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ハンモック大特集!すごい流行を巻き起こすかもしれないその理由とは?(3ページ目)

王道メーカー eno の二人用モデルを試そう

eno のラインナップだと、Hiker’s Depot でも取り扱っているウルトラライトな一人用モデル Sub7 も興味深いのですが、ハンモックキャンピングの王道を知るという意味では「DoubleNest」と呼ばれる二人用の大きめモデルも無視できません。

UL志向でソロ使用を想定すると「二人分のスペースは余計なのでは?」と思われるでしょう。

しかし、ハンモックでも寝床の広さは寝心地に直結します。テントを選ぶ場合を考えてみてください。

ストイックなUL系ショップでは、シェルターをすすめる際に「一人用で充分」と言われるかもしれませんが、一般的なアウトドアショップでは「一人で二人用を使うと広くて使いやすいですよ」としばしば提案されるはず。

geared ハンモック
自然に溶け込むスタンダードなものから街中の公園でも映えるポップなものまで、豊富なカラーバリエーションも魅力。

日本だと、Hummingbird Hammock の登場以降、ウルトラライト志向の人たちがハンモックに手をのばすようになりました。

ところが、Hummingbird や eno の一人用モデルは、あくまで軽さを追求したものなので、使ってみてあまり寝心地がよくないと感じるユーザーもいたかもしれません。

そんな方は、ぜひUL目線にこだわらずに、ハンモックの楽しさや寝心地や安定性を総合的に体感できる DoubleNest を試してみてください。

そうした点で、このモデルには先ほどいった「ハンモックキャンピングの王道」という表現が当てはまるのです。

実際、eno はカタログのトップに DoubleNest を掲載しています。同社が「Leave No Trace」の普及やアパラチアン・トレイルや、パシフィック・クレスト・トレイルなどの保全のために展開しているドネーション・モデルも、やはり DoubleNest です。

「ダブルサイズこそハンモックの王道なんだ、まずはここを見てほしい」というメーカーの主張を感じずにはいられません。

ここから入っていけば、eno の道具だけでシステムを完結させることもできます。フライやツリーストラップの種類も豊富で、ハンモック用の寝袋も揃っています。

eno の商品群を見れば、ハンモック周辺の道具の多様性がよくわかるので、この世界の奥深さを知るにもうってつけのブランドです。

製品名     : DoubleNest Hammock
メーカー    : eno
重量      : 538g
価格      : ¥9,500(税込)
お問い合わせ  : SUNWEST
購入      : SUNWEST ONLINE STORE、各取扱店

Hummingbird の製品群にみるハンモックギア軽量化のポイント

タープの下のハンモック

ハンモックのシステムを軽くする際には、本体よりも周辺のギアに力点を置くことをおすすめします。

先週ご紹介したように、寝心地を優先するならハンモック本体はある程度の大きさのものを選択するのもありです。その代わりに周辺の道具を軽くすれば、快適さをあまり損なわずにシステム全体を軽量化できます。

※geared編集部注: 本稿は、Hiker’s Depot 店主の土屋智哉さんと、同店きってのハンモック通である二宮勇太郎さんの談話をもとに、geared編集部が文章化しています。

その際にポイントとなるツリーストラップとハンモック用タープの動向を、日本のUL志向な人たちのあいだでハンモックを広めるきっかけになった、Hummingbird Hammocks の商品を例にとって追いかけてみましょう。

Hummingbird 製ツリーストラップのゆるぎない軽さ

ハミングバード製のハンモック

世界最軽量のハンモックを自称しているだけあって、Hummingbird のハンモック本体の軽量性やパッキングサイズの小ささは魅力的です。しかし、このメーカーで最も特筆すべきはツリーストラップでしょう。

従来のハンモックでは、いくら本体を軽くしても、ストラップの重さやパッキングサイズの大きさがネックになっていました。

それを大幅に改善したのが、Hummingbird のストラップにも採用されているウーピースリングという技術でした。

ウーピースリングは造園業に由来する技術です。木をまとめて運ぶ際に、ロープの先端をロープの中空に入れてループをつくり、引っ張ると摩擦で固定される。

興味深いことに、近年のハンモック界の動向をまとめた書籍『The Ultimate Hang』の裏表紙にも、ウーピースリングのイラストが使われています。これをどのメーカーが最初に製品化したのかはよく分からないものの、そのぐらい画期的な変化でした。

ハンモックではメタルパーツを使って固定するシステムが主流なので、金属を必要としないウーピースリングは大幅な軽量化と微妙な調整を可能にしました。

その後もさまざまなシステムが試行錯誤されていますが、これほどライン自体を軽くシンプルにする方法は見つかっていません。

geared で最初に Hummingbird Hammocks を紹介した以後、現在では eno をはじめ他のメーカーもウーピースリングを使ったツリーストラップを発売していますが、これを日本でも広めた Hummingbird のモデルが今なお最軽量です。

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