ミリタリーをカジュアルに落とし込んだバッグブランド『SML』
ミリタリーという追及し甲斐のある題材に、新たなアプローチで切り込むバッグブランド『SML』。オリジナルにとらわれず自由な発想から生まれた、彼らのファーストコレクションをご覧あれ。
昨年春にデビューしたばかりの『SML』は、ディレクターの深田義人さんがミリタリー好きのデザインチームと共に立ち上げたブランド。その名はスペック・ミリタリーエレメント・ラインの頭文字をとったもので、文字通り“本格的なミリタリーの要素”を取り入れつつ、日常で使えるバッグを作っている。
「僕はヴィンテージのミリタリーウェアが好きでよく着るのですが、僕にとってそれらは戦闘服ではなく、ただ使いやすい日常着でしかないんです。僕たちが目指すのはサバイバルゲームを楽しむ人が着るようなガチガチのものでなく、あくまでファッションとして成立するもの。機能的でタフで男らしいもの。SMLでは、そんなミリタリーの魅力をどうカジュアルに落とし込むかをテーマに掲げています」
丈夫な生地や付属パーツはミリタリーを語るうえで欠かせない要素。SMLのバッグを構成するコーデュラナイロンはブルックウッド社製。また、バックルやウェービングはナショナルモールディング社製となっている。それらはアメリカ軍が使うバッグに使用されている正真正銘のミルスペックである。それでいて、デザイン的にはノートパソコンを収納するPCスリーブやサイドジップ、インナーポケットなどの現代的なギミックを盛り込み込むことでよりラフに使える製品に昇華している。このバランス感覚は同ブランドならでは。
SMLは自分たちが今まで触れてきたヴィンテージに影響を受けつつ、最新の素材を用いて製品を作っているという。いつもはレザー中心にキャンバスや天然素材の商品を多く作っている深田さんだが、SMLでは積極的に新しい材料やハイテクな素材を取り入れて時代に合うバッグを作っている。そうして出来上がった製品は、ミリタリーの匂いを感じさせるにも関わらず、街でも映える洗練された雰囲気を漂わせているのだ。
「ミリタリーと言えばレプリカという、アメカジブランドのテンプレートを壊したいと思っています。今シーズンのルックブックも、ミリタリーだからこうじゃなきゃいけないという固定概念を壊す意味も込めて、モデルは男女半々にしています。武骨なバッグを女性がさらっと持ってても良いじゃないですか」
SMLはオリジナルに敬意を表しつつ、時代に合った機能性を付加することに躊躇しない。普段使いの本格的ミリタリーバッグ。これを待ち望んでいた人は多かったことだろう。
MUSETTE BAG
サープラスな雰囲気を漂わせる素朴なサコッシュは、外側に2つ、内側に2つのポケットが備わっており荷物を小分けできる構造。その使い易さは見た目以上だ。 サイズ:H235×W320mm。ソリッドカラー\7,020、カモフラージュ\7,452
UTILITY SHOULDER BAG
シンプルなデザインながら、ボトム内側に縫い込むことで独特のシルエットを作り出した大ぶりのショルダー。様々なコーディネートで使えそうだ。H300×W300×D85mm。ソリッドカラー\8,532、カモフラージュ\9,180
DAY PACK
普段使いにちょうどいい20Lサイズのデイパック。ペットボトルが入るサイドポケットや背面室、PCスリーブなど、あると嬉しい装備が備わっている。サイズ:H440×W300× D 1 5 0mm 。ソリッドカラー\17,280、カモフラージュ\20,520
ARMY PACK
フラップ部分に二つのバックルを配置した、20Lのバックパック。荷室の入り口はドローコード式なので、アウトドアシーンでも素早く荷室にアクセスできる。サイズ:H410×W310×D150mm。ソリッドカラー\17,280、カモフラージュ\19,440
2WAY PACK
手持ちのトートとリュックの両方で使える2ウェイ仕様のバッグ。オンオフ問わずに使えるスマートなデザインで、広くマチがとられているのが特徴だ。サイズ:H410×W310×D150mm。ソリッドカラー\16,200、カモフラージュ\17,280
問い合わせ:井野屋SML プレスルーム
tel.03-5731-3385
https://sml-product.com/
写真:Takayuki Haneta 文:Junpei Suzuki
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