は惨敗となりました。
3つ目の方法: 氷水に塩を加えて激しく冷やす!
ここらで確実に結果を出しておきましょう。まずはシンプルに氷水をつくります。缶ビールが余裕をもって浮かぶ量の水を用意し、水面に隙間がなくなる程度に氷を投入しました。
この時点で水温は4.1℃。一般的にビールの飲みごろ温度は6~8℃と言われているので、この氷水にビールを浮かべておくだけでも、いい感じに冷えることでしょう。
さらに塩を投入します。約4Lの水に対し、200gの塩を用意しました。濃度は5%です。これは20%ぐらいまで攻めるとより効果があるらしいのですが、塩がもったいないので200gにしました。
塩を入れたらよくかき混ぜます。指がちぎれそうなくらい冷たい氷水となっていました。期待大です。
常温28.9℃の缶ビールを浮かべました。水温は氷点下の-0.2℃。このまま10分間、冷やしてみましょう。これまでの実験のように30分も放置する必要はないと判断し、10分間としました。
10分後の結果は……6.3℃! 常温から22.6℃も下げてくれました。素晴らしい冷えっぷりで、真夏の喉が大喜びするキンキンのビールに!
20分、30分と冷やしたらもっと冷えるでしょうが、前述したようにビールの飲みごろ温度は6~8℃ですから、10分でドンピシャでした。複数本数を同時に冷やすこともできるので、最も手軽かつ汎用性の高い冷やし方ではないでしょうか。
ちなみに塩を加えないとどの程度の冷え方なのか、確認のために実践してみました。結果、常温27.9℃の缶ビールが10分間で10.2℃(常温から-17.7℃)という記録に。塩ブーストの効果はバツグンです。
4つ目の方法:急冷マシンを使って冷やす!
次に急冷マシンを使ってみましょう。缶ドリンクに氷を載せてクルクル回転させると、想像以上にしっかり冷えるのだそうです。ちなみに写真のマシンは「90秒で冷える!」との触れ込みでした。使ったのはコレです。
クール・クール ネオ
温29.0℃の缶ビールをセットし、実際にやってみました。使い方に難しいことはなく、缶と氷をセット→あとはハンドルを回すだけ。
必要な時間は90秒とのことでしたが、気温35℃という状況を考慮して3分やってみます。
結果は……4.4℃! ビールの適温を下回る冷たさを弾き出しました。正直なところ半信半疑で、「こんなんCAMP HACK編集部ぐらいしか買わんだろ」と思っていたのですが、今では反省しています。かかった時間はたったの3分、実力はホンモノでした。
5つ目の方法:身近なもので即席の急冷マシンを作って冷やす!
急冷マシンは高価なものではありませんが、キャンプに持っていくとなると荷物として負担になります。そこで身近なもので代用してみることに。
ステンレスボールに氷を入れて缶ビールをセット。パラコードを巻きつけて回せるようにしました。手で触って回転させてもいいのですが、ものすごく冷たいので紐を巻くのが無難です。
またマシンほど効率よく回転させられないと思ったので、ここまでの結果を踏まえ氷には予め塩を振ってかき混ぜ、塩ブーストを施しておきました。
マシンと同じように3分間、回転させます。はたから見るとなかなかシュールな光景ですが、これもキンキンのビールのためです。
3分間の回転を終えると……5.9℃! 素晴らしい記録です。工夫を凝らしたという自己満足もあり、キンキンのビールはより心地いい喉越しとなりました。
適したボウルなどがない場合、2Lのペットボトルを利用する手もあります。ただ氷の当たり方がいまひとつで、3分間の実践では常温30.8℃→11.8℃という記録に留まりました。
水と塩を加えて缶との接地面を大きくすれば、また変わってくるとは思いますが。
冷やす方法はまだまだある!?
というわけで今回は、ビールを冷やす方法を5つ試してみました。結果をまとめると次の通りです。
一番手っ取り早く冷えたのは、急冷マシンを使った方法でした。ただ、わざわざ購入するのも億劫なので、急冷マシンの代用を実践してみるのがいいかもしれません。
他にも何かいい方法があったら、ぜひ教えてください。「#camphack取材」のハッシュタグをつけてSNSで紹介してくださいね。