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「車で炊きたてご飯」の夢、車載炊飯器で叶うと思ったのに…(2ページ目)

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【注意】 取扱説明書を読んで判明した、意外な落とし穴

ここで、購入を検討中の方にぜひ知ってほしい重要事項があります。

取扱説明書には「走行中は使用しないでください」と明記されているのです。

説明書には「走行中のシガーソケットの抜き差しや接触不良によって、発熱・破損が起きる可能性があるため」と、走行中の使用を禁止する理由として書かれています。

もうひとつ、走行中の使用を控えるべき理由が考えられます。

走行中の振動で炊飯釜内の米と水が暴れてしまい、底面のニクロム線からの熱が均一に伝わらず、生焼け・生煮えの状態になる可能性が高いです。

じつは筆者、購入前は「移動しながらご飯を炊いて、キャンプ場到着と同時にいただきます」という、夢のようなシナリオを思い描いていたのですが――この時点で、“到着と同時に炊きたて”計画は崩壊しました(少し考えればわかったことですね)。

さらに、自己責任で走行中に使ったとしても、炊きあがりが失敗してフードロスが発生する可能性が高い。コンプラチェックを通すため、炊き損じを「おいしくいただきました」と書きたくもありません。

※取扱説明書には「電圧を安定させる為にエンジンを始動させながら使用してください。」ともあります。消費電力は110Wと大きいです。(シガーソケットは、ほとんどの車種において「12V×10A=120W」が目安です。取扱説明書によれば、アイドリングしながら炊飯せよ、ということになります。アイドリング禁止のキャンプ場、道の駅、サービスエリアなどでの使用はできないということになります。

【検証1回目】浸水なしで0.5合を急ぎ炊き

まずは、車中泊やキャンプでよくある「ご飯炊くの忘れた、急いで食べたい」シーンを想定。浸水なしで、いきなり0.5合を炊いてみました。

お米は北海道産の「ふっくりんこ」の無洗米を使用。本来お米は最低でも30分、できれば1時間以上の浸水が推奨されますが、今回はあえてスキップ。

スイッチオンから26分でランプが切り替わり、炊き上がりを知らせてくれました。10分ほど蒸らしてから蓋を開けてみると、米粒の表面はビチャビチャ、中は固く芯が残るという、典型的な炊飯失敗のパターンです。

食べられないほどではありませんでした。米の品質が高かったので、なんとか食べられた、というのが正直な感想です。

「味にこだわらなければ、浸水なしで炊いてもいい」という結果になりました。

【検証2回目】1時間浸水+1合で本気炊き

続いて、しっかり1時間浸水させて1合を炊く本気モードへ。

取扱説明書の記載が誤っていた…

取扱説明書では、米1合に対して水の量は250ml〜300mlと記載されているので、これを遵守します(一般的には、米の重量の1.2倍、無洗米なら1.3〜1.5倍が基本なので、説明書の記載が誤っているのか、炊飯器の仕様から水の量が多く必要なのか、少し不安を感じつつ炊飯スタート)。

無洗米のため、水を説明書記載の水の量より1割ほど多めに調整。スイッチを入れてから約45分、カタログスペック通りの時間で炊き上がりました。

表層部は米粒が立っているが、内部はべちゃべちゃに。

しかし、蓋を開けてみると、ご飯が全体的にかなりベチャっとした仕上がりに…

取扱説明書記載の水の量が誤っていますね、

次回は水の量を減らして再挑戦することにしました。

水の量が多いと、内蓋が汚れて洗うのが大変になった。

【検証3回目】水少なめで“ベスト”を探る

3回目は、米150gに対して水190cc(重量比1.3倍、計量カップで約1割減)と、取扱説明書通りではなく、一般的な水の量に設定。

1時間浸水後、炊飯スイッチオン。約45分後、再びランプが切り替わって炊き上がりです。
蓋を開けると、前回よりは粒立ちが改善されています。ただし、米のテカリ・つやつや感は控えめ

2回目のべちゃべちゃはなくなったが、米の粒の立ち、ツヤがイマイチ。

粒立ちもイマイチで食感もイマイチ、ふっくりんこのモチモチ感が失われていました。

これが、サンコー車載用炊飯器の炊飯クオリティの限界なのでしょう。

率直に言えば、水の量を最適化しても、米の本来の味には届かないという印象でした。

【見落としがち】車内が水平でないと“炊きムラ”ができる

3回目の検証で発覚した、この炊飯器ならではの注意点があります。

車内が傾斜していると、内部の米が片寄って炊きムラができるのです。

滑り止めマットを小さく切って足にした。

キャンプ場の駐車場や車中泊スポットは、必ずしも完全な水平とは限りません。少し傾いた場所に駐車していると、ニクロム線からの熱が片側にしか伝わらず、片側は炊き上がっているのに反対側は生焼けという“炊きムラ”状態になります。

炊飯器が地面に対して水平になるよう、本体の下に箸などを置くといいでしょう。

【注意点】電源がシガーソケットしかない

サンコー車載用炊飯器の電源はシンプルにシガーソケット(12V)のみ。4000円台というコストに抑えられている理由の1つでしょう。

炊飯スイッチは、シガーソケットコンセント部分にある。炊き上がると自動で保温状態に切り替わる。

ただ、ポータブル電源を持たずにキャンプ場に行ったら、サンコー車載用炊飯器は使えない場合があります

なぜなら、多くのキャンプ場では「アイドリングストップ」が基本。アイドリングしないと、12V電源が使えない車種は少なくありません。

ハイブリッド車でも、バッテリー残量によってはエンジンが自動的にかかりアイドリング状態になります。

キャンプにサンコー車載用炊飯器を持っていく前に、エンジンOFF「ACC」の状態でシガーソケットが使えるか(1度くらいの炊飯では、正常なバッテリーなら”バッテリー上がり”にはならないでしょう)確認をしておきましょう。

【比較】愛用のルクルーゼ(IH)と比べてみた

ここで比較対象として、筆者が普段車中泊で使っているポータブルIHクッキングヒーター&「ルクルーゼ」での炊飯をして味比べをしてみました。

筆者愛用のルクルーゼ

ルクルーゼでの炊飯手順は、強火3〜4分→弱火12分→蒸らし10分の合計約25分(1合炊き、気温18℃前後のとき)。タイマーをセットして火加減を調整するという手間はかかりますが、炊き上がりは車載用炊飯器よりも早いです。

ルクルーゼで炊いたご飯は、お米の粒がしっかり立った、ふっくらとした炊き上がりになります。

ルクルーゼで炊いたご飯は、粒立ちが良く、香りも味もいい。

味の評価は、率直に言えばルクルーゼに軍配(そもそもいろいろ比較して辿り着いた、車中泊でおいしくご飯を炊く方法ですから)。

サンコー車載用炊飯器のご飯は、米の粒立ち・テカリ・風味のすべてで、ルクルーゼには及びません。

ただし、ルクルーゼは重く、車内収納でかさばるという欠点も。サンコー車載用炊飯器は本体重量817g、収納ポーチに一式まとまるコンパクトさで、収納性・手軽さでは圧勝です。

また、ルクルーゼ(筆者が使っているのは小型の14cmモデル・最大2合炊きまで)は高価。コストパフォーマンスもサンコー車載用炊飯器に軍配が上がります。

どちらが優れているというより、「味を取るか、手軽さを取るか」の選択になるでしょう。

収納時は、計量カップ、電源コードを内鍋の中に入れてコンパクトにできる。

【結論】サンコー車載用炊飯器は“買い”か?

筆者の結論はこうです。

「使い勝手はめちゃめちゃいい。ただし、味にこだわるなら別の選択肢を」

シガーソケットに挿してスイッチを押すだけで、車内で炊きたてのご飯が食べられる手軽さは、唯一無二の体験です。火を使わないので車内での安全性も高く、収納サイズも申し分ありません。

一方で、味の良さを求めるなら、別の調理器具のほうが満足度は高いでしょう。

こんな人にはおすすめ

ソロ車中泊・キャンプで手軽にご飯を炊きたい人、荷物を最小限にまとめたい人、味は二の次で「車内で炊きたて」という体験そのものを楽しみたい人にとっては、4,000円台で買える価値あるガジェットです。

こんな人にはおすすめしない

米の粒立ちや風味にこだわるタイプの人、複数泊で食器洗いの手間が気になる人、そして「走行中に炊きたい」と思っている人(取扱説明書上、不可)には、ほかの選択肢を検討したほうが満足度は高いでしょう。

    サンコー 車載用12V弁当箱炊飯器 TKLUN21W

    【動画】3回検証の全工程はこちらから

    動画では、開封から3回の炊飯検証、ルクルーゼとの比較まで、すべての工程をノーカットでお届けしています。
    炊き上がりの実物の様子や、車内での使い勝手は、ぜひ動画でもご確認ください!

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