店内に入って最初に目に飛び込んできた剥製の数々。目を右に向けると今回のお目当てのSOUTH2 WEST8エリアが広がっていました。まず気になったのが「鱒」と書かれた大きな掛け軸。そして竿や毛針などの釣り道具が洋服と一緒に並んだ空間。荘厳ささえ感じます。
SOUTH2 WEST8は、「FISH&BIKE」のコンセプトのもと北海道を拠点に物づくりをしている、ネペンテスのオリジナルブランド。渓流釣りの中でも特にテンカラに注力しており、北海道の厳しい自然環境の中、幾度もフィールドテストされてきたアパレルはまさに質実剛健という言葉がぴったり。
スタッフは全員釣り好きなんです。そのためみんなで車に乗って渓流まで行き、時にはファットバイクを使ってポイントまで移動して釣ったりもします。これはフィールドテストの一環で、SOUTH2 WEST8のアパレルやギアが実際のフィールドではどう機能するのか、どうしたらもっと良くなるのか意見を出し合いながら商品に落とし込んでいます。
札幌にL.L. BEANのようなお店を作ろう
さらに店内で気になったのは額装された古いカタログと、いたるところに置かれた剥製。
ネペンテス代表であり〈NEEDLES〉デザイナーの清水慶三氏が「北海道札幌にL.L. BEANのようなお店を作ろう」という思いで立ち上げたのがSOUTH2 WEST8で。額装しているポスターも釣りやハンティングシーンなど、ブランドに親和性のある内容のものを展示しています。
日本とアメリカのアウトドアカルチャーの交差点とでも言えばわかりやすいでしょうか。どこを見ても目が止まります。
またお店の一角にはヴィンテージのフィッシング・ハンティングベストがズラリ。
古いアイテムから物づくりのヒントを得ることも少なくありません。展示のみですが、かなりレアなものまで置いてあります。
と語る小見さん。
欧米では親が子供に釣りやハンティングを教えることも珍しいことではありません。そんなアウトドア大国の彼らが当時着ていたウェアには、ゲームポケットやアクションプリーツ、エルボーパッチなど、生きた機能が満載。
アウトドアが非日常ではなく、生活に密着しているからこそ生まれたディテールですね。
渓流釣りやアウトドアをデザインのベースにしていますが、北海道はご存知のとおり雪国で気温も低く、車文化。なのでアウターはあえて身幅を大きめに取ることで中に着込めたり、着丈が短いデザインが特徴のウェアは、意外と運転の邪魔になりません。
街と自然、生活とアクティビティをストレスなく繋げてくれる服は、L.L. BEANを生んだアメリカやヨーロッパなど海外のアウトドアカルチャーに多くのヒントがあったのです。
オススメアイテム3選
SOUTH2 WEST8の真意を探るべく、編集部で気になったアイテム2点と小見さんイチオシのアイテム1点をご紹介していきます。
①Tenkara Parka(テンカラ パーカ)
商品名のとおり日本の伝統釣法テンカラのためのウェア。フロントポケットは多彩なデザインもさることながら、マチ付きで収納力も抜群。
背面にもジップで開けられる大型のポケットやDカンが取り付けられているのは嬉しいポイント。
なんとさらにこのパーカ、袖が取り外せる仕様になっているんです! ジップなので着脱も楽チン。フードベストに早変わりします。フードもスナップボタンで取り外してラペル仕様にできるようになっているので、その日の気分でカジュアルにもプチフォーマルにも振れる優れもの。
キャンプの時には身の回りの小物を収納したり、気温の変化の大きい今の季節はかなり重宝しそう。クラシカルで着回しのききそうなデザインはタウンユースにもハマります。