「Fire Beast2」って一体ナニモノ?!
クールなギミックで超コンパクト

*画像左側が収納時、右側が展開時
まずはやはり、独特の近未来感を醸し出すギミックからチェック!
右側が展開時の状態ですが、天面には3本のゴトクパーツ、底面にも3本の脚パーツがお目見え。
これらは全て、側面の黒いパネル下に格納されており、引き出すだけで展開できる仕組みです。

収納時のサイズは105×105×162mmと片手で握りこめるレベル。付属ケースにすっぽり入ってこのサイズ感です。 展開時も、168×134×196mmとやはりコンパクト。

焚火台の定番ユニフレーム「ファイアグリル」に乗せると小ささが際立ちます。重さも約600gしかなく、500mlペットボトル飲料程度なので、携行性も高いですね。
燃焼中も持てる? タフな三層構造

材質はステンレス鋼の三重構造という頑丈な作り。しかも、熱が外側まで伝わらず、燃焼中でも手で触ったり、持ち上げて移動させたりできるそう!
外側はススなども汚れも付着しにくいようで、これはかなり使い勝手が良さそうですよ。
やはり「ロケットストーブ」らしい!

そして最も気になるのが、一般的なタイプとは異なり、下部に薪の投入口がない点です。
薪の投入口はあくまで上からなのですが、よく見ると下部には吸気口が備わり、小さいながらもボディは細長い筒状。
なので、下から酸素を吸い上げる流れが発生し、「煙突効果」が得られるようなんです。

公式ページの画像を見ても、まさにロケットが飛び立つような炎がしっかり発生。
つまり燃焼効率も高く、燃料も薪だけでなく落ちている小枝やペレットでOK、かつ着火もスムーズと、初心者にも使いやすそうな手軽さです。
このコンパクトさで巨大な炎と、うまくいけば二次燃焼も見られる……となると、俄然楽しみになってきました!

さらに、ロケットストーブ並に強力な火力なら、調理にも強い味方となるハズ。炒め物など旨くなるのは必然で、上部のゴトクもそのために便利な印象です。
ただし、サイズ的にマッチするクッカーなどは要検証で、安定感なども気になります。
実際にキャンプ場で炎を噴かせる!

というわけで使い勝手を確認するため、「Fire Beast2」をキャンプ場に持ち込んでみました! まずは着火から使い勝手まで調べてみます。
10秒展開ギミックがロマン!

*動画は2倍速
まずは組み立て。見れば分かるレベルの簡単な構造で10秒かかりません。
最初は、黒いパネル内の上部から、3本のゴトクをクルリと270度回すように引き出し、これ以上回らないところまで持って行きます。

*動画は2倍速
3本の脚パーツも同じように270度クルリ、カチッカチッ、とやっていく作業は楽しいの一言。
トランスフォーマー的なロマンすら感じさせ、意味もなく何度かやってみたくなっちゃいます。
着火はしやすさはどうか…?

着火はスウェーデンマッチ社製「ファイヤーライターズ」を使ってみます。「Fire Beast2」が噂通りの着火性能なら、コレ1本あればいけるかな? と。
そして、燃料には現地で拾い集めた小枝を使ってみます……が、

ちょっと量的に心許ない懸念があり、転ばぬ先の杖でこんな小割薪も1箱購入しておきました。拾った小枝が燃え尽きたら、こちらに切り替えていけばいいですね。

なお、長さ40cm程度のごく一般的な薪と「Fire Beast2」とのサイズ差はこんな感じ。
これでも、かなり細めに割られた針葉樹なんですが、「割る」というより「折る」か「切る」をして、短くする作業が必須。なので、今回は先の小枝と小割り薪のみで検証します。

では気を取り直し、まずは、火のついた「ファイヤーライターズ」を1本投げ込み、そこに小枝を挿しこんでいくと……

わずか1分経たず、びっくりするぐらい簡単に火が大きくなりました!
どんなに適当に薪を入れても火種の真上に薪が来るうえ、下からの空気流入もスムーズに行われるので、太すぎる薪を無理に詰めたりしない限り、誰でも簡単に焚火が楽しめる感じです。
さらによーく目を凝らすと、二次燃焼的な炎の出方(炎が旋回)をしているのがわかります。火力、これは強いですよ!
卓上サイズでここまで手軽に、二次燃焼の美しい炎が楽しめるって画期的ですよね。
炎の高さは

さて、「野獣のような」炎の高さなのですが、実際はこんな感じ。そこまでの圧倒感はありませんでした。
ただ、この日は4m/s程度の風があり、その影響も大きい気がします。風がない日で、ペレットなど燃焼効率の高い燃料なら、もっと高い炎が見られるかもしれませんね。
けれど、卓上でサクッとならこれくらいが安心だし、自宅のテラスや屋上などでもシームレスに使えそうです。
本体の熱さはどうか?

三層ステンレス構造による断熱性も確認してみましょう。
温度計を差し入れてみると、本体下部の空気温度は36℃ほどと、かなり低い! 本当に卓上でも安心して使えますね!

ならば、と、おそるおそる側面の黒いパネル部分を持ってみます。
それなりに熱を感じますが、持てないほどではない感じ。本体をちょっと移動するくらいは問題なさそう。
※なお、今回は実験の意図で素手ですが、安全のために必ず耐火グローブなど着用しましょう。
完全燃焼するから灰も少ない!

2~3時間使用後がコチラ。灰が全然残らないことに驚きます!
燃焼効率がよく完全に燃え尽きるためですが、本体もコンパクトだし後始末がラクですね〜。
大掛かりな焚き火台や薪を準備する時間がない、手軽にサクッと焚き火を楽しみたいといったニーズには、めちゃめちゃフィットする気がします!
