災害に巻き込まれるまでは、すべてが順調でした
白浜フラワーパークを訪れたこの日は青空が広がる最高の天気。まだ気温はそれほど高くありませんが、どこか南国の雰囲気を漂わせる心地よい立地です。
ケントス
いや~はるばる房総の最南端まで来た甲斐のある、素晴らしいロケーションですね!
ヨネさん
今日みたいに天気のいい日は最高ですね! 夕焼けも綺麗なんですよ。
ケントス
それはぜひ見たい! ところで、ヨネさんはもともとキャンプがお好きだったんですか?
ヨネさん
いや、自分自身はあんまりやんなかったですね。どちらかというと親父に連れて行かれた世代です。
ケントス
え? ではなぜキャンプ場をやろうと?
ヨネさん
僕が入社したとき、ここって経営難だったんですよね。だからなにかやらなきゃって思って、景色が良い海っペリを活かしたキャンプ場を作ってみたんです。
ケントス
オープン後の調子はどうだったんですか?
ヨネさん
やっぱり海岸に近いきれいなロケーションなのもあって、2017年のGWにオープンしてから夏休みを過ぎても大盛況でしたね! 正直こんなに上手くいくとは思っていませんでした。
季節外れの大型台風上陸という悲劇
まさに順風満帆ともいえるスタートを切った白浜フラワーパークですが、季節外れの超大型台風によって災害に巻き込まれることに。
ケントス
そんな絶好調のなか、台風被害に遭遇してしまったんですね……。
ヨネさん
そうなんです。1991年以来、26年ぶりの「超大型」台風21号が、2017年10月23日の深夜に日本に上陸し、この場所を襲ったんです。
ケントス
10月の季節外れにそんな規模の台風が上陸するなんて、まさに想定外ですよね。
ヨネさん
翌朝、出勤したら想像を絶する被害に驚くしかなかったですね。キャンパーが多い夏を越していたのが、せめてもの救いでした。
想像をはるかに超える被害
台風が去ったあとに残されたのは、見るも無残な崩壊したキャンプ場でした。
ケントス
災害の後はどんな様子でしたか?
ヨネさん
まず目に飛び込んできたのは、崩壊した施設と小屋でしたね。風雨と高波が押し寄せて大半がやられていました。
目の前の現実を受け止めるのに、時間が必要でした。

しばらく茫然自失となってしまったというヨネさん。施設にも深いダメージを負ってしまい、自然災害の恐ろしさを身をもって知ることとなりました。
ヨネさん
現在は撤去しましたが、創業当時に建設した温室ドームも被害にあいました。施設としては本当に痛手でしたね。
ケントス
当時働いていた人や、利用者などの人的な被害はなかったんですか?
ヨネさん
当日「台風なんかへっちゃら」というハードキャンパーのお客さまが最後までいたんですが、さすがにこの時だけはお帰りいただきました。今でも、この判断は正しかったなと。
あたりの様子は一夜で激変
写真は、台風上陸前の白浜フラワーパーク。ウッドで区画され芝なども植えられていて、美しく整備されていますね。
こちらが台風が去った後のキャンプサイト。苦労して作り込んだものはすべて泥と水で埋め尽くされてしまいました。このように、台風が来る前と去った直後のキャンプ場の様子を比べてみると一目瞭然です。
ケントス
施設内の目立たないところですが、今でも被害の爪あとが一部残っているんですね。
ヨネさん
あれから1年と3ヶ月経ちましたが、いまだにあの光景も含め忘れられるものではありませんね。自然の力は本当に容赦がないなと思い知らされましたから。