別注・新作アイテム入荷中!!CAMP HACK STORE

【山を買った人のリアル】プライベートキャンプ場オーナーに聞いた、”マイ森林”の楽しみ方(2ページ目)

SPONSORED

お話を伺ったのは、この人

Ø(レイ)さん

提供:Ø(レイ)さん
Ø(レイ)さん(インスタグラマー)
ジムニーの購入をキッカケにキャンプに目覚め、主に河原や林間でのソロキャンプを満喫。元々、渓流釣りや登山を楽しんでいたこともあり、キャンプも自然の中での野営スタイルが基本。その様子はインスタグラム(@0.degrees.ig)をチェック。

① 森林を所有する前に、やりたいことを明確にする

焚き火と斧

提供:Ø(レイ)さん

宮崎県在住のØ(レイ)さんは、2020年の4月にキャンプ用に森林を購入したばかり。ブッシュクラフトや直火の焚き火に興味があり、整備されたキャンプ場にはないワイルドな環境を求めて、身近な森林を探し始めたとか。

私の場合、“焚き火台を使用しない焚き火”をするのが1番の目的でした。そのため最初にしたのは、森林を買ったとして、現実的にそこで火が使えるのかを消防署や役場に確認することでした。

山林の細い道

提供:Ø(レイ)さん

調べた結果、焚き火は問題ないけど、煙が第三者から見える場所は、その度に消防署への申請が必要になる場合があることがわかりました。

そのため候補地として最初に決めた条件は“人里や民家から少し離れた場所”。幸い、愛車はジムニーなので、細い林道でも問題なく走れます。

楽しむ目的によって、探す森林の条件も変わる

山の中の焚き火の道具

提供:Ø(レイ)さん

森林の購入を周りに相談しても反対されることがほとんどだし、ネットにもネガティブな情報がいっぱい出てきます。でも実際に自分で調べてみると、意外とそうでもないことがわかってきました。個人的にキャンプを楽しむのが目的の場合、そこまで広さも必要ありませんから。

確かに、山をまるごと購入するなんて大きな話ではなく、ピンポイントで特定の一区画を所有するだけって考えると、ちょっとハードルが低くなりそうです。

所有したい森林の規模や環境をしっかりと見極めていけば、そんなに非現実的な話でもないんですよ。もちろん、そこで何をするのかによって条件も変わってくるので、まずは自分がやりたいことを明確にしてから探すのがいいと思います。

実際にØ(レイ)さんが所有した森林も、一反(300坪)ほど。それでも50mプールよりも少し小さいくらいなので、プライベートキャンプ場としては充分です。

② 森林の環境を把握して、万が一の備えもしっかり!

山の中の沢

提供:Ø(レイ)さん

限られた区画とはいえ、快適に楽しむためには自分が管理する森林の環境は細部まで把握しておく必要があります。

まず森林の環境としては竹が生えてないことは意識したほうがいい部分。竹は根が深いため、切っても直ぐに生えてくる。管理が大変だし、除去をするにもお金がかかるんです。

それと沢の位置や場所もポイントです。近くに沢があると遊びの幅が広がるから楽しそうですよね。でも実際には沢が身近にあると虫が多くなるし、大雨で増水することもあるから危険です。だから沢は適度に離れている方が快適に過ごせると思いますよ。

ちなみに購入した森林に無名の沢が流れていても、それは公共物と同じ扱いになるらしく、自由に使えるけど所有はできないとか。その森林に行くまでの林道も公共性が高く、使う人がみんなで管理することが多いようです。

生い茂る樹木

提供:Ø(レイ)さん

ブッシュクラフトを満喫したいØ(レイ)さんにとっては、なるべく自然の景観も魅力のひとつでした。

いろいろ調べたうちにわかったことですが、最初の手入れがしっかりしている森林は、木漏れ日がいい感じなんですよ。雑木の上のほうだけが元気よく茂るから、山肌部分まで太陽の光が当たりにくいんです。

だから草も育ちにくいため、虫も少ない。しかもちょっとした小雨くらいなら気になりません。なるべく自然の状態でキャンプを楽しみたい私にとってあまり光が差し込まない雑木林が理想なんです。

電波が届く場所を選び、火の管理は徹底する!

山の中で焚き火

提供:Ø(レイ)さん

そんな誰も来ないような山奥の森林だからこそ、Ø(レイ)さんは安全対策も徹底しています。

やはり携帯の電波が入ることも重要です。なにかあったときに家族と連絡が取れないのは不安ですから。もちろん心配もかけたくないので、山に入るときは必ず事前に伝えて、スマホのGPS機能をオンにしています。

とはいえ何か事故が起きても、家族が直ぐに来れる場所ではありません。そのため、家族経由で森林組合やキャンプ仲間に連絡が行く手配も整えてあります。

それと焚き火を楽しむときは、山火事にならないための対策も怠りません。専用の場所を決めて、常に水を多めに用意して近くに置いているし、終わったあとは必ず土と水をかけることを徹底しています。

③ 森林を維持するため、自然に配慮しながら遊ぶ

山の一部を整地

提供:Ø(レイ)さん

理想に近い“マイ森林”を手に入れたØ(レイ)さんですが、もちろんそのままではキャンプ場として使えません。所有後はどのように付き合っているのでしょうか。

基本的に斜面なので、自分でスコップを使って整地をしています。今は4m×10mほどの平地を2段作って、上をテント場、下を焚き火のスペースにしています。

そんな悠長なことやっていたら遊ぶ時間がなくなるよって周りから言われたりするけど、そうやって少しずつ自分で手入れをするのが楽しいんですよ(笑)。ブッシュクラフトが好きだから、それ自体が遊びなんです。

Ø(レイ)さんの野営スタイル

提供:Ø(レイ)さん

野営スタイルとはいえ、やはり水場やトイレの問題も気になるところ。民家から離れていると、野生動物と遭遇する心配もありますが……。

飲料水はポリタンクに入れて持ち込んでいます。トイレは登山などでも使える携帯トイレで。テントやタープは張るけど、寝るのはハンモックですね。草原ではないから虫が大量に発生することはないけど、イノシシが出そうなのでその対策として。

だからハンモックを吊るす場所も、なんとなく用意してみました。でも、なるべく自然のまま楽しみたいから、キャンプ場としての整備は最低限に留めています。

Ø(レイ)さんのキャンプ飯

提供:Ø(レイ)さん

これはブッシュクラフトが好きなØ(レイ)さんだから可能なキャンプスタイルかもしれません。ちなみにご家族の理解は?

やっぱり最初は反対されましたよ。でもこないだ初めて娘を連れていったら、思った以上に喜んでくれて、嫁も安心したみたいですね。ワイルドな焚き火の料理も一緒に楽しんでくれました。だけど、やっぱりトイレの問題が出てきたから、今後は車中泊でも使える水洗式ポータブルトイレの導入を検討しています。

長期的に付き合っていく覚悟も必要!

ハンモックに腰掛けるØ(レイ)さん

提供:Ø(レイ)さん

「今はやってみたいことが次々と溢れ、ほぼ毎日のように遊びに行っています!」と、すっかりプライベートキャンプ場に魅了されている様子ですが、まだ購入して半年ほど。森林の土地を所有し続ける限り、今後はずっとそこを管理していく義務も発生します。

もちろん身体が動く限りは、遊び尽くすつもりです。私の遊び方なら維持費もあまりかからないですから。でももし自分が維持できないときが来れば、森林組合に木を買い取ってもらったり、土地の買い手を探してもらったり、いろいろと協力してもらえる話をしています。

林道の幅を少し広げれば、このあたりの木も伐採できるらしく、有効活用できるみたいですよ。正直、ソーラーパネルを設置する業者に買われるよりもずっといいって、言っていただけました。

もちろん私もできる範囲で森林の維持に協力していくつもり。遊びにいく度に、林道の石を整備したり、倒れている木を解体して薪として再利用するようにしています。

Ø(レイ)さんのテント

提供:Ø(レイ)さん

森林の管理はもちろん、自然を維持していくための環境整備にも積極的に取り組んでいるØ(レイ)さん。これなら今後も安心して遊べそうです。そして森林組合と友好的な関係を構築しておくのも“マイ森林”と長く付き合っていくための、重要なポイントになりそうです。

ということで改めて最後に、プライベートキャンプ場を所有する上でのメリットとデメリットを伺ってみました。

デメリットは、台風や大雨のときに自宅以外に心配する場所ができちゃったことくらいですね。こないだの雨のときも、山のことばかり心配していて家族に怒らました(笑)。

メリットは、やはり自分だけのキャンプ場ってことですよ。直火の焚き火も堂々とできるし、なによりも想像以上の癒し空間です。本当に最高の遊び場を手に入れた気分ですね。多分一生飽きないと思います。

上手く付き合えば“マイ森林”は一生モノの遊び場に!

森林の中に張ったテント

出典:PIXTA

今回、お話を伺ったØ(レイ)さんは、プライベートキャンプ場のオーナーの中でも、かなり維持費をかけずに遊んでいる特殊な一例かもしれません。

本人も語っている通り、場所や遊び方によって森林の地価も大幅に変わってきますし、雑草対策や獣害への対応、最低限のインフラ整備や維持費に、想像以上のお金がかかることも多いようです。さらにアクセスが良いわりに人通りが少ない場所は、ゴミの不法投棄などの問題もあるとか。

他にも、自身が所有する山で土砂崩れがおき、道路を塞いだり民家を破壊した場合は所有者の責任になるため、場所選びに失敗すると負の遺産になることもあるため注意が必要です。

キャンプで焚き火

出典:PIXTA

それでも、森林整備の協力や事故対策、地域との対話も含めて上手く付き合っていける森林が手に入れば、Ø(レイ)さんのように一生モノの遊び場になることは間違いなし。

もしかするとプライベートキャンプ場は憧れの理想郷ではなく、わりと現実的な選択肢なのかもしれません。

あなたの「森の楽しみ方」を発見しよう!

sponsored by 森林サービス産業プロモーション共同企業体(林野庁委託事業)

2 / 2ページ