自在結びパターン③
そしてパターン③がこちら。これは株式会社ブッシュクラフトの公式サイトで紹介されている結び方です。
直感的に、撤収時にほどきやすそうだと感じました。ペグや木にひっかける方の結び目(右側)は、ロープを回す方向がキモになりそうですね。
相馬さん
また、撤収時は2つ目の結びが引き解けになっているため、末端を引っ張ればスルスルと簡単にほどけます。
【操作方法と注意点】
こちらもパターン①②と同じく、張るときも緩めるときも「しゃくとり虫」が基本。1つ目と2つ目の間の末端側ロープがたるんでいると、不意に全体がゆるむことがある。
パターン③の結び方
最後にパターン③の結び方を。どの結び方が好みか、実際に試してみてくださいね。
まずは流れをイメージして……こちらも細かく見ていきましょう。
まずアンカーにロープを通します。これはパターン①、②とは違い、奥から手前に。
軸となるロープを横切って乗り越えます。
引き返し、軸となるロープをくぐります。
Uターンして乗り越えます。
もういっちょ乗り越えます。
引き返して軸となるロープを再びくぐります。
Uターンして乗り越えます。これで計3回、軸となるロープを乗り越えました。
さっきと同様、もういっちょ乗り越えます。
軸となるロープをくぐります。これで計3回、軸となるロープをくぐりました。
下のロープを乗り越えます。
このまま結び目を締めれば、1つめの結び目は完成。
2つめに進みましょう。軸となるロープを乗り越えます。
Uターンしてくぐります。
下のロープもくぐります。
先端を折りたたみます。
Uターンし、くぐったばかりのロープを乗り越えます。
輪っかに侵入していきましょう。
折りたたんだ部分の半分まで侵入し、あとは結び目を締め付けます。
締め方はこんなふうに。片花結び的に、ほどきやすくしておくというわけです。
完成しました。やってみると難しそうで難しくない工程でした。
パターン①、②と同様、2つの結び目をスライドさせることで張力を調整するわけですが、ピンと張るときは右側の結び目から、緩めるときは左側の結び目から動かしましょう。
相馬さん
そんなとき、ロープひとつでも素早くほどけるだけでかなり気分が違います。
自宅や旅行先でも役立ちそう
以上、自在結びの3つのパターンをご紹介しました。どれをマスターするかはお好みで。
人によってしっくりくる結び方、記憶しやすい結び方ってありますから。筆者は個人的にはパターン③がお気に入りですかね。ロープのほどきやすさがお手軽でした。
自在結びはテントやタープ絡みだけでなく、物を吊るしたいときにも活躍します。キャンプで濡れたタオルを干すときなど、非常に有効なスキルとなるでしょう。
また旅先や自宅で、臨時の物干し竿が必要になることもありますよね。必要に応じて、さっとパラコードを自在結び……そんなスマートなキャンパーになってしまいましょう!
最後に、相馬さんからいただいたコメントで締めくくります。
相馬さん
「便利で簡単な道具」って、じつは「その道具のスペックに人間が合わせる」ということでもあるのです。あなたの自由が、「道具のスペックに縛られる」なんてもったいない。
でも大丈夫! 自分で「自在結び」を覚えてしまえば、どんなロープでも、思いつくままの用途に使えるようになりますよ!