氷上のワカサギ釣りにテントはマスト!
ワカサギ釣りのピークは、全国的には10月~3月にかけて。その中でも、氷にグリグリ穴を開けて釣りをする「穴釣り」は、湖上に厚い氷に覆われる12月頃です。
そこは歩けるほどの厚い氷で覆われた世界ですから、スキー場程度の寒さを想像してはいけません。朝夕ならマイナス10度超え、日中でも氷点下のまま……なんてことはザラ。風の状態によって体感温度はさらに低くなことも考えておく必要があるでしょう。
そんな環境下で何時間もジイ~ッと留まり続けるとなると、衣服やホッカイロなどでは限界があります。そこで登場するのが、ワカサギ釣り用の「テント」。風から身を守るだけ空間があるだけで、体感温度はぐっと変わってきます。
今回はそんなワカサギ釣りのテントについて、解説していきますよ。
ワカサギテントの種類①吊り下げ式
まずはテントの種類からみていきましょう! こちらはキャンプ用テントでもお馴染み、吊り下げ式テント。クロスさせたポールを立ち上がらせ、そこにフックをかけていくだけの単純な構造。なのでテントの設営経験がなくとも、比較的短い時間で組み立てられます。
しかも軽量なモデルがほとんどで、テントを持ち上げてポイントを移動することも可能。駐車場から釣り場までの移動もあまり負担に感じないでしょう。
キャプテンスタッグ ワカサギテント160(2人用)
キャンプ用品でもお馴染み、キャプテンスタッグのワカサギ釣り用テントです。テントの基本であるクロスフレーム構造を採用しており、作りもかなりシンプル。設営に手間取ることはないでしょう。
2人用のサイズですが、口コミの中には「荷物が多い場合は1人でちょうどいい」という声も。
キャプテンスタッグ ワカサギテント160 (2人用)
●重量(約)/3kg●収納サイズ(約)/62×12×12cm
●付属品/アンカー袋:4枚、ポール収納袋:1枚、ペグ収納袋:1枚、収納バッグ:1枚
ワカサギテントの種類②ワンタッチ式
今や主流となっているワンタッチ式。大きな傘を広げるような感覚で設営できるテントです。寒い氷上での作業を考えると、手数が少なくて済むのはとても助かりますね。
しかし、大きさのものをワンタッチで広げるわけですから、重量もあり、収納サイズも吊り下げ式と比べると大きくなるテントが大半を占めます。
またワンタッチ式テントは、サイズのバリエーションも豊富。3人以上の家族やグループで楽しめるサイズまで、さまざまなテントが揃っています。
コールマン アイスフィッシングシェルターオート L(4人用)
アウトドア用品の老舗、コールマンから発売されているワカサギテント。8角形の形状が、風を上手にかわしてくれます。4人でも余裕のあるサイズ感で、中心にストーブを置いても近すぎない距離で体を温められます。
コールマン アイスフィッシングシェルターオートL (4人用)
●収納サイズ : 118×28×28cm
●重量 : 約10.0kg
FIELDOOR ワンタッチテント ヘキサゴンタイプ(5人用)
キャンプやBBQ用品を手掛けているFIELDOORのテント。まるで巨大な折りたたみ傘のような構造で、設営や撤収に時間をとられたくない方にオススメです。
側面と天井にメッシュ部分があるので、暖房器具を使う際の換気などに役立ちますね。
FIELDOOR ワンタッチテント ヘキサゴンタイプ (5人用)
●収納サイズ:(約)W25cm×D25cm×H95cm
●重量: (約)4.9kg
CAPTAIN STAG ワカサギ釣りワンタッチテント 210
リーズナブルな価格でありながら高品質なアウトドアギアを開発している、キャプテンスタッグのテントです。設営方法は、天井部のループを引っ張ってテントを自立させるだけ。天井部とテント後部には換気用のメッシュ窓を装備しています。
CAPTAIN STAG ワカサギ釣りワンタッチテント210
●収納サイズ(約)/82×17×17cm
●重量(約)/5.6kg
DOD ワンタッチフィッシングテント T3-65
キャンパーにはお馴染みの、関西発のアウトドアブランドDOD。テント内部のロープを引っ張るだけで設営できるワンタッチ式のテントです。公式によると約15秒で設営が完了してしまうんだとか。
DOD ワンタッチフィッシングテント
●収納サイズ:(約)110×直径20cm
●耐水圧:1500mm
●重量:(約)4.7Kg
●収容可能人数:3名
プロックス クイック連結テント M
本体とは別売りのジョインターを使えば、2つ、3つと連結できるのでグループでの釣りにオススメ。何個でも合体するので、友人同士で合わせて持つのも面白いですね。
ワカサギテントの種類③カタツムリ
定番中の定番、ワカサギ釣りのテントと言えばこのカタツムリテント。湖畔にあるワカサギ釣り場に行けば、だいたいレンタルされています。カタツムリテントは、あくまでも体を風から守るだけの用途なので、人ひとりが入る分のスペースしかありません。
前述したテントのような快適性はありませんが、その代りに設営や撤収がラク! 設営方法は広げるだけ、撤収時は折り畳むだけです。また座る面が板になっているので、ソリのように引きずりながら楽に移動できます。
そんなカタツムリテントですが、構造がシンプルなので自作してしまう強者も珍しくないようです。例えば園芸用のアーチパイプで骨格をつくりハウス用ビニールシートで覆うなど、身近なホームセンターで手に入る素材を使っている方がほとんど。テントを購入するよりコストパフォーマンスは良さそうですね。
付属ペグは当てにならない場合も……
ワカサギテントだけでなく、大抵のテントにはペグが付属しています。しかし分厚い氷上にペグを打ち込むには、一般的なスチール製でも深く刺さりにくい場合があります。 付属のペグでは頼りなく感じる方も多いようです。
硬い氷にも負けないガンガン打てるのはやはり鍛造ペグ。頼りになりそうなゴツさと重量感が特徴です。
定番はスノーピークのソリッドステーク30!
中でも人気なのが、キャンパーご用達のスノーピーク社のソリッドステーク。どんな氷上でも「このソリステがあれば大丈夫!」というくらい信頼度の高いペグです。
スノーピーク ペグ ソリッドステーク30 6本セット
●サイズ:300mm (ヘッド部/φ15mm、打ち込み部/φ8mm)
● 重量:180g
キャンプ用とワカサギ釣りテントの違い。テントは併用できるのか?
ここまでワカサギ釣り用のテントをご紹介してきましたが、キャンプ用のテントで代用できるんじゃないか? と思ってきませんか。
ワカサギ釣り用テントとキャンプ用テントの大きな違いは、氷上と接する床にあたる部分(フロアシート)が無く、中は地面(氷)がむき出しの状態だということ。
前述した通り、キャンプ用テントにはフロアシートがついているのが一般的。なので、フロアシートを半分切りぬいて、ワカサギ釣り用テントにも使っている方もいるようです。
結論からいうと、キャンプ用テントでもワカサギ釣りで使えるということになります。ですが、氷上で使うことを前提にしてない作りである、という部分もしっかり認識しておきましょう。
ワカサギ釣りにも使えるテントの選び方3ポイント
屋外で雨風を防ぐという意味では、キャンプ用であれワカサギ釣り用であれ役割は同じです。実際、ワカサギ釣り用テントではないものを使っている方もチラホラ見かけるという声も。
では、どのようなキャンプテントがワカサギ釣りに適しているのでしょうか? 今回は3つのポイントをご紹介します。
選び方ポイント①5、6角形状のテント
湖面が厚く凍りつくような場所は、吹きさらしの風が強い山の上。関東では赤城山や榛名山がワカサギ釣りで有名ですが、いずれも山頂のカルデラ湖です。山の天気は安定しないのが常ですし、さらに湖面という風を遮るような木々がない立地。吹きさらしの状態になりかねないので、あらゆる方向から風がきても大丈夫な形状や強度が求められます。
無風のタイミングで行ければ四角いテントでも大丈夫ですが、都合よくそうした日ばかりとはいきません。大きいテントを考えるなら、風をうまく逃がしてくれる5角形や6角形がオススメ。
選び方②べンチレーション(通気孔)の有無はしっかり確認!
テント内にストーブなどの燃焼器具を持ち込む方人も多く、ワカサギ用テントには大抵ベンチレーション(通気口)がついています。もちろんベンチレーションがあっても定期的な換気は必要です。
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選び方③スカートが付いているものだと◎
テント本体の裾部分についているヒラヒラしたもの、それが「スカート」と呼ばれるものです。このスカートの上に雪を乗せておくと、外から吹き込む風を防ぐだけではなく、重石の役割も担ってくれるので風に飛ばされにくくなります。
ワカサギ釣り用テントを選ぶ際には、ぜひ気にしてほしいポイントです。
※スカート付きのテント内で燃焼器具を使用する場合は、さらに換気を頻繁に行い注意しましょう。
本格シーズン前のグッズ選びは楽しい
氷上のワカサギ釣りは、主に12月頃からがシーズンです。釣ったワカサギを、その場で天ぷらにして食べる……妄想するだけでもワクワクしますね。
ちなみに、ワカサギは湖の中を群れで回遊しています。釣れはじめたらチャンス到来! このタイミングに何回穴の中に釣り針を落とせるかが勝負です。
Tempura to eat outside is tasty.
外で食べる天ぷらは美味しい!