手持ちのエアマットに装着してみる

というわけで、今回サーマレスト製のエアマットが用意できなかったので、まずは編集部からお借りした、MOBI GARDEN 「エアーマット」に装着してみます!
1|ゆるめの空気量で膨らませる

まずはマットに空気を入れます。このとき、めいいっぱいパンパンに入れてしまうと、折り曲げや装着に苦労するようなので、8割程度を目安に注入します。
なお、後の工程で空気が多すぎると思ったら、そこで抜いても問題はありませんでした。なので、この辺は適当で大丈夫そう。
2|マットを挿しこみ高さ調整

お次はいよいよ、左右と中央の合計3か所のバックルを外し、「トレッカーチェア」の枠内にマットを挿しこんでいきます。
上下どちらから挿しこんでもOKですが、このとき、頭側の出方をチェック。この出し具合で背もたれの高さが決まるので、適度な高さに調整します。
3|座面部分を2つ折りにする

続いて、座面となる側も挿しこんでいきます。ここでは背もたれ、座面表、座面裏の3面を完全に均等な長さにしていますが、もっと背もたれ側が短くてもいいかもしれません。

続いて、飛び出した座面部を裏側へ折り返し、「トレッカーチェア」の枠内へグッと引っ張り入れます。
これで、チェアとしての体裁が整うだけでなく、座面に二重の厚みが出てくるわけですね。

ちなみにこちらの画像は、届いてすぐに試したとき。座面部分を2つ折りで嵌め込むことに気付かず、1枚ペラっと嵌めた失敗例です。すっごいハイバックチェアが爆誕……。
これはこれで普通に使えて快適ではあったのですが、ソロテントだと天井につかえて使いにくそうです。
4|バックル3か所を留めて完成!

バックルは中折れ部分のベルトに1か所、左右のテンションベルトに1か所ずつ、合計3か所を接続します。
まずは中折れ部分。ここがいわゆる腰の「谷折り線」になります。

最後に左右のバックルをロックし、テープを左右均等の長さにします。このテープのテンションで体重と背もたれを支える感じになります。
なので、最初はキツめに90°を少し割り込むぐらいにしておき、実際に座って、体重をかけながら伸ばしていくのが具合がよさそうです。

全部しっかり止めると、ハイ、ご覧の通り座椅子の形に完成!
やり方に複雑なところは一切ないし、ムチャなようで割とすんなり形になります。なので、分かっていれば所要時間は2~3分というところです。
サーマレスト トレッカーチェア
| サイズ | 51cm幅 |
|---|---|
| 収納サイズ | 50×10×10㎝ |
| 重量 | 290g |
| 材質 | 生地:75Dリップストップポリエステル ステー:グラスファイバー |
いざ! 実際に座ってみるぞ!

で、座ってみます。
見てください、このラグジュアリー感! 筆者のワガママボディーでも余裕たっぷりで、ちょっとキャンプで見ない雰囲気がしますよね。
エアマット特有の柔らかさが心地よく、座り心地はハッキリ言って「どんな高級アウトドアチェアより良い」です! 安定感も高く、ぐらつくような感じはまるでありません。

とても兼用ギアとは思えぬ、唯一無二の快適さというか……。いや、ちょっと想像以上です。
背もたれの柔らかさもありますが、二重に折り返した山の部分も膝裏に優しいですし、高さもそれなりにあり、これでキャンプしたいぜ! と率直に感じました。

改めて出来上がった形を見てみるとそれも納得、空気の入り方がしっかりしており、まるでソファですね。
インフレーター式や従来の厚みのない座椅子と比べても一目瞭然の高級感です(高級品ではないんですが)。
テント内での使い心地は…?

実際にソロテント(DOD「ワンタッチテント」)内にレイアウトするとこんな感じに。
チェアとマットが1つで兼用できるので、スッキリ広々と使えるのが最高ですね。意外と狭い? いえいえ、普通のソロテントは「マットを敷いて終わり」なんですよ!
徒歩キャンプでUL装備となると、幕内でチェアに座るなんて贅沢過ぎるのですが、コレなら全然嵩張らないのにテント内でゆったりとくつろげます。
屋外でも使用できそう?

左はDODの「タキビチェア」。ソロ用ローチェアの実力派ですが、見てください。「トレッカーチェア」装着時のエアマットと、座面の高さが変わらない!
パンク防止でシートを敷く、焚火に気を付けるなどの課題はあるものの、座面高的には屋外用としても全然使えそうですね。

屋外で座るとこんな感じ。文字通り、キャンプ王の玉座です。
ただ、ソファに感覚が近いため、立つのが少々億劫になるのと、手を伸ばしたりの作業もややしんどくなる気はします。
まあ、王ですからね。自ら動かずとも…‥って、ソロキャンプではそうもいきませんね。
他のマットでも使えるのか? 実験!

想像以上にいい感じの「トレッカーチェア」。他のマットでも使えるのか? 座り心地は?
デカトロンのエアマットでは?

まずはは筆者手持ちの、デカトロン「FORCLAZ エアーマットレス Trek 700 – 52CM」という、いわゆる登山向けマット。
細かい折り目がついており、自然と丸まってしまうエアマットですが、バックルで固定さえしてしまえば問題なく座れました!
結論、横幅さえ合うエアマットなら何でも大丈夫そうです!
ウレタンマットもイケる…?

その後、編集部から「サーマレストのお高いマットをお送りしました!」と、鼻息の荒い連絡を頂いたのですが……。
オイ! ウレタンマットじゃねえか! というわけで、サーマレスト「クローズドセルマット」でも試してみましたよ。
見た目的にはいわゆるアウトドア座椅子そのもの。

こんな薄い折り目だらけのマットでも、座ること自体は問題ありません。座り心地もアウトドア座椅子そのもの。よって快適性も何もないですが……ともかく座れます。
あくまでも「座る」という前提で言うと、フレームとバックルで体重を分散して受け止めてくれるので、形状さえ合えば、もはや段ボールでもいけるような気がします。
気になることもなくはない
穴が空いたら一巻の終わり

兼用系だけに、「マットに穴が空く=チェアとマットを失う」ですから、穴が空くことは何としてでも避けたいですね。焚火には特に注意が必要ですが、地面の石などにも気をつけましょう。
また就寝時に体を乗せる部分が、底面として地面に接するので、そういう意味でも地面のコンディションが悪いところでは使わないよう注意が必要です。
サーマレスト トレッカーチェア
| サイズ | 51cm幅 |
|---|---|
| 収納サイズ | 50×10×10㎝ |
| 重量 | 290g |
| 材質 | 生地:75Dリップストップポリエステル ステー:グラスファイバー |
想像の斜め上いく快適度。果たして実戦投入はありか?

筆者もいろいろなキャンプチェアを試したのですが、今回「トレッカーチェア」をエアマットに嵌めたものを使ってみて、「今までのチェアは何だったのか」と思うような快適さに、正直言葉を失いました。
立ちにくい等の問題はあるものの、座り心地だけなら群を抜いており、しかも安定感もあるのです。これを使ってソロキャンプしたいという欲求が猛烈にあるのですが、果たして一日持つのか? 等々心配もあります。
それでも使いたい欲求が上回りそうな、そんな斜め上のレビュー結果のギアでした。
