ノースフェイスのタグ変遷
1968年にカリフォルニア州サンフランシスコで誕生したノースフェイス。2018年で50周年を迎えたアウトドア界の大御所です。
発足からまもなく発売したスリーピングバッグに、「最低温度規格表示」を採用したことは当時のアウトドアブランドとしてはかなり画期的でした。
それではタグデザインの移り変わりをみていきましょう!
歴史を感じる70年代の茶タグ
当時のアウトドアブランドはタグのロゴに茶色を採用することが多く、ノースフェイスもこの色を採用していました。一部例外もありますが、ブランドロゴ以外の情報は無く、非常にシンプルなタグです。
70年代アメリカではヘビーデューティーブームが席巻し、アウトドアウェアを街着として使用する流れがありました。ノースフェイスが一般に広く浸透したのはもうちょっと後で、90年代だといわれています。
80年代は茶タグにわずかな変更あり
80年代に入ると、茶タグという点は同じでも「Made in the U.S.A.」の文字が加わります。
これまで何も彫られていなかった各部のスナップボタンにも、このころからブランド名が刻印されるようになります。
80~90年代初期の紺タグ
どこか見慣れたカラーリングのタグはこのあたりから登場します。「Made in the U.S.A.」の文字はブランドタグと一緒に納まる場合と、さらに下に別タグがついてそこに記載される場合の2種類がありました。
また、黒く塗られた「黒ラッカーボタン」というものが登場したのも80年代の特徴です。以降、ボタンのブランド名刻印も継続され、さまざまなカラーバリエーションのタグが広がっていき現在に至ります。
パタゴニアのタグ変遷
クライミングに傾倒するイヴォン・シュイナードが、1965年に航空技師のトム・フロストと「シュイナード・イクイップメント」のパートナーシップを結びました。これがそもそもの始まりといわれています。
ここでは手作りでクライミングギアを販売していましたが、やがて工場生産が必要なほど需要が高まっていきます。
そして、1973年にブランド名として「パタゴニア」を名乗り始めます。歴代のタグは一見同じような雰囲気なのですが、よく見ると意外が違いがあるんです。
初期の70年代前半は白タグ
70年代前半から80年代初期まで使われていたパタゴニア初期のタグがこちら。ブランド名の下部がこの時代は白いので通称「白タグ」「初期タグ」などと呼ばれ、希少性が高いです。
書体も現行のものよりも丸みを帯びて、やや手書き感のある印象がありますね。
70年代後半は空が変わる
こちらも同じ白タグですが、70年代前半の空デザインが「夕焼け雲」であるのに対し、後半は「青、紫、オレンジの空」に変更になり、同じ白タグでもだいぶ印象が変わっていきます。
80年代の「デカタグ」
タグの下部まで黒い仕様ですが、黒タグとは呼ばれません。写真だと判りづらいですが、サイズは現行よりやや大きめなので「デカタグ」と呼ばれています。
厳密にはデカタグにも2種類あります。「patagonia」の右横に®マークがあるものと、ないものです。
同じころの他ブランドの動きをみてみると、コールマンでいえば赤のカラーリングが特徴的な「200A」ランタンの歴史が終わり、現行の緑にモデルチェンジしようとしている時代です。
80~90年代でサイズダウン
80年代から94年まで、新たに使用されたのがこのタグ。デカタグよりいくぶん小さくなっており、現行タグとほぼ同じになります。ロゴ右には®マークがつきます。
希少「雪なしタグ」は3年間のみ
山の頂上一帯に描かれていた白線がないタイプもあります。白線が積もった雪のように見えたことからこれは「雪なしタグ」と呼ばれるように。
こちらは92年~94年の3年間のみ使用されており、希少性の高いタグとなっています。理由はニセモノ防止ともいわれていますが、諸説あるようです。
「レギュレーターストーブ」「ポケトーチ」で有名な新富士バーナーのSOTOがアウトドア業界に参入したのも、雪なしタグが導入されていた1992年。ちょうどこのころですね。
省略が個性となった「Rなしタグ」
94年から使用され始めたのは、®の中身がRでなく「・(テン)」に省略されているタイプ。しっかり®と記載されているものと混在しています。
パタゴニアのタグの、年代による細かな違いをおわかりいただけたでしょうか。
グレゴリーのタグ変遷
古いタグを探している人も多いグレゴリー。ノースフェイスやパタゴニアは当初から現行までメインモチーフのデザイン変更はありませんでしたが、グレゴリーは別。
大胆なデザイン変更も経て、現在のタグになっているのです。それでは歴史をたどっていきましょう!