憧れのテントの多くが古い幕=「ヴィンテージ」
往々にして憧れを抱くテントの多くは、今では現存しない古い幕であったりします。しかも、50〜80年代のとても古い幕で、いわゆる”ヴィンテージ”と呼ばれるテントです。
でも、ヴィンテージと聞いて「そんな名前がつくくらいなら高いんじゃないの?」とか「どこの誰ぞが使ったかわからないものを使いたくない……」と思う人もいるでしょう。もちろん中古なので、正直状態が悪いものもときたま出てきますが、チェックすべきポイントを抑えれば大丈夫です!
そもそも「ヴィンテージ」ってどんな意味なの?
まずはヴィンテージ(Vintage)という名前について簡単に解説を。これは、元々は醸造して瓶詰めされた高級ワインを指します。価値があるワインは、年月が経つと熟成され、甘さと芳醇さが際立ち、よりおいしい味に昇華します。
「時間が経つにつれてよさが出てくる」という意味が、転じて“由緒ある名品”と広義な意味となり、今ではこちらのほうがメジャーな意味になっています。
ヴィンテージ品として有名なキャンプブランド
「ヴィンテージテントが多いブランドって?」と疑問を持つ人もいると思うので、ここでヴィンテージテントで人気が高いブランドを3つ紹介します。
コールマン
コールマンは、1900年代初頭に創業されたアメリカを代表するキャンプメーカー。
創業者であるウィリアム・コフィン・コールマン氏が、アラバマ州にある小さな町のお店を通り、光り輝くガソリンランプを見て衝撃を受けたのが始まりとされています(当時は今のように電気がなく、街灯すら少なかった時代!)。
昔も今も、コールマンといえばランタンのイメージが強いですが、キャンプ用テントで歴史に名を残すほど有名なものがあります。それがこの「オアシス」というテントです。
1980年代からコールマンが本格的にキャンプ業界に進出した頃に誕生し、今でも度々復刻版が登場する人気のコットンテントです。遮光性と程よい通気性があるコットン生地は、今なお使える便利素材ですよね!
コールマンの歴史をもっと知りたい人はこちらをチェックしてみてください。
モス
モス(Moss)は、1955年にアメリカで誕生したテントブランド。ミシガン大学やレイトン大学などで芸術分野を専攻し、デザイナーとして活動したビル・モス氏が立ち上げました。機能性だけでなく芸術性の高いテントを多く輩出したことは、過去にCAMP HACKでも紹介しています。
詳細は割愛しますが、モスで有名なテントといえば「スタードームⅡ」や「オリンピック」といったドームテント。今では現存していないブランドでもあり、価格はうなぎ登りに上昇中! ”モス臭”と呼ばれる特有の臭いがつきやすいのですが、この洒落たデザインはキャンプ場でも目立ちますよね!
マルシャル
マルシャル(フランス語読みで「マレシャル」)は、1904年に誕生したフランス最古のテントメーカー。日本ではかつて正規販売代理店があり、ロッジテントブームで一躍有名になりました。
70〜80年代に登場したロッジテントは、上質なコットン生地と頑丈なフレーム、そしておしゃれな窓など細かいディテールが多くのキャンパーの心をつかみ、「テント界のロールスロイス」とも呼ばれたみたいです。
そんなマルシャルのテントの中でも人気が高いのが「セヴェンヌ」。フランスの中央高地に広がる山脈の名前から由来するこちらは、濃いブルーとグレー、そしてビビットなピンクのパイピングが配色されたシックなデザインが特徴です。
マルシャルのテントについてもっと知りたい人はこちら記事もチェックしてみてください。