メディアを通して終わり、これに”?”が点った
アウトドアを仕事にするようになって20年以上の月日が経過した。もともとモデルあがりの僕は(今更こんな話をするのは恥ずかしいが、以前はモデルとしてファッション雑誌や広告物などスチールの仕事を中心に活動していた)、雑誌などの媒体で自分のスタイルのアウトドアを表現していた。そこから少しずつテレビやラジオなどの仕事、最近ではWEBでの仕事など様々な媒体で仕事をさせていただいている。
こういった媒体の場合、自分のスタイルや考え方を発表はできるのだが、どうしても一方通行になってしまう。人の意見を聞くこともなく(まぁ、かなりいろいろ言われることはあるのだが)、まさに自己欲求の実現である。一方的に発表してそれで終わり!この感覚に”?”がつき始め、リアルな体験を通してお客様と結びつきたいなと思ったのが今からちょうど20年ぐらい前。
そんなタイミングでアウトドアクッキングのデモンストレーションの仕事が入ってきた。住宅展示場のイベントスペースでの催しだ。自分のスタイルのキャンプシーンを展開し、その前でアウトドアクッキングをデモンストレーションし、試食してもらうという言ってみればベタな内容だ。確か1日2回のプログラムだったはずだ。初めてこのようなお客様を前にしてのイベント。与えられる時間は1回30分。僕は数日前からイベントの準備をし、自分なりに30分の構成や料理のレシピなどを考えた。完璧だった。いや完璧だった筈だった。