ネストアウト「PUMP-1」はこんなギアだ!
専用バッテリー設計

まず左側がネストアウトシリーズの中核となる「専用モバイルバッテリー」です。画像の5,000mAhのほか、1,0000・15,000mAhの3種がラインナップ。
そして右側のタンカラーのパーツが期待の新作「PUMP-1」。これ単体では機能せず、バッテリーを装着して稼働する専用設計のオプションとなります。

バッテリーにはUSB Type-Cのメス側、「PUMP-1」にはオス側(コネクタ)が備わっていて、ネジ式のアダプターで固定して使用します。

この仕様はオプションの扇風機「FAN-1」やLEDライト「LAMP-1」なども同じ。1つのモバイルバッテリーを各ギアで兼用できるので、その分装備が減って実に効率的なシステムなんです。
特にエアポンプは、キャンプではマットを膨らませる以外にそこまでマストな使い道がなく、画期的ですよね。
NESTOUT モバイルバッテリー
| 電池定格容量 | 3.6V/5000mAh 18.0Wh |
|---|---|
| 充電時間 | 約2時間 |
| 重量 | 約140g |
だから本体はこんな小ささ!

バッテリーが外付けな分、「PUMP-1」本体は約幅46×奥行64×高さ44mmと超コンパクト。

筆者が主にファミリーキャンプのときに使用しているエアベッド付属のポンプと比べると、ご覧の通り雲泥の差。
バッテリー内蔵型のギアって便利なようで、数が増えると当然その分重いし嵩張るんですよね。
先にも触れましたが、エアポンプの使い道ってかなり限定的。そのためだけに電動ポンプを持参するのをすごくムダに感じていた筆者にとっては、大きなメリット。
大風量!なのにめちゃ静か

しかも、この小ささで最大風量は約160L/minというハイパワー。操作系も実にシンプルで、スライド式スイッチの「0」がON/OFF、風量は「1」と「2」で2段階の調整が可能です。
さらに特筆すべきなのが、専用設計のブラシレスモーターにより、高い静音性を実現している点。弾丸キャンプで夜INのときなどにも使える静かさなのか、期待したいところ。
8ノズルで300種のマットに対応

8種類のノズルのほか、逆止弁付き注入口にも対応する「空気入れ補助パーツ」まで付属しており、対応するエアマットも300種と豊富。

本体の天面側にノズル、ボディ裏側にバッテリーを装着し、こんな状態で使います。
ちょうどバッテリー部分がハンドルとしても機能する設計で、とことんムダ無し。組み合わせると無骨さも増し増しで、所有欲をも満たされますね……。
コンパクトに持ち運べる

そしてこのノズルがまた、かゆいところに手が届く、実にホスピタリティの高い仕様なんです。
6種のノズルに1〜6までナンバリングされており、取扱説明書の一覧表と照らし合わせば、どのタイプの注入口にどのノズルを使えばいいのか一目瞭然。
しかも、下から番号順に重ねれば、隙間なくスタッキングできるのが賢い! 細口ノズル2種と「空気入れ補助パーツ」もこの中にスポッと収まります。

付属の収納袋に入れれば、本体と合わせてもこんなにコンパクトに持ち運べてしまいます。
ブロワーパーツで火おこしもOK

そ・し・て! エアポンプ「PUMP-1」の機能をさらに拡張するのが「ファイヤーブロワー」。
バッテリーを熱から保護する「ヒートシールド」、伸縮式の「ファイヤーブロワー(火吹き棒)」部、「PUMP-1」と連結するアタッチメント部の3パーツで構成されます。


この「ファイヤーブロワー」は現在、単体での販売はなく、「PUMP-1」に付属するセットのみとなります。
セット内容は、バッテリーサイズに合わせて使い分けられる2サイズの「ヒートシールド」・「ファイヤーブロワー」以外は「PUMP-1」に同じ。
シールドの付け替えは、差し込み式のネジで簡単に行えます。
NESTOUT PUMP-1
| 最大静圧 | 約3.0kPa |
|---|---|
| 最大風量 | 約160L/min |
| 質量 | 約84g |
まずはマットに空気を入れてみた!
ニーモのエアマットで試す

いよいよキャンプで使ってみます! まずは王道のエアマットからトライ。今回使用したのは、筆者手持ちのニーモ「テンサー インシュレーテッド ミディアムマミー」。

ちなみに、普段は付属のエアバッグを使って手動で空気を入れています。
ですが、これだと時間がかかるだけでなく、エアバッグに自分の呼気を吹き込むため、マット内部にも湿気が生じてカビ発生のリスクが。
*動画は4倍速で再生しています
それではいよいよ、「PUMP-1」で空気を注入! 吸入口のバルブにセットしたら、スイッチON。ずっと持っている必要もなくハンズフリーでほったらかせるのが楽ちんです。
ものの18秒ほどでパツッと膨らんでしまいました!
空気入れに割く時間が短縮できるだけでなく、呼気を入れずに済むのもメリットですね。
音はどれくらい静かなんだろう?
筆者所有のポンプ
PUMP-1
そして、気になる静音性もチェック!
公式ページや取扱説明書には何dB(騒音を表す単位)という具体的な記載はなかったものの、筆者手持ちのエアポンプと比べたら、圧倒的に静かなのが分かります。
特に、ゴーッという低音域の轟音が極端に少なく、これは使えるシーンが広がりますね。
排出もOKで撤収も素早く!

ノズルを底部へ付け替えれば、空気の排出も自動でOK! マット撤収時も時短できて、地味に便利です。
ファイヤーブロワーも試してみたぞ
焚き火の火おこしに使ってみる

お次は、「ファイヤーブロワー」も実際に使ってみます! 焚き火台はTOKYO CRAFTS「マクライト」、薪は火持ちがイイけど着火には少々時間のかかる広葉樹を使用。
下の方の薪に、トーチで少し着火したら、「ファイヤーブロワー」で大きな炎へと育てるのですが……、
結果はご覧の通り。見事に火おこし成功しました! 湿気た薪に手こずり、酸欠でクラクラするようなことも無くなりますね。
手だけ動かせばイイのが最高すぎる!

そして、火吹き棒部分の長さは218〜705mmまで伸縮。筆者手持ちのダイソーの伸縮式火吹き棒より、さらに10cmほど長く伸ばせます。
長さによる利便性の差はそこまでないように思われるのですが……。
一般的な火吹き棒の場合

ファイヤーブロワーの場合

両者の体勢の違いをご覧ください! 特に、積み重なった薪の下の方を吹きたい場合の差がスゴかった……!
一般的な火吹き棒では、当然顔ごと下げる必要があり、腰痛持ちの筆者には特にキツい体勢に。
「ファイヤーブロワー」だと手だけ下げればいいので、ほぼ椅子に座ったままで完結。湿気た薪で煙が多いときなんかも、顔に煙を浴びずに済みますね。
静かだから夜でも使いやすい

そして今回、「ファイヤーブロワー」でも痛感したのが、暗くなってからのキャンプ場での使用もそこまで気にならない音量だったこと。
あくまでクワイエットタイム前だったため、周囲の話し声や生活音にほぼかき消されていました。
隣接サイトとの距離やキャンプ場のロケーション・ポリシーなどにもよりますが、この静かさは大きな魅力だと思いました。
気になったのはこんなところ
空気入れ補助パーツを失くしそう

効率的かつ高機能な「PUMP-1」なんですが、1つ気になったのが「空気入れ補助パーツ」の存在です。
逆止弁付きのバルブにはコレが不可欠というかなり重要なアイテムなんですが、シリコン製でわずか3cmほどの極小パーツ。
このパーツだけは2個付属していることからも推測できますが、すぐに失くしてしまいそうで……。三角形の穴部分にループを付けるなど紛失しない工夫が必要だと感じました。
どうしてもシールドが嵩張る

そして「ファイヤーブロワー」も同じく秀逸なオプションギアだったのですが、やはり1点気になったのが「ヒートシールド」の存在です。
火吹き棒とアタッチメント部分のみならそこまで嵩張らないんですが、こうしてシンプルな火吹き棒と並べると、パンツの後ろポケットなどにサッと仕舞えるサイズ感ではないんですよね。

椅子に座ったまま、手だけ動かせば火吹きができてしまうのは非常にラクなんですが……。
「気が付けば今にも炎が消えそう、大急ぎで火吹きしなきゃ!」なんてときには、やっぱりポケットからサっと取り出せるシンプルさが重宝します。
なので、時間がかかりそうな火吹きには「ファイヤーブロワー」、ちょこちょこ面倒見るときはいつもの火吹き棒、と使い分けるのが最適なのかな、と。
NESTOUT PUMP-1
| 最大静圧 | 約3.0kPa |
|---|---|
| 最大風量 | 約160L/min |
| 質量 | 約84g |
所有欲も効率性も満たすハイブリッドギア!

複数ギアでバッテリーを兼用できる効率性の高さと、バッテリーを構成パーツの一部に取り込んだ高いデザイン性とが人気のNESTOUTシリーズ。
今回の新作「PUMP-1」は、エアマットの設営時のみなど、特に使用用途が限定的な電動エアポンプを、「ファイヤーブロワー」としても兼用できる、実に拡張性の高いギアでした。
さらに、両者を合体したときの最終形態は、所有欲をも十二分に満たしてくれるカッコよさで、間違いなく手に入れて悔いはないアイテムです!




