写風人の駒ヶ根アウトドアライフ~第2章#2~:森暮らしのキャンプスタイル

岐阜在住、駒ヶ根に週末基地「K-BASE」を所有し、自分の好きなアウトドアライフを満喫する写風人さんの連載2章目、第2回!じんわりと芯から温まるような、写真と言葉の数々が写風人さんの魅力のひとつ。今回はまさに温故知新のキャンプスタイルを体現した、駒ヶ根ライフを紹介します。


これは、アメリカキャンプ協会の資料を基に和訳された「キャンプ・カウンセリング」の一節

人はなぜ便利な生活から抜け出し、不便な野外生活に繰り出すのだろう? キャンプ生活への憧れは、昔の英雄の生活への憧れか、あるいは西部劇に描かれている冒険と独立独行の生活をしてみたいという欲望からなのか……。(出典:『キャンプ・カウンセリング』共著・A.V.ミッチェル、I.B.クロフォード)

父親が愛読していた1960年代キャンプカウンセラーのための教本で、私にとっても野外生活必須のバイブルでもあります。この教本には自然の中で創意工夫しながら生活していく数々のプログラムが紹介され、枝を利用したクラフトや野外炊事などの知識が満載です。

このようなスタイルをブッシュクラフトと思われている方もいるかもしれませんが、それはあくまで森に恵まれ狩猟の盛んな北欧での表現であり、私はアメリカ西部時代に感化されたオールドキャンパーのつもりです。

写風人さんの第二章の連載一回目はこちら


森暮らしでは、薪ストーブ用の薪集めが日課のようになっています。

森の間伐や立ち枯れの伐採などもそのひとつ。近くで伐採情報があれば飛んでいき、邪魔な木を伐って欲しいと頼まれれば喜んで駆けつけ、薪ストーブユーザーなら目もくれないような細い枝も広い集めてきます。

枝ぶりのいいものは薪にはせず、大切にストックしておきます。枝もあらゆる可能性を秘めたキャンプツールですから。

そのキャンプの舞台になるのが4年前から通い始めた週末森暮らしのフィールド。いわゆる在宅キャンパーなので、人目を気にせずやりたい放題、しかも撤去不要。一度設営したら暫くはそのまま常設になることもあります。
食器類が引っ掛けてあるのは前述のカウンセラー本に載っていたチッペワ食器棚。真下で焚き火することで調理棚にも乾燥機にもなるクワッドポッドです。

背景の寝床は、以前差し掛け小屋を作った名残です。差し掛け小屋とは森林作業の仮設小屋のことで、ビバークするためのシェルターとして周囲の枝や葉を利用して寝床を作ります。それを真似てスギの樹皮や葉で屋根を作りましたが、さすがに葉が枯れて雨漏りしてきたのでタープに張り替えました。

時には場所を変えスタイルも変えて設営します。

これはデイキャンプ風。特定のファイヤープレースを設けず、薪が転がっている近辺で火を熾し調理します。その時限りのサイトは設営もシンプルです。
こちらは常設のファイヤープレース。大きな岩の前で焚き火しているので冬でも輻射熱で暖まります。

タープはDuluth Packのトレッカーシェルタータープで防水性耐火性に優れたアメリカキャンバス製です。現代ではワイルドに使われるタープですが、内戦時代にはテントを配給されない兵士から「犬のテント」とも呼ばれていたそうです。

内戦時代という言葉が出ましたが、現在でも内戦が続く国家が存在するので正しい表現ではないかもしれません。

「内戦」ではなく、「Civil War Tent」で検索してみると……

アメリカ南北戦争やその時代の軍事テントを再現した画像が表示されます。
これはそのCivil Warテントのひとつで、Aフレームまたはウェッジ型と呼ばれています。このテントの特徴は張り綱がなくポールとペグで自立することです。

張り方は至って簡単。
テントを広げ、4隅をペグ打ちします。
リッジポールと2本のロッドポールを持ち上げて自立させ、残りのペグで固定します。

当時は角材や丸太をポール代わりにしていたようですが、当然ポールは付属されていなかったので、手すり用の丸棒と直角のジョイントを利用しています。入り口は紐で結ぶ簡素なもの。当然メッシュもないのでテント内は虫だらけになります。

テント生地は丈夫で撥水効果のあるキャンバス製ですが、カビの事を考えると雨の多い日本では実用的とは言えないでしょう。かえって不便で厄介なテントです。

しかし、森暮らしそのものが便利で快適性を求めている訳ではありません。一つ一つが手間の掛かる不便さを愉しんでいるのです。

森暮らしのキャンプスタイルもその延長。敢えて故きを訪ね、どっぷり浸かる。オールドスタイルのキャンプを習熟すると、どんな「新しきを知る」ことになるんでしょうね……?

▼写風人さんの過去連載の記事はこちら

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写風人

1955年生まれ。岐阜県在住のプロカメラマン。薪ストーブを中心とした火のある生活を愉しみつつ、ダッチオーヴン料理や薪ストーブクッキングなどの講座も行う。かねてより念願であった森暮らしを実現。週末は南信州へ入り浸り、薪ストーブと焚き火三昧の日々を愉しんでいる。Instagramは@syahoo_jin

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