ワイヤフレームが抱える大人の事情
取材中、一番耳にしたのは「お金」の話。デザイナーであり経営者でもある角南さんは、いいモノを作るだけでなく、デカすぎる競合相手に”いかにして勝つか”、という戦略的な考えも重要視していました。
-ワイヤフレームのフォルムも独特ですよね。なぜこの形になったんですか?
大手メーカーと同じようなモノを作ろうとすると、何百万単位の投資が必要なんです。もちろん、そんな予算はありません。
なので、なるべく少ない素材で作れるモノ、かつ商品として魅力があるモノを作らなければならなかったんです。
確かに、ワイヤフレームを組み立てる部品は、ステンレス製のアーム2本とクロスのみ。焚火台にしては、かなりシンプルな構造ですよね
-でも、クロスも金属メッシュも、かなり費用がかかっていそうですが……
そうとう原価率高いんですけどね。ふつうの値段つけたらもっと高いんですよ。3万円とかしちゃうけど、メーカー利益をギリギリまで下げて、安く売っているんですよ。
-3万円も!?ちょっとビックリしました。でも、新作のワイヤフレームライトは安くなってますよね?
最初に「いくらで作れるのか」というのを考えると、ワイヤフレームが100万なら、ワイヤフレームライトは200万円必要なんです。
その名の通り、ワイヤフレームをさらに軽量化させたのが「ワイヤフレームライト」です。重量は980g→650gと、焚火台とは思えない軽さを実現しています。
ワイヤフレームはモノラルのデビュー作なので、当時はお店もないし、自分で手売りしているレベルで、何百何千台の数を前提に作れません。
だから、限られたお金で作れるモノ作りをしていました。
今はある程度ブランドも認知もされていて、販売ルートも確保しているので、「500台作らないと値段下がらないけど、チャレンジしてみようか」というステップアップができるようになったんです。
ワイヤフレームが多くのキャンパーの心を掴み、使えるお金の量が増えたからこそ、ワイヤフレームライトの制作が実現したんですね。
モノラルの未来を聞いてみた!
-モノラルの未来予想図について教えてください。
世界展開ですね。実はすでに台湾、韓国では販売しているんですが、他の国からも話がきているんです。特に東南アジアは経済が伸びてきているので、「日本のいいモノを買い取りたい」というニーズが増えてくると思います。
と言っても、別にブランドを大きくしたいわけではないんです。”モノラルのギアが世界中で売ってる”というのががいいんですよね。ちょっとずつ、どこでもみたいな。
国内だけでなく、アジアからの問合せが多いとか。よくよくはアメリカやヨーロッパ展開を目指していきたいそうです。
いちユーザーとして見ると、モノラルは決して安くないと思っています。
だから、目で見て、使ってみると良くて、値段は高いけど満足してもらえる。そんな商品を作り続けていきたいですね。
ちなみに、「ワイヤフレーム2」を開発中だそうです。まだ発売も未確定ですが、どんな風に出来上がるのか、楽しみですね!
MONORAL to surprise everyone
モノラルはみんなを驚かせる!