スイッチON!すると…
予想以上に冷たい風が背中を駆け巡る!

それではいよいよ電源を入れて、空調服を初体験! すると……電源を入れた途端、ベストの中にブワッと空気が満たされて上半身はパンパンに。
扇風機のような生ぬるい風ではなく、冷風が身体に直接当たってスースーする感覚に、いきなり驚かされました。これは思っていた以上に効果絶大!
風量は4段階で切り替え可能

電源ボタンを長押しでON。使用時は電源ボタンを押すごとに、4段階のパワー切り替えが可能になっています。
・風量90L/秒(19V、連続稼働時間〈19V/1時間+13V/約5時間〉)※1時間の使用で自動的に13Vに切り替わり平均63L/秒で稼働
・風量66L/秒(13V、連続稼働時間〈13V/1.5時間+約6時間〉)※1.5時間の使用で自動的に風量調節し平均60L/秒で稼働
・風量47L/秒(9V、連続稼働時間約13時間)
・風量32L/秒(6V、連続稼働時間約30時間)
ここで嬉しいのが、一定時間が経過すると自動的にパワーダウンする仕組み。たとえばキャンプで設営中に使うなら、ちょうど終わる頃には節電モードに切り替わるという親切設計がありがたいですね。
各風量については設定によって体感的な涼しさがかなり違ったので、パワーごとの効果を説明していきます。

1番パワーが小さい6Vは30時間と稼働時間は長いですが、風力はそよ風レベルでかなり弱め。使わないよりはマシですが、炎天下ではあまり効果は感じられず……。
真夏である程度涼しさを感じたければ、何もしていない状態でも9Vぐらいの風力はあった方が快適かな、という感じでした。
真夏で“動く”キャンプなら、13V以上の風力が◎

ギアを運んだり設営したりという汗をかくようなシーンでは、第3段階の13V以上の設定がおすすめ。ファンの稼働音が聞こえるぐらいのしっかりした風力で、ご覧の通りベストもパンパンに。
汗をかかないわけではないですが、強い風が常に当たっていることでベスト内の蒸れが軽減され、ベスト無しの状態に比べて体感温度も断然低く感じました。
パワーが強いと当然稼働時間は短くなりますが、暑い日中は充分持ったので問題ナシ。涼しい夕方になったら脱いでモバイルバッテリーで充電しておいたところ、翌日チェックアウトの撤収時にもまた使うことができました。
バックパックを背負って歩いてみた

続いては、バックパックを使用してハイキング時の使い勝手もチェック。「ファンブローベスト」を着た状態で、筆者が普段デイハイクで使っている28Lのバックパックを背負ってみました。
着膨れしているようであまりスマートではありませんが、重要なのは使い勝手なのでそこは目を瞑りましょう……。膨らんでいることで若干フィット感は低下しているようにも感じますが、実用には支障が無いレベル。
バックパネルがかなり効果を発揮しているようで、背中の風通しは良好! いつもは熱がこもって背中は汗だくになりますが、密着感がなく涼しく感じました。
動きが多い分、キャンプより効果を感じる…!

そのままテストを兼ねて、森の中へハイキングへGO。この時期だと標高が低い場所でのハイキングは、気温が高いこともあり汗だく必至。検証にはもってこいの環境です。
しばらく歩いてみましたが、ファンの送風と首元の保冷剤のおかげか、普段の登山に比べて圧倒的に涼しく快適。個人的にはキャンプより動きがあって汗をかく登山などの方が、よりベストのありがたみを実感できました。発汗と体温上昇を抑えてくれるので、脱水症状や熱中症の予防にも効果を発揮してくれそうですね。

バッテリーの重量と稼働時間を考えると長時間の本格的な登山には向かなそうですが、夏場の低山登山やハイキングなどでは暑さ対策としてかなり有効という印象を受けました。
ちなみに乾きやすい衣類の方が気化熱により体温が下がりやすいので、ベストの中に速乾性のあるドライインナーやウェアを着ると、さらに高い効果が期待できますよ。
「ファンブローベスト」、ここが気になった

涼しさをしっかり実感でき予想以上に効果があった「ファンブローベスト」ですが、あえて挙げるならここが気になるかなというところもいくつかありました。
風量を上げると音が気になることも

3〜4段階に設定するとファン自体の音も大きくなりますが、首元から風がビューッと抜ける音も大きくなり、周囲の音が聞こえにくくなります。
わりと声を張らないと聞き取りづらいので、周囲に気を遣う遅い時間は使わない方がいいかもしれませんね。
チェアのタイプによってはファンが有効に稼働しない

ヘリノックスの「チェアワン」のような身体を包み込むタイプのチェアに座ると、ファンが生地で塞がれてしまうため送風機能がストップ。
背もたれだけでファンを覆わないタイプのチェアであればもちろん問題なく稼働してくれましたが、普段愛用しているチェアとの相性も要チェックですね。
初期投資がそこそこかかる…

「ファンブローシリーズ」はウェアだけでなくファンとバッテリーも購入必至のため、初期投資としてはベスト9,900円、ファン7,000円、バッテリー15,400円の合計32,300円という金額に。
人によっては、最初に一式揃えるのはちょっと躊躇してしまうかも? それでも夏の暑さを確実に和らげてくれることが実証された今、決して高い買い物ではないな~というのが正直な感想です。
想像を上回る効果を実感できた!

これまでまったく着たことがなく、アウトドアでどれだけ効果があるのか半信半疑なところもあった空調服。今回実際に着てみた結果、炎天下でのアウトドアの暑さ対策として、しっかり効果をもたらしてくれることを実感できました。
それも、フィールドでの実用性が考慮されたモンベルのアイテムだからこそ! キャンプやハイキングに釣りなど暑くてくじけそうになることもある夏場のアウトドアを、使い方次第でかなり快適なものにしてくれますよ。
モンベル「ファンブローベスト」について詳しくはこちら
▼「ファンブローベスト」の詳しい動画はこちら



