TOYOTA LAND CRUISER 40 | 1960年から80年代まで長きに渡り生産されたランクルの代表的モデル。現在販売されているFJクルーザーは、この40をオマージュしてデザインされた
それでも、ヨンクに憧れないオトコはいない(多分)。それは子どもの頃スーパーカーに憧れたのと同じ理由だ。
クルマはいわばパワースーツのようなモノでもあり、自分では到底成し得ない巨大なパワーを、思うままに操ることができるというのは、オトコにとって永遠の憧れなのだ。
愛車ヨンクを雪だらけにしに行こう
LAND ROVER RANGE ROVER | ヨンクに初めて「ラグジュアリー」という概念を加えたレンジローバーの2代目。外観は車高を上げただけなのに、やたらカッコイイ
だから、せっかくヨンクを手に入れたのなら、その力を存分に発揮させてみたいと思うのは当然の道理。スポーツカーがその力をもっとも発揮できる場所がサーキットであるならば、ヨンクが一番生き生きとするのはオフロードをはじめとした悪路である。
日本各地にはオフロードコースがあり、そこで泥んこになって遊びまわるヨンク乗りも多い。そんな連中は、冬になると今度は雪まみれになって遊びまわったりもする。雪のいいところは、どこかにぶつけても大けがになる可能性が少ないこと。さらに低い速度でも楽しめることだ。つまり、クルマのダメージが少なくて済むのである。
LAND ROVER DISCOVERY | 普及版レンジローバーとして1989年にデビュー。フォグランプやオーバーライダーで武装した本気仕様だが、急坂を降りようとしてスタックしてしまった
ただ、この日北軽井沢に集まったヨンク乗りは、ちょっと尋常じゃなかった。
全く除雪されていない雪原に嬉々として突入し、案の定埋まる。埋まったらバックして、また突入。一度に数十センチしか動けなくても、それを1時間繰り返せば、後には道ができる。ただ、それを楽しむのである。
もちろんスタックして、にっちもさっちも行かなくなるクルマもそこらじゅうにいる。その時は、「手伝いましょうか?」と、これまたなぜか嬉々とした表情を隠しきれない仲間が牽引ロープやウインチを使い、ズルズルとクルマを引き出す。そしてまた、懲りずに雪原に突入していくのである。