スノーピーク新構想のプロジェクト発表
「こどもピーク」とは


スノーピーク(Snow Peak)が新プロジェクト「こどもピーク」を記者会見で発表。2026年3月9日より始動します。

「こどもピーク」は、子どもの「やってみたい!」を大切にし、自然のなかの経験(野遊び)を通じて、子どもの“生きる力”を育むプロジェクト。
一例ですが、主な内容は次の3つです。
・キッズ向けキャンプイベント
・外部パートナーとのキッズプログラム
・子ども向け商品や体験の開発

自然の中で遊び、挑戦し、ときに失敗する。そうした体験を重ねることで、子どもの感性や主体性が育まれるとスノーピークは考え、プロジェクトを発足させました。

同社はこれまでもキャンプの力を提唱してきましたが、その価値を子ども世代や親子へ広げていく取り組みが、この「こどもピーク」です。
新しい“W社長体制”のもとで始動

写真 左「山井太氏」右「水口貴文氏」
また今回の会見は、スノーピークの新たな経営体制のもとで発表されたプロジェクトでもあります。
山井太会長と、スターバックスコーヒージャパン元CEOの水口貴文社長によるいわゆる“W取締役体制”のなかで発表された、最初の新プロジェクトでもあります。
これまで培ってきたキャンプ事業をベースに、子ども世代や親子へと野遊びの体験を広げていく、新たな取り組みとして打ち出されました。


なお、会見では新体制後の業績についても触れられ、グローバル売上高は241億円、前年同期比で35億円増を達成。
事業としても成長を続けるなかで、次の世代へ野遊びの価値を広げていくプロジェクトとして「こどもピーク」が発表されました。
「こどもピーク」3つの取り組み
「こどもピーク」では主に3つの取り組みが予定されています。
キッズ向けキャンプイベント

まずは、キッズ向けキャンプイベントの開催です。
子どもたちが自然の中で体験を重ねながら、野遊びの楽しさを学べる機会を提供していくとしています。
外部パートナーとのキッズプログラム

2つ目は、外部パートナーと連携したキッズプログラムの展開です。
子ども向け自然体験プログラム「野遊びアカデミー」を運営する一般社団法人・野遊びリーグと連携し、同団体が企画するカリキュラムをスノーピークのイベント「Snow Peak Way」でトライアル実施する予定となっています。
子ども向け商品や体験の開発

そして3つ目が、子どもたちが自然の中で過ごす時間をより楽しめる商品や体験の開発です。
親子で使えるキャンプギアや、子どもが自然と関わるきっかけになる商品、体験の開発も進めていく予定としています。
なぜ今「子ども」に着目?

今回のプロジェクトの背景として語られたのが、社会の急速なデジタル化です。
デジタルネイティブ世代の子どもたちが増え、リアルな体験をほとんど経験しないまま大人になってしまう可能性がある、という課題意識が語られました。

水口氏は、キャンプは五感を使う「究極のリアル体験」であり、人間らしく育つために特別な力を与えてくれるものだと説明。
AI時代だからこそ、キャンプというリアル体験の価値は、これまで以上に重要になってくるという考えを示しました。

山井氏は、実際にフィールド(キャンプ場)で出会う子どもたちは、非常に生き生きとしていると説明。
親の中には「キャンプ場で初めて子どもの本来の姿を見た」と語る人もいると話していました。

会見では、キャンプを通じて子どもが育まれる力として
・共感力
・創造力
・行動力
の3つが紹介されました。

焚き火を囲んだり、同じ景色を共有したり、そのために協力して設営撤収を行ったりすることで、仲間を思いやる感覚が生まれることが「共感力」。

AIの普及で社会の生産性は高まる一方、何を生み出すかは人間の創造に委ねられる。遊びを自ら生み出し工夫する体験から育まれるのが「創造力」。

天候や環境が変化する自然の中で、自分で考え決断する経験。屋根の下では起こらない自然の変化を、その場で判断し行動する力が「行動力」です。
こうした力は、社会の急速なデジタル化のなかで、人間が持つべき重要な能力になると説明されています。

また、日本のキャンプ人口は約6%とされており、韓国の約10%と比べてもまだ広がる余地があるとも紹介されました。
こうした背景から、キャンプを入口に子ども世代へ自然体験を広げていく取り組みとして「こどもピーク」が立ち上げられています。
パートナーにイモトアヤコさんが就任

プロジェクトパートナーには、タレントのイモトアヤコさんが就任しました。
世界中の自然環境でのロケ経験を持つイモトさんは、アウトドアと深く関わってきた人物でもあります。

これまで、自然に対しては「危険」「過酷」といった印象を持つことも多かったそうですが、子どもが生まれてから価値観が変化。
現在は母として、自然を「愛でるもの」として、子どもと向き合う時間の大切さを感じていると語りました。

会見では、自然の中には「小さな成功体験」が多くあるともコメント。
強風のピクニックでシートがめくれた際、子どもが自ら石を探して、重しにしたというエピソードを紹介し、自然の中で子どもの主体性が育つ瞬間を語りました。

また、4歳の息子とデイキャンプをした際の写真を交え、「私は自然豊かな鳥取県育ちですが、うちの子はシティーボーイ。アリ1匹で泣くんです」と、さすがの芸人トークで会見を盛り上げつつ、子どもの成長を期待するエピソードも披露しました。
実は“快適な”キャンプは初心者

小ネタですが、世界中のジャングルや雪山でテント泊を繰り返してきたイモトアヤコさん。
実は「快適なキャンプ」は最近までほとんど経験がなかったそうです。
山岳テントの設営はお手の物でも、オートキャンプ向けテントの設営はほぼ初心者。

出典:スノーピーク
イモトさんは数年前、完全プライベートでスノーピーク二子玉川店を訪れ、スタッフから「アメニティドーム」の設営方法を丁寧に教わった、というエピソードも語っていました。
今後の展開にも注目

「こどもピーク」は、イベント、教育プログラム、商品開発など、さまざまな形で展開されていくプロジェクトです。
スノーピークがこれまで提唱してきた「野遊び」の価値を、子ども世代や家族へどう広げていくのか。今回の取り組みは、その方向性を示す新しい試みの一つと言えるかもしれません。
今後、どのような商品や体験がスノーピークから生まれていくのか、引き続き注目していきたいところです。




