総額15万円で完成した深みのあるモバイルハウス
愛知県にお住まいの秘密基地職人・川瀬雄大さんも、車をDIYした一人。バックパッカーとして海外を放浪し、その後に帰国してフリーターで働いていたところ体調を崩してしまったそうです、その際に、老後にやりたいことを先にやってしまおうと考えたとのこと。
その一つが小屋を持つこと。とはいえただ小屋を建てるのではなく、移動できる別荘があるといいなと思ったので、モバイルハウスを作ることにしたんです。
その費用は、なんと10万円! ベースのダイハツ・ハイジェットの車体費は5万円で、総額でも15万円で作れてしまったのは驚きですね。
大変だったことは、外装の木材を打ちつける行程。ビスを打つために全木材に穴を開け、一人で打ちつけていったとのこと。
全体で400穴あるので、上から下まですべて打ちつけるのは大変でした。また味のある外観とビス穴を隠すために、バーナーで炙って仕上げたのも苦労したところです。仕上がった状態を見て、うまくできたことに感動しましたね。
中を拝見すると、一人がちょうど寝られるサイズに仕上がっています。両サイドに窓を、片方に食事や仕事用のテーブルを設置し、本当に小屋のような内装です。
登山をするのが趣味で、前日の夜に出かけてこの中で車中泊をしています。天井にソーラーパネルと設置して、部屋の隅にポータブル電源を設置しているのでスマホやPCの充電もできます。車での生活は固定費がかからないので、作って本当に良かったです。
魚の鱗をモチーフにした個性全開のモバイルハウス
生活冒険家として活動している赤井成彰さんは、マツダ・ボンゴをベースにしたモバイルハウス「toby号」を使用。塗装も外装も自ら手がけ、クラウドファンディングで集めたお金で製作したとのこと。ネットで発見したタイニーハウス(木造の小さな小屋)が作るきっかけだったそうです。
中でも魚の鱗をモチーフにしたものに影響を受けて、それに近いデザインにしました。鱗は木の板で作ることにし、コストを考えて使わない廃材を考えました。
SNSを通して廃材提供を呼びかけたところ、友人経由で廃材を提供してもらえる人が見つかり、1200枚をいただいてびっしりと敷き詰めていきました。
敷き詰めるといっても、単に貼っていくのではなく、1枚の板の長さ・形をすべて均一に作り、それを下から順々に胴縁(羽目板やボードなどを付けるために設置する1本の板)に打ちつけたそうです。
自分にとって初めてのDIYだったので、知り合いの協力を経てゆっくり3か月の期間で作りました。Toby号という名は海から飛んでいろんな風景を見ていそうなトビウオに由来しています。
また、赤井さんはこのモバイルハウスを作る上で3つのこだわりがあったとのこと。
1つ目が天窓。朝日を上から浴びて気持ちよく起きたいためです。2つ目は横窓。出かけた場所の風景を写真のように眺めて、思い出を残すため。そして3つ目は縁側。外とのつながりを味わえるためです。
この車を作ったことで、日本の魅力と様々な人との出会いができたのが良かったです。
移動する別荘をコンセプトにしたハイセンスなキャンピングカー
3年前にキャンピングカー仕様のハイエースを購入したごんだまんさん(旦那さん)とよめちゃん(奥さん)。以前からサーフィンを趣味に各地を回っているとき、友人を連れて出かけたいと思って新車で購入したそうです。
リフトアップしてオフロードでの走行も可能にし、1ナンバー(ナンバープレートに表記されている地名の隣の数字を1から始まるもの)に変更して費用を抑えることに成功しました。
奥さんとの結婚を機に、車をサーフィン仕様から車中泊仕様に変えようと考え、約70時間をかけて自ら内装を改造。ネットを駆使して設計やデザインを手がけ、なんと費用はトータル5万円で完成!
“移動する別荘”をコンセプトにしたかったので、内装は木材をメインにして作りました。ハイルーフタイプのハイエースは立っても頭が天井に当たらないのがいいところですね。
DIYでもっとも苦労したのは窓枠。天井から床にかけて木材で埋め尽くしたいこだわりから、窓枠も木材で囲いたいと思ったそうですが、窓のサイズと内装の木材のサイズが合わず、型取りするのが大変だったとか。
断熱材を入れたりLEDライトを入れたりするのは問題なかったのですが、窓枠だけがどうしてもうまくできず、友人の力を借りてなんとか納得するデザインになりました。
車を改造してから、サーフィンをするために住んでいる愛知県から千葉県への遠征をすることに成功。今後も車中泊×サーフィンをもっと充実させたいそうです。
Carstay社長の自家用車も拝見!
最後に、Carstayの社長・宮下晃樹さんの自家用車もキャンピングカー使用にリノベーションしたと聞いたので、どんな車か拝見させていただきました。ベースはマツダ・ボンゴフレンディをフォードモデルにしたフリーダ。
数十台のキャンピングカーを乗ってきましたが、こちらはシェルを架装したアメリカンなデザインで、なおかつ室内空間が広かったので選びました。中古で60万円くらいでしたね。
内装は、建築の専門学校に通う学生たちに設計から施工まですべて依頼して作ってもらったとのこと。蛇口も設置し、まさにこの中で生活できるようにとことんこだわったそうです。
この車は寝る・過ごす・運転するという3つの空間を別々にしたいと思っていたので、理想の形ができたときは嬉しかったですね。この中で仕事もしたいと考えていて、エアコンとソーラーパネル、インバーターもすべて搭載しました。
一番のこだわりはベンチ。後部座席をとっぱらい、窓を見ながら仕事ができるように配置したそうです。
全国を巡るときに、それぞれの風景を堪能したいと思っていました。そうしたときに、車から外の景色が見られればいいなと感じたので、窓の下にテーブルも設けました。これからも動くオフィスとしてガンガン使っていきたいです。
バンタメはバンライフを身近に感じられるイベント
バンライフは、遊びも生活も丸ごと楽しめる新しいジャンル。バンタメに参加してみて、そんなバンライフを体験している人たちが集まり、直接話してその魅力が味わえる絶好のイベントだと感じました。
今回はvol.0と実験的に行われたもので、来年には今回の内容をよりブラッシュアップして開催したいと主催者は語っていました。気になる人は、カーステイの公式ページをチェックして参加してみてはいかがでしょうか。
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