フィールドアから約1万円のカーサイドシェルターが出ただと!?
デイキャンプや車中泊などテントを使わないシチュエーションで活躍する「カーサイドシェルター」。
国内外問わず様々なメーカーから発売されていますが、この度フィールドアからも新作カーサイドシェルターがリリースされました。それもなんと、衝撃の価格で……!
お値段なんと9,900円……!
テントより簡易的とはいえ同じメイン幕系アイテムでこの価格はかなり衝撃ですが、リーズナブルだけに品質的にどうなのかが気になるところでもあります。
ということで今回は実際に商品を使い、他社製品とも張り比べながら品質や使い心地をチェック! はたして期待以上か、それとも価格なりかを、詳しくレポートしていきます。
フィールドアの新作「カーサイドシェルター」のスペックをチェック!
こちらが内容物で、フライシート・ポール・吸盤タイプの留め具・ロープ・ペグが入っています。ポールは2本と少なく、インナーテントも無いので収納状態はコンパクト。
いざというときのために車に積みっぱなしにしていても、さほど邪魔になりません。
さっそく設営開始!
車中泊で特に人気の車種であるトヨタのハイエース ミドルルーフ(車高210cm)に取り付けていきます。3色あるカラーのうち、今回はダークブラウンをチョイス。
コマ画像のとおり、まずフライシートを広げてポールをスリーブに差し込みます。次にシェルターを車に固定するのですが、留め具は吸盤タイプ。吸盤であれば車に傷が付くこともなく安心ですね。ルーフと側面、それぞれ2ヶ所ずつ固定します。
吸盤はボディに押し付けてレバーを下げるだけのワンタッチで接着でき、フライシートのハトメに留め具のピンを差し込みネジで固定します。ピンの角度は調整できるので、色々な向きに取り付けできるのも気が利いているな~と感じました。
三人で行ったこともあり、ものの10分で設営完了。いい感じにフィットしています!
クルマの適正サイズは、少し超えても大丈夫でした
じつは今回使用前にちょっと気になっていたことがあり、それはタテヨコの長さが車に合うかどうか。
通常、カーサイドシェルターにはどのくらいの高さの車に適しているかを表す「推奨取付車高」が示されているのですが、この商品の場合は「車高150〜195cm、車幅150〜190cm」。今回のハイエース ミドルルーフは車高210cmなので範囲を15cmほど超えています。
それでも範囲内を少し超えるハイエースにもバッチリ取り付けられたワケは、シートについている複数のハトメ! 140・160・180cmという3つの位置を選べるので、車幅や車高によって細かく調整できるんです。
今回のようなハイエース ミドルルーフサイズでも対応できるのは画期的ですね!
それではいよいよ、実際に中に入っていろいろチェックしてみます。
広さ・高さ・遮光性は?
ファミリーにも余裕の居住スペース!
シェルター内に、実際に使う感じでギアを並べてみました。チェア4脚にテーブルとサイドテーブルをセット。余裕で収まっていますね。
手前は通路になりますが、さらにベンチも置けるぐらい余裕のスペース。これだけ広々していればファミリーでの使用も問題なさそうです。
高さがあってタープ下の空間が広い!
頂点の高さは取り付ける車種によって異なりますが、タープ内では成人男性が余裕で直立でき屈む必要がありません。筆者のような中年になると、屈む姿勢は背中や腰への負担が大きいので助かります!
画像は170cmの男性が入り口に立っていますが、出入りの際は少し頭を下げてかがむ必要がありますよ。
前後のドアにはメッシュパネルを標準装備。暑い時期には、風を通しつつ虫の侵入を防ぐことができます。
このあたり、夏も冬も通年使いたいカーサイドシェルターというジャンルにおいて、マストで付いていてほしい機能がしっかり抑えられています。
しっかりランタンフックも確保
ルーフ部分には、2ヶ所のベンチレーションとランタン吊り下げ用のフックがありました。ベンチレーションがあれば暑いときに風を通せるのはもちろん、冬場に起こりやすい結露対策のため換気もできますね。
内側はシルバーコーティングで紫外線をシャットアウト!
そして……フライシートの内側全体が銀色なになっていることにお気づきでしょうか?
これはシルバーコーティングと言って、外からの熱を大幅に軽減する効果があります。この日は日差しが強く暑い一日でしたが、シェルターに入るとしっかり陽が遮られ心地よく過ごせました。
フィールドア カーサイドシェルタータープ
モノは良さそうだけど、他社製品と比較するとどうなの?
と、ここまで見てきたところでは1万円以下という低価格が信じられない、しっかり抑えるところは抑えている仕様と快適度でした。
カーサイドシェルターはいろいろあるだけに検討材料としては比較要素も欲しいところ。参考までに、定番のあのメーカーのものと比較してみました!
ogawa「カーサイドリビングDX-Ⅱ」と比較してみた
カーサイドシェルターといえば真っ先に思い浮かぶ方も多いであろうブランドがogawa。実際、他メーカーに先がげて複数のカーサイドシェルターをリリースしています。
今回はそのogawa製品のうち、サイズ感が似ている「カーサイドリビングDX-Ⅱ」を反対側(画像右側)に設営してみました。
ogawa カーサイドリビングDX-Ⅱ
フィールドア「カーサイドシェルタータープ」 | ogawa「カーサイドリビングDX-Ⅱ」 | |
サイズ | 330cm×350cm | 330cm×320cm×200cm |
収納時サイズ | 63cm×18cm×18cm | 69cmx17.5cmx17.5cm |
重量 | 約5kg | 約5.7kg |
素材 |
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価格 | 10,000〜12,000円 | 50,600円 |
スペックを比べるとまず大きく違うのは価格で、ogawaはフィールドアの約5倍。サイズに関しては奥行・高さともにフィールドアの方が少し大きめで、幅はスペック上は同じです。広さに関しては、フィールドアが一歩リードですね。
吸盤は?
パーツなど細部を見てみましょう。吸盤はogawaが2つに対してフィールドアは4つ。
また、フィールドアは角度調整ができる分使いやすい印象ですが、感覚的には取り付け時の強度に違いは感じられませんでした。
ポールは?
フィールドアは素材がグラスファイバーで、ogawaはアルミ合金。ogawaの方が強度もあり、しかも体感的に軽くて扱いやすかったですね。
ポールの質は大きく違い、ogawaに一票! ここは強風時の耐風性や、雪積の負荷がかかるようなシチュエーション時に影響が出てきそうです。
生地は?
生地の縫い目をアップで見てみます。ogawaの方が縫製が細かく、生地の質感も滑らか。
耐水圧はフィールドアが1,500mmで、ogawaが1,800mmなので、生地の耐久性の面ではogawaの方が安心感がありますね。
2つの違いからフィールドアを総合的に評価すると……?
価格差から薄々予感はしていましたが、やはり幕やパーツなど基本的な細部の作りはogawaの方がしっかりしていました。
実際フィールドアを設営するときに少し感じたのが、ポールをスリーブに通すときのやりづらさ。最近のテントポールと言えばアルミ合金製が主流ですが、このポールはグラスファイバー製。
コストを抑えられるメリットはある反面重さがあり、節のところが引っ掛かってしまうデメリットにも繋がってしまっているのかもしれません。
さらにogawaとの違いで分かったのが、裾にスカートが付いていないことが惜しい! 少し隙間が開いてしまいます。寒い時期に使えないわけではありませんが、スカートありのものと比べるとちょっと冷気が入ってしまうかも……。
ただこの点に関しては、晴れの日や風が強くない日など通常の環境下であればさほど影響は無さそうな印象です。
別売のポールを使えば独立したサンシェードとしても使用できることは、どちらも同じ。車が乗り入れできないフィールドでも日除けや風除けとして使えて、一石二鳥ですね。
さらにフィールドアにはシルバーコーティングやベンチレーションなどogawaには無い機能性もあり、価格との兼ね合いから総合的に見ると「1万円以下でこのスペックはスゴイ!」というのが率直な感想です。
格安カーサイドシェルターは、3シーズン用なら「買い」でした!
失礼ながら“安かろう悪かろう”なのでは……という先入観を持ちながら行った今回のレビュー。ogawa製品とのがっつり比較の末にコストカットされた部分は確認できましたが、これもひとつの企業努力。メーカー側の執念すら感じさせます。
スカートが無いことやポールの耐久性を考えると、冬シーズン以外での使用なら全く問題なさそうです。むしろ紫外線をカットする「シルバーコーティング」が幕内に施されている分、真夏シーズンではフィールドア製品の方がシェルター内での体感温度は低く、涼しく快適に過ごせるはず。
これからキャンプを始める方や車中泊に移行しようとお考えの方にとって、充分アリな選択肢のひとつと言えそうです!