検証1:「吸盤フック」でタープを車に接続してみた
まさに吸い付くように車の屋根に取り付けるのが吸盤フック。タープに接続しやすいカラビナタイプを選びました。
説明書き付きの収納袋付きで携行性よし
まずは吸盤フックを使い、カーサイドタープ化のチャレンジ。内容物は吸盤フック本体2個と、拭き取り用のクロスが1枚。
手のひらよりも少し大きなサイズの収納袋が付属。キチンと収納するのを心がけておけば、紛失の心配はないでしょう。
セッティング方法の説明が袋に描かれていて、いいアイデアだと感心しました。
接着部には保護フィルムが付いています。これはなくさず取っておくのが○。剥がしたら即、収納袋に入れておきます。
吸盤フックのセットアップ方法
設置する屋根部にホコリや汚れが付着していると粘着力が減ってしまうため、クロスでサッと拭きます。前日に洗車を済ませておいたため、万全です。
いよいよタープを接続する
設置場所で落ち着いたのは、屋根の中央付近1カ所。
カラビナにタープのループを引っ掛けます。
メインポールは約240cm(60cm×4本)で張ってみます。車体とは反対側にメインポール1本、ガイロープ及びペグダウンポイント2カ所で立ち上げの準備はあっという間。
ここまでの準備はスピーディーで、「検証はすぐに終わりそうだな」と余裕があります。
さあ、立ち上がりました。いいペースです。サイド2カ所も仮でペグダウンし、メインポール側2カ所のガイロープにグイッとテンションをかけて……。
ビヨーンと勢いよく吸盤フックが外れてしまったー!
瞬間的に「ああっ」と情けない叫び声を発していました。そして冷静にこの状況を撮影しなくてはならない悲しさ。
撮影終了の危機!砂・枯れ草の派手な付着も華麗にリカバリー
もう、ショックです。吸盤フックはあと1個残っていますが、また同じ失敗をしたら撮影がおしまいだ……。
涙ながらに水道へ持っていき水で流したら、驚いたことにあっけなく汚れが取れました。ふう、ひと安心!
ただしこの作業、粘着力が落ちないよう、接着部の表面は撫でるように流した方がいいと感じました。
再挑戦:メインポールの長さを約170cmにして設営
今度は念のために用意していたストレッチコードを吸盤フックのカラビナに接続。少しでも負荷を軽減させる狙いです。
外れる限界点が感覚的にわかったので、今度はメインポールを車高よりやや高めの170cm程度にしてみました。
もう強く引っ張ることで吸盤フックを外したくないため、この時点ではメインポールを支える2本のガイロープの張りは若干余裕を持たせてあります。
サイド2カ所はサブポールでアップしてバランスを取る
サイドの2カ所はサブポール(長さ140cmほどで調節)をかませるとテンションが分散され、吸盤フックにかかる負荷が軽減。また全体的に美しいシルエットでセッティングできました。
カーサイドタープが完成するも風が吹けば崩れる心配あり……
ドキドキしながらの完成。まず車体前方やや斜め上から見た様子です。
吸盤フック側の支点付近を見ると、ルーフレールがアンカーの役割を果たし、タープ生地が車体より少し下方に伸びています。とてもバランスよく設営できました。
コチラは車体後方のしゃがんだ視点から。ロースタイルのセッティングにしっくりくる張り方です。ドアにタープが干渉せず、開放的で心地よいリビングができました。
ただし、支点が1カ所なのは自信を持っておすすめできる内容ではありません。ルーフレールがない車でも効果は違ってくるでしょう。また当日はほぼ無風だったため、風に煽られることなく過ごせましたが、ひとたび突風が吹けばどうなるか。不安は拭えない結果となりました。
筆者の車のようにルーフバーが付いているならば、吸盤フックが外れることを想定してバーに予備でガイロープを渡す方法を取るとかろうじてアリ。しかしその手間をかけるなら普通にタープを張った方がいいかもしれません。
検証2:「超強力マグネット」でタープを車に接続してみた
前日に磁力がどれだけあるのか車体に引っ付けてお試し。確かに「なんて強力な磁力だ!」と驚きましたが、タープを引っ張るパワーがあるのか? 不安を抱きながらのチャレンジです。
車での使用は想定外。キャンプではどう使えるのか
続いては「きっと活用できる!」と想像を膨らませていた超強力マグネットを使ってみました。4個セットのカラビナ付きタイプをセレクト。
微妙な距離感で並べてありますが、これ以上近づけるとバチンバチンと4個が強い磁力でくっついてしまいます。電子機器やクレジットカードなどの不具合発生を防ぐため、保管場所にも要注意。
収納袋は付属しておらず、ほかにマグネット部に貼る両面テープがセットに含まれていました。
裏返した様子。直径は約4.2cmで、車使用における説明は見受けられない製品のため慎重に扱い、紹介していきます。
先に述べた付属の両面テープは、おそらく室内使用でしっかりと固定させることを想定したもの。キャンプでの使用は取り外しが大前提なので使いません(装着したまま車の走行時に落下すると危険なため)。
無理にスライドをさせるとキズがつきます!
撮影の前日、テストで磁力がどれくらいかチェックしてみました。
車の屋根にくっつけて真上に引っ張ると、確かになかなか外れない。ですが、63kgを支える磁力を持っているのかどうかは定かではありません。
息を整えて、瞬間的に「フン」と力を込めれば多少よろめきながら外せました(参考までに筆者は48歳・中肉中背の男性でとくにトレーニングをしていません)。
次に少し斜め上に向かって引っ張ったところ「あれ? 割と簡単にスライドするなー」ズズズ(引きずる音)。……という具合で、愛車の屋根に擦り傷が一丁上がり。幸いにも目立たぬ屋根のため、キズの修正は後日考えます。
キズをつけずになんとか設営できた苦肉の策……
キズつき防止策として試したのがコチラ。手ぬぐいを敷き、超強力マグネットを2カ所に配置してなおかつストレッチコードを中間地点に入れました。
吸盤フックを取り外したところにこのセッティングをしたので、タープの張り方は同じです。
やはり手ぬぐいがよりスライドを手助けする……。うまい具合にルーフレールがストッパーの役割を果たしてくれたから張れています。
その後、吸盤フックのときと同じようにメインポールを約240cmのタイプにしてテンションをかけたら崩壊しました。かつ石のような硬さのマグネットが勢いよく飛んでくるため、吸盤フックよりもケガにつながる危険性が高いです。
この使い方も残念ですがおすすめできない結果となりました。
検証3:超強力マグネットで着替えスペースを作ってみた
どうやら筆者の日産・エクストレイルでは吸盤フック、超強力マグネットを使って実用的なカーサイドタープ化は失敗。が、「このままでは終われない!」とリアゲートで使えるかチャレンジです。