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田中ケン氏連載企画:アウトドアで人生が変わった『僕のターニングポイント・イベントという仕事編』(2ページ目)

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当日、住宅展示場がOPENする前に現地入り。早速、準備に入る。自分の考えるアウトドアスタイル、キャンプスタイルを表現した。新聞の折り込み広告を確認すると「快適生活研究家田中ケン氏、来る。アウトドアクッキングデモ!」写真付きで書いてある。ここまでは完璧だった。

少しの緊張と楽しみを持って時間を待った。30分前、お客さんが一人もいない。15分前、まだ誰もいない。5分前、やっと1人。さぁ、スタート!お客さんはたったの3人だった。恥ずかしかった。悲しかった。でもいただいた仕事、一生懸命やった。2回目も同じような人数だった。しかし、人数が少なかったことで、お客様とまさにマンツーマンのように話ができた。自分が考えるアウトドアのスタイル、テクニックなどについて話しができ、伝えることができた。人数の少ないこのような仕事ほどつらいものはない。が、何かこのようなお客様と話しができるイベントという仕事に楽しさを感じた瞬間だった。

時はキャンプ低迷期。自分が信じた道の先には・・・

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今でこそアウトドアがブームのようになり、様々な場所で様々な形態のアウトドアイベント、雑誌、テレビ、WEB、などなど目にしないことがないほどだが、アウトドアが仕事になった今から20年ほど前は、キャンプはまさに低迷期だった。僕の仕事もなかなかきつかった。雑誌社やテレビ局、その他の業界関係者にいろいろな提案をしても相手にしてくれることがなかった。手を変え品を変え、提案し続けるがどこも相手にしてくれることがない。

途方に暮れているときにある会社からイベントを一緒にやりませんか、という誘いがあった。僕は2つ返事でこの誘いを承諾し、イベント実施に向け動き出した。ただこの時期、キャンプは低迷期。どうするか?そこでひらめいたのが犬と一緒のキャンプイベントだった。このころ、ちょうどレトリバー系の犬が流行っていた。しかし今でこそ、犬と一緒に泊まれるホテルやカフェ、レストランがあるがその時はまだ皆無だった。飼い主は愛犬をどうするか悩んでいるときだ。完璧な企画だ!僕は裏付けのない自信に溢れていた。犬とのアウトドアイベント“OPEN AIR FESTA!!”がスタートした。

最初に選んだキャンプ場は福島にある大きなキャンプ場、サイト数は100以上。ここを貸し切ったのだ。目の前には人造湖もありカヌーが楽しめる。湖の周辺にはトレイルもあるので自然の中で散歩もできる。キャンプビギナーの方のためにコールマンさんにギアをお借りしてキャンプスクールも企画した。夜には自慢のアウトドアクッキングを披露し、パーティ!完璧な内容だった。100組のお客様と犬たちが集まる。かなりの迫力になるはずだ。そう思って当日を迎えた。なんとお客様は20組とちょっと・・・大失敗だった。

まだキャンプは早かったのかな・・・そんな反省をもとにキャンプではなくてディキャンプにすることにしてイベントを続けた。2回目は埼玉の公園の一部を貸切、ある出版社と組んで開催にこぎつけた。なんと400人のお客様と200匹以上の犬たち。大成功だった。すごい迫力だった。涙が出るほどうれしかった。こうして1年で数回のディキャンプイベントを実施し、満を持して泊まりのキャンプイベントをもう一度開催した。もちろん、1回目に開催したキャンプ場を借り切った。結果は30と数組。まだまだキャンプが低迷期であることを痛感した。それでも“OPEN AIR FESTA!!”は約10年間やらせていただき、最終的には泊まりのイベントでも毎回200人弱のお客様が参加してくれるまでに成長した。何よりもこのイベントのおかげで今僕がやらせていただいている北軽井沢のキャンプ場“outsideBASE”に出会ったきっかけであるのだから、やってよかったと今でも感謝している。

ついにやりたいことが現実に!outsideTOUR・TOKYO outside Festivalという2つのカタチ

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飽きっぽい性格の僕は次のことに動き出した。お祭りではない、お客様との距離をもっとなくし、もっとアウトドアを楽しめるイベントをやりたい。そう思って立ち上げたのが今でもやらせていただいている“outsideTOUR”だ。トレッキングやカナディアンカヌー、ロッククライミングやカヤックで川下りなどを楽しんでもらいみんなでキャンプを楽しむ。そう、必ずキャンプをしてもらうのだ。食事は僕たちスタッフが用意する。食事を作る時間などの手間を省き、思いっきりアウトドアを楽しんでもらう。アクティビティ&キャンプが基本だ。それとは別にキャンプビギナー向けにキャンプスクールも開催している。

こんなに楽しいアウトドア、キャンプを何でやらないのだろう?チャンスがなかったり、不安だったりではじめの1歩を踏み出せない人たちに、少しでもアウトドア、キャンプの楽しさを伝えられたらと思う。このoutsideTOURは今では年に10回、開催させていただいている。

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