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台風が直撃したキャンプ場「白浜フラワーパーク」はいかにして復興したか?(3ページ目)

クラウドファンディングによる復興への道のり

白浜フラワーパーク 台風被害からの復興

撮影:I.Takahashi

災害直後は、もはや立ち直れないほど落ち込んだというヨネさん。しかし、再び前を向くのにそう時間はかからなかった。

復興のための気持ちを奮い立たせてくれたのは、キャンパーさんたちから届くたくさんの応援メッセージだったといいます。


ケントス
これだけの被害があると、復興するにも気持ちがなかなか追いついてくれませんよね……。一体何がヨネさんを支えてくれたんですか? 


ヨネさん
台風に襲われた翌日から、呆然としていた自分の元に「白浜フラワーパーク」を気にかけてくれた方々からたくさんの応援メッセージと提案をいただきました。

当時ボロボロだった自分には本当にありがたかったです。



ケントス
みなさんの温かい心が、折れた気持ちを回復させる力になったんですね。

新しいシステムで支援を集めることを決意

白浜フラワーパーク 台風被害からの復興

撮影:I.Takahashi

みなさんの励ましにより「白浜フラワーパーク」の完全復活を目指したヨネさんは、現在置かれた状況での最善策をひたすら考えたそうです。

そして、管理人として早期の復興プランを迫られる中、キャンパーさんたちに背中を押され、一つの結論を導き出しました。


ヨネさん
たくさんいただいたメッセージや意見の中で、「やってみれば?」という声が多かったのが、クラウドファンディングだったんですよ。


ケントス
今は耳にすることが多くなりましたけど、正直私はあまり細かいとこまで理解できてなくて……。


ヨネさん
クラウドファンディングというのは、なにか実現したい夢やプロジェクトなどを、何かしらのリターンを設定してWebを中心に発信し、それに賛同してくれる人々が出資するシステムですね。


ケントス
なるほど! とても勉強になります。ヨネさんだけでなく、本当にみなさんの力と一緒に進めていったんですね。目標金額はいくらにしたんですか?


ヨネさん
200万円の支援を目標とする設定で、災害を受けたその週末の10月27日の金曜日にスタートしました。


ケントス
それはすごく早い決断! 善は急げですもんね。

みなさんの心からの支援の大きさに、涙

白浜フラワーパーク 台風被害からの復興

撮影:I.Takahashi

多少のためらいがなかった訳ではありませんが、クラウドファンディングに初めてチャレンジすることにしたヨネさん。それは、予想外の展開を見せることになるのです。


ヨネさん
当初、一企業が一般の人に援助してもらうというお願いをするのは本当に恥ずかしかったのですが……。

もう一度だけ、この場所で楽しそうに過ごす、みんなの姿が見たかったんです。


ケントス
協力があったとはいえ、かなりの決意は必要だったんですね。その後、反響はどうでしたか?


ヨネさん
それが、翌日にはすでに140人の方から100万円近いご支援があったんです。本当にびっくりしました……!

なかには『クラウドファンディング開始してくれてありがとうございます! これでやっと応援できます』なんてメッセージもあったものですから、もう、涙でしたね……。


ケントス
オープンして半年にも満たない短い期間なのに、本当にたくさんの方から愛されていたんですね。


ヨネさん
嬉しいですね。まだ修復途中の施設なのにお客さんがキャンプをしに来てくれたり。もちろん安全には配慮してもらいましたが、本当に心強かったですね。

想像以上の支援の輪の広がりで、予定より早く目標達成!

白浜フラワーパーク 台風被害からの復興

撮影:I.Takahashi

応援してくれる数多くの人たちのおかげで、2カ月経たずして支援金は目標額に到達。10月27日に開始して、12月17日には396人の方のご支援により、224万9900円もの支援金が集まりました。

これほど多くの人に支えられているという実感と喜びを身に染みて感じたそうです。


ケントス
クラウドファンディングをしている間は、どんな活動をしていたんですか?


ヨネさん
復興ボランティアの募集を行ってました。泊まれる方には雑魚寝ですが部屋も用意して、食事と温泉を提供させていただきました。

そうしたら多くの常連さんがお手伝いに来てくれて。遠方からも差し入れを送ってくれたり。


ケントス
それは何物にも代えがたい、あたたかく心強い復興のエネルギーになりますね。

クラウドファンディングの模様はこちら

復興中は本格的な修復作業までボランティアで助けられた

白浜フラワーパーク ヨネさん

撮影:I.Takahashi

「ここに抜けないペグがあるんですけど、災害前はここまでキャンプ場だったんです」と、現在のキャンプ場からだいぶ離れた地点までやってきたヨネさん。


ケントス
被害の大きさをあらためて実感しますね。キャンプサイト以外にも建物や小屋の修復もあって、想像以上の費用がかさんだんじゃないですか。


ヨネさん
これも頼れる仲間の協力によって、だいぶ低予算で復興できたんです。

常連の大工さんが週末とかに来てくれて、破損した建物をどうするか専門的アドバイスをくれたり、なかにはガッツリ作業着姿で、鉄ハンマー持参で復興作業を手伝ってくれる方もいたんです。


ケントス
それは心強い!


ヨネさん
みなさんの作業ぶり、さすがに感動しましたね。同時に自分ひとりでできる作業には限界も感じました。本当にみなさんのおかげです。

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