ふつうに売ったら3万円!? MONORAL「ワイヤフレーム」の真実に密着

布を火床にした焚火台「ワイヤーフレーム」で有名なアウトドアブランド、MONORAL(モノラル)を取材。高いけど、欲しい!そんな声が多いワイヤーフレームですが、実はふつうに売るともっと高かった!?今回はそんなワイヤーフレームの裏話をたっぷりご紹介します。


アイキャッチ画像:撮影 編集部

全ては一台のミシンから始まった

白いミシン オンラインショップ、Amazonや楽天などのネット通販サイトを見ても、高い確率でSold outしている「ワイヤフレーム」。

最先端の技術が集まった工場で、機械が休むことなく動いて作っているんだろうなぁ、とそんなイメージを筆者は抱いていました。
角南さん

最初はミシンを買って、クロス(布)を縫うってところからスタートしているんですよ。

そう語るのは、ワイヤーフレームの考案者でもあり、MONORAL(モノラル)の代表取締役である角南健夫(すなみ たけお)さん。

今回はそんな角南さんを取材し、ホームページでは明かされないワイヤーフレームの裏話をたっぷり聞いてきました。

最初の売れ行きはどうだった?

ワイヤーフレーム 炎 今まで畑違いの業界でデザイナーの仕事をしていた角南さん。ブランドを立ち上げた当初、アウトドア業界へのコネクションもなく、お金も個人資産。

なので、初代ワイヤフレームは、ほぼ手作りに近かったそうです。

-最初の売れ行きはどうだったんですか?

「フィールアース」というキャンプイベントで、友人の店の隅に10個ほど置かせてもらったんです。そしたら半日で完売しちゃいました。

やっぱり耐熱クロスに興味を持たれた方が多くいらっしゃいましたね。

-私も耐熱クロスに惹かれました。なぜ火床に布を使おうと思ったんですか?
ワイヤーフレーム クロス アップ

コンパクトで持ち運びができる焚火台を作りたかったんです。そのためには、火床を柔らかい材料でつくる必要がありました。

人気のヒミツ「耐熱クロス」の正体は?

グロスの布-この耐熱クロスの素材が気になってます。

シリコンを繊維にして、それを布にしたものです。いろいろ歴史があって、今のがちょうど5代目ぐらいなんです。それ以前のものだと麻袋みたいなザクッとした粉ぽい感じだったんですよ。

なんとかもっと良くなるようにって、ちょこちょこ仕様変更しています。

クロスを触る手 少し光沢感のある表面。触ってみるとツルツルしていて、粉っぽさはゼロ。色んな耐熱素材を取り寄せ、フィールドテストを繰り返した中で、唯一使える素材だったそうです。

-かなり特殊な素材のようですね。生地にするのも難しかったんじゃないですか?

生地を縫製できる工場を探すのにも、苦労しましたね。

あとは、耐熱性の材料ってかなり脆くて。例えば、穴を開けて吊すと破れてしまうぐらい。なので、どうやって吊るされたクロスを保持させようか、というのが頭のひねり所でした。

クロスのスケッチ こうして発案されたのが、穴を開けずにクロスを吊るせるワイヤインフレーム構造(特許取得済)。写真はその構造を考えた時のスケッチです。

あえて火元を布にするメリットとは?

モノラル ワイヤーフレームと夜
出典:モノラル
-布って正直マイナスなイメージしかないのですが……

このクロスは保温性が高いので、火がずっと温められたまま燃え続けるんです。

なので、薪の数も1,2本で十分煮炊きもできるし、熾火がすごい長持ちしてくれるので、非常に完全燃焼しやすいんですよ。

-そんなメリットがあったんですね。だけど、消耗品なんですよね。

そんな方向けに、「焚き火メッシュII」を作りました。金属メッシュなので、ガンガン燃やしても耐久性に問題はありませんよ。

金属メッシュを触る手 鎧の下に着る防具「くさりかたびら」のよう。クロスよりも少し重みがありますが、柔らかくて、表面は滑らかなです。

-金属の布みたいですね。これもクロス同様に特殊な作りなんでしょうか?

実はこれ、金属の輪っかを1つずつ溶接しながら編んでるんですよ。しかも機械だと失敗してしまうので、半分は手作業なんです。

金属メッシュ 布 これの半分が人の手で作られているとは、驚きです! 見てるだけで筆者の目が痛くなってきました。

-クロスを長く使い続けるためのコツを教えてください!
クロス 畳む

小さい焚火を続けること。あとは洗うのもNGで、灰を払い落とす程度でOK。できれば、折り方も毎回同じところでなく、ずらして折るとより良いです。

特に折れ線のところが一番破損しやすいので、注意してくださいね。


ワイヤフレームが抱える大人の事情

取材中、一番耳にしたのは「お金」の話。デザイナーであり経営者でもある角南さんは、いいモノを作るだけでなく、デカすぎる競合相手に”いかにして勝つか”、という戦略的な考えも重要視していました。

-ワイヤフレームのフォルムも独特ですよね。なぜこの形になったんですか?
ワイヤフレームの足

大手メーカーと同じようなモノを作ろうとすると、何百万単位の投資が必要なんです。もちろん、そんな予算はありません。

なので、なるべく少ない素材で作れるモノ、かつ商品として魅力があるモノを作らなければならなかったんです。

確かに、ワイヤフレームを組み立てる部品は、ステンレス製のアーム2本とクロスのみ。焚火台にしては、かなりシンプルな構造ですよね

-でも、クロスも金属メッシュも、かなり費用がかかっていそうですが……

そうとう原価率高いんですけどね。ふつうの値段つけたらもっと高いんですよ。3万円とかしちゃうけど、メーカー利益をギリギリまで下げて、安く売っているんですよ。

-3万円も!?ちょっとビックリしました。でも、新作のワイヤフレームライトは安くなってますよね?
ワイヤーフレームとワイヤーフレームライト

(左:ワイヤフレーム、右:ワイヤフレームライト)

最初に「いくらで作れるのか」というのを考えると、ワイヤフレームが100万なら、ワイヤフレームライトは200万円必要なんです。

ワイヤーフレームを持ちあげる考案者
その名の通り、ワイヤフレームをさらに軽量化させたのが「ワイヤフレームライト」です。重量は980g→650gと、焚火台とは思えない軽さを実現しています。

ワイヤフレームはモノラルのデビュー作なので、当時はお店もないし、自分で手売りしているレベルで、何百何千台の数を前提に作れません。

だから、限られたお金で作れるモノ作りをしていました。

下からみたワイヤフレームライト

今はある程度ブランドも認知もされていて、販売ルートも確保しているので、「500台作らないと値段下がらないけど、チャレンジしてみようか」というステップアップができるようになったんです。

ワイヤフレームが多くのキャンパーの心を掴み、使えるお金の量が増えたからこそ、ワイヤフレームライトの制作が実現したんですね。

モノラルの未来を聞いてみた!

-モノラルの未来予想図について教えてください。

世界展開ですね。実はすでに台湾、韓国では販売しているんですが、他の国からも話がきているんです。特に東南アジアは経済が伸びてきているので、「日本のいいモノを買い取りたい」というニーズが増えてくると思います。と言っても、別にブランドを大きくしたいわけではないんです。”モノラルのギアが世界中で売ってる”というのががいいんですよね。ちょっとずつ、どこでもみたいな。

国内だけでなく、アジアからの問合せが多いとか。よくよくはアメリカやヨーロッパ展開を目指していきたいそうです。 モノラル ワイヤーフレームと海

-今後、どんなギアを開発していきたいですか?

いちユーザーとして見ると、モノラルは決して安くないと思っています。

だから、目で見て、使ってみると良くて、値段は高いけど満足してもらえる。そんな商品を作り続けていきたいですね。

ちなみに、「ワイヤフレーム2」を開発中だそうです。まだ発売も未確定ですが、どんな風に出来上がるのか、楽しみですね!

 

MONORAL to surprise everyone

モノラルはみんなを驚かせる!

●モノラル公式ホームページはこちら
●モノラルのオンラインショップはこちら


関連する記事

この記事が気に入ったら
「いいね!」をしよう
CAMP HACK編集部

CAMP HACK運営&記事編集担当。2018年は、ワカサギ釣りから始まり、登山キャンプ、SUP、カヌー、野草料理、ラジコン、360度カメラなど…キャンプを基地にして色んなアクティビティーに挑戦したい。

公式プロライター

  • たけだバーベキュー
  • YURIE
  • 平 健一
  • 写風人
  • Takamatsu Misato
  • SAM & 沖田雅生
  • 小雀  陣二
  • A-suke
  • 長谷部 雅一
  • 八幡 暁
  • 風森 美絵
  • カノウ ヒナタ
     

    LINEでCAMP HACKをもっと手軽に。

    最新のキャンプギアやキャンプ場情報などをキャンプに関する情報を毎日配信!
    LINE友達限定の毎月当たるプレゼントキャンペーンも開催中!