迷った末に出した答えは移住。
「改めて自分が都市生活をしてみる」でした。というものの、いったい何から始めよう……。
かつて白河法皇が、大きな権力を持ってしても思うようにならないものとしてあげたことが3つあります。双六の賽、山法師、賀茂川の水であると平家物語に書かれているそうです。これを聞いて、そうかと思いました。
都市においても「水」は必要です。が、沖縄では毎年、台風に翻弄されるように、洪水や大雨、津波、現代であっても水は思うようにならないものの一つです。都市の水辺こそ、失われた価値を取り戻すフィールドになりえるのではないか。圧倒的に人間優位な暮らしの中で、人の都合どおりいかないことを知ることが、より大切なものになりえそうに思えたのです。