ボクたちの「焚き火台論」。焚き火論じゃなくて焚き火“台”論ね。
アウトドアライター&日本オートキャンプ協会公認インストラクターSAMと、元アウトドア雑誌編集長で現在イベント「アウトドアデイジャパン」実行委員長・沖田雅生の2人による連載がスタート!
2人ならでは、そして2人だからこそ知るキャンプの意外な楽しみ方や裏話・裏技、俺流儀など、キャンプの裏(?)をあれこれを語りまくります!第1回は、これからの季節が楽しい焚き火の相棒「焚き火台」をテーマに語る前編です。
「焚き火台」は日本のオートキャンプシーンを確立させた
SAMさん(以下SAM):これからの季節のキャンプと言えば焚き火。私的にはそもそも「焚き火台」って何なのかを話したかったりします。
沖田雅生さん(以下oki):ただ単に焚き火台の紹介じゃなくて、焚き火台とはなんなのかと。
90年代初頭までは直火の焚き火でしたよね。ボク、80年代は絶好調で直焚き火してました。今で言う焚き火台のようなものが、一斗缶やドラム缶。
SAM:私は焚き火台からスタートしました。80~90年代当時のオートキャンプ場の三種の神器は「芝生・水洗トイレ・電源」(笑)。芝生のサイトがスタンダードだったので、当然、焚き火台が必要でした。
そもそも焚き火台は地面=地球へのインパクトの回避から作り出されたと言われていますよね。
oki:地球へのインパクトも確かにあるけど、90年代はオートキャンプ場が増えて、単にサイトの地面が汚れるのがいやだったんじゃない?(笑) あと実際に直火だと危ないからかな。
SAM:芝が焼けたら再生できないですしね。だから「ビリ」と言われる小砂利を敷き詰めたところなんかは「直火OK」を謳ったりしましたね。
SAM:今、オートキャンプ場志向から、車を乗り入れないキャンプ場志向にも戻っている傾向もあるので、区画の「芝」よりも「土」の機会も多いでしょうから、直火のチャンスも増えるような気がします。
oki:地面に影響を与えない、汚したくない、でも焚き火のないキャンプなんてありえない!というところからの製品開発。となると焚き火台は、日本のオートキャンプシーンを確立させた大事なアイテム、なんですかね。
SAM:それまでは日本のキャンプスタイルにおいては焚き火とキャンプファイアがごっちゃで、パーソナルな焚き火というのはめずらしい行為でした。
なので「焚き火」がはっきりしてきたのは、「焚き火台」の功績ですね。