アパレルから始まったブランド展開

OEM事業と並行して、峯尾さんはアメリカ発のファクトリーブランド「オレゴニアン・アウトフィッターズ」のディレクションも手がけるようになります。
もともとアメリカにあったブランドを、ちゃんと商標を取って展開し直したのが始まりです。60/40クロスのマウンテンパーカーを『Made in USAで3万円』で出したら、それがすごく売れたんです。

2011年にリスタートした「オレゴニアン・アウトフィッターズ」は、ダウンやフリースへと展開を広げ、ブランドとしての手応えを掴んでいきました。
その流れの中で、アウトドア市場の広がりを感じ、2013年にキャンプ用品のラインとして「オレゴニアンキャンパー」をスタートします。
ヒットは現場から生まれる

アウトドア分野での最初のヒットとなったのが、WILD-1との取り組みから生まれたグランドシートでした。
営業に行く中で、『ベーシックなレジャーシートが作れないか』という話をいただいて、無地のグランドシートを作ったんです。それがすごく売れて。
当時のレジャーシートはカラフルな柄物が主流。その中で、あえて無地でシンプルなデザインを提案したことが、キャンプユーザーに支持されます。

今でこそ普通ですけど(笑)、当時は逆に新しかったんですよね。キャンプ場で浮かないデザインというのが大きかったと思います。
現場の声を拾い、すぐに形にする。その積み重ねが、「オレゴニアンキャンパー」というブランドの方向性をつくっていきました。
ミリタリー工場との出会いが生んだ転機

キャンプ用品の展開を進める中で、大きな転機となったのが、日本の展示会で偶然出会ったミリタリー系工場とのつながりでした。
縫製もしっかりしているし、生地もタフで、「これは使えるな」と思ったんです。
この出会いによって、トラッシュボックスなど新しいプロダクトの開発スピードが一気に上がります。

ゴミ箱として作ったんですけど、スノーピークのストーブがちょうど入るっていうので、それで人気が出たんです。
さらに、ミリタリー工場とのつながりによって迷彩柄の展開も可能に。現在のオレゴニアンキャンパーらしい無骨な雰囲気にも、この出会いが大きく影響しています。
専用設計と価格のバランス

ブランドを運営する上で大切にしているのは、「専用設計」と「価格」です。
マルチケースじゃなくて、“〇〇専用”って言い切るようにしています。そのほうが使い方がイメージしやすいので。
用途を明確にすることで、使うシーンを具体的に想起させる。一方で価格にも独自の考え方があります。

店頭で「5,000円くらいかな」って思って手に取ったものが、実際は3,000円を切ってる、みたいな。いい意味で期待を裏切りたいんです。
機能と価格、その両方で納得感をつくること。それがブランドの信頼につながっています。
アウトドアと日常をつなぐ

今後の展開として峯尾さんが見据えているのは、アウトドアと日常を横断するものづくりです。
アウトドアだけに閉じずに、日常でも使えるものを作っていきたいですね。寝具メーカーと組んでキャンプ枕を作ったり、シーツに展開したりとか。
釣りから始まり、技術職、OEM、アパレル、そしてアウトドアへ。一見バラバラにも見える峯尾さんのキャリアは、それぞれの経験が次の仕事へとつながり、重なり合うことで、今のものづくりを形づくっています。

アウトドアだけやってても、新しいものって意外と生まれにくいんですよね。違う業界や文化と掛け合わせることで、面白いものができる。だから、あんまり枠を決めすぎないほうがいいと思ってます。
異なる経験やカルチャーを掛け合わせながら、新しい価値を形にしていく。その柔軟な視点こそが、オレゴニアンキャンパーのものづくりを支えています。






