車中泊のお湯問題、全解決するアイテムかも?!
エンジンOFFでも10分で沸騰!

1Lサイズほどの水筒のような、MACOLAUDER「充電式ケトル」。ですが実は、空っぽの状態でも重量はズッシリと1kg。
これは、下半分に2,7000mAhの大容量バッテリーを含む機器パーツが内蔵されているから。
つまり、自宅で充電しておけば、車中では給電の必要がなく、エンジンOFFの状態でも使えるワケです。画期的ですよね!

しかも、45℃・55℃・80℃・100℃の4段階の温度調節が可能で、各温度の到達時間と使用可能回数は下記の通り。
| 温度 | 45℃ | 55℃ | 80℃ | 100℃ |
| 到達時間 | 1分 | 記載なし | 記載なし | 10分 |
| 使用回数 | 6回 | 5回 | 3回 | 2回 |
100℃でも10分ほどと沸騰までの時間はかなり早く、前述の「ワクヨさん」が約30分かかるのと比べると、約1/3の時間。これは相当実用的では!?
なお、45℃設定だとわずか1分! 赤ちゃんのミルク作りにもとても重宝しそうです。
カップ麺1個分の実用サイズ

本体サイズは9.2×9×24cmと、1Lの水筒ぐらいのサイズ感ですが、実際の満容量は400mlです。コーヒーなら2杯はいけるので、「使えない」サイズ感ではないでしょう。
しかしよく見ると、商品ページには「100℃設定時はMAX350ml」との記載が……!
となると、300mlのお湯が必要な日清「カップヌードル」ちょうど1個分作れることに。まあ、「ギリギリ使える」感じですね。
真空断熱構造で保温性もアリ

内部タンクはフードグレードの耐腐食・高温性能を誇るSUS304ステンレス鋼製で、特有の臭いもありません。
商品ページには「6〜8時間の保温性能」との記載も。夜沸かせば、朝は待たずにすぐお湯が使えるかも、と思えるしっかりとした作りです。

これが蓋裏。高耐久性のシリコンOリングで、液体が漏れる心配もないとのこと。
しかも、転倒すると自動で加熱停止する、安全性も高い設計のようです。この辺も実際どうなのか、しっかりチェックしていきますよ。
まずは自宅で充電してみる
満充電までは約8時間だが…

車中泊で使う前に、まずは付属のAC充電ケーブルを使って自宅で充電します。
いわゆるコンセントでしか使用できないプラグインタイプで、商品ページには「フル充電時間:8時間」とありますが、さて……。

充電を開始すると、本体ではなく、ACアダプタのほうが赤く点灯。挿した瞬間から充電が開始されるシンプル設計です。

待つこと8時間! ランプが緑になり、しっかりフル充電されました。
なお、本体側に残電気量を示すゲージはないので、「家から持ち出したら覚悟を決める」しかないですね。カップラーメンとか、結構スリリングなことになりそう。
実際に車中泊で使ってみたぞ
まずは夕食に「カレーメシ」

車中泊1食目として、まずは夕食に日清「カレーメシ」を作ることにします。副菜にコンビニサラダを添えてみました。こんな手抜き食、いかにも車中泊っぽいですよね。
はたして本当に10分程度でお湯が沸くのでしょうか?
まずは注水してみる

まずは充電式ケトルに常温の水をトクトクと注ぎます。
ただし、ケトルの直径は、一般的な車のカップホルダーには収まらないサイズのため、(安定して自立する構造ではありますが)置く場所には少し注意が必要です。

なお、「内部には目盛りが」と言いたいところですが、なんと、「MAX」の線が1つあるだけ。
温度設定100℃のときと80℃以下では「MAX」の水量が異なるハズ。一体、これはどっちのMAXなんだ……?

実は、出発前に自宅で量ったところ、この「MAX」のラインは350mlを指すメモリと判明。
う~ん、誤って400mlで沸騰させるのを防ぐ意味ではいい気がしますが、どうせなら、100℃以下で使うときのために、400mlのメモリも欲しかったところです。
いざ、100℃設定でスイッチON!

適正なMAX量が分かったところで、いざスイッチON! 正面の液晶パネルには内部の温度も表示され、加熱中はグングンこの数字が上がります。
これが見ていると結構楽しく、5分経ったところからフツフツという音もし始め、あっという間に10分と20秒が経過……。

しっかり沸騰しました! お湯の注ぎやすさもなかなかよく、230mlのお湯が必要な「カレーメシ」には、十分すぎる量のお湯が作れました。
5分待って食べたところ、芯の残っている個所などもなく、普段どおりの美味しい「カレーメシ」。ということで、お湯の沸騰は全く問題なく、ごくスムーズ!
保温性能はいかほど…?

そして、100℃設定の場合、フル充電で2回しか使えないという制約がある「充電式ケトル」。なので、1泊の飲食メニューをこれ1つで賄うのは、なかなかにシビア。
そこで目を付けたのが、商品ページに記載の「6〜8時間の保温性能」。
夕食に1回沸騰後、食後のコーヒーにもう1回沸騰、ここで電源は残量ゼロ。ですが、半分に減った残りのお湯が、8時間後に80℃程度をキープできていれば、そのまま目覚めのコーヒーにも使えるかもと思ったワケです。

が、 なんということでしょう……。7時間後の翌朝、お湯の温度を測定した結果は、まさかの30℃。
今回、最後に沸かした後、蓋を開けたうえに半分お湯を使っているので、もしかすると、沸騰後も蓋をしたまま満タンなら、記載の通りの保温性能を発揮したのかもしれません。
ただ、個人的にはそれだとかなり実用性が低いな〜という印象です。
ホントに360度こぼれない?

狭い車内で使うアイテムなので、気になっていたのが水漏れ。商品ページには「360度逆さまにしても漏れることはありません」とありますが、実は、「倒れると水分が漏れる」というAmazonレビューも……。
結論から言うと、「加熱中は漏れます」。ですが、欠陥ということではなさそうです!

というのも、加熱中は、蓋にある蒸気吹き出し口が開いて湯気が排出される設計。なので、倒すとここからお湯も出てしまうワケです。
本来、転倒時は安全機能で加熱が自動停止→蒸気吹き出し口も閉じるシステム。ですが、その反応速度が、本体が倒れてしまう速度よりだいぶ遅く、その間に結構ジャーっと出てしまいます。

ともかく加熱中の転倒は絶対厳禁! 一方で、加熱していない状態ではまったく漏れません! 中に100℃の熱湯が入っていてもこの通りです。
加熱中は湯気を外へ排出しないと内圧が高まって危険なので、やむを得ない構造と言えますね。
なお、商品ページには「海抜1,000m以上は必ず蓋を開けて加熱してください」との記載があり、富士山近辺など平地に思えて意外と高度のある場所も多いので、合わせて注意が必要です。
気になるところもなくはない
操作系が防水ではなく、丸洗い不可

背面のケーブル差込口あたり、既になんとなく「防水感がなさそう」なビジュ? ですが、液晶パネル面も含め、全体的に怪しい雰囲気が漂います……。
Amazonの商品ページにも「水を捨てるときは側の水滴に注意して、乾いた布で乾かしてください。でないと、マザーボードに水が入り、ボタンが機能しなくなる可能性が」との記載が。

なので、お湯を注ぐときや捨てるときなど、濡れには十分注意する必要がありますし、丸洗いも不可。となるとカルキが生じる水道水は使いにくい。
これも構造上仕方ない部分かなとは思いますが、使用後はしっかりと拭く必要があるし、ちょっと面倒に感じました。
何度?? 表示が見えづらい…

ハイテクな機能面とは裏腹に、なかなか懐かしい趣きの液晶パネルが採用されているこちら。
この結果、パネル表示の光が弱く、日中の屋外ではほぼ温度が読み取れません。車中でようやく画像の感じです(これで37℃)。
加熱時の設定温度が見づらいのはなかなかの恐怖。ボタン1個での操作なのも相まって、カンに頼らざるを得ない場面がどうしても出てきます。
計画的に使わないとアウト

電源コードがACタイプのため、外出先だとポータブル電源がない場合、1度使い切ったら終わりになってしまいます。
なので、夜は100℃で1回沸かしてカレーメシ、朝は80℃で1回沸かしてコーヒーなど、メニューと設定温度&使用回数をしっかり考慮し、あらかじめ緻密に計画する必要があります。
また、リチウムイオンバッテリーは寒さに弱い傾向があるので、寒冷期にはバッテリー残量の減りが早いことも懸念されます。
車中泊にミルクの湯沸かしに、1つ持っていて損ナシ!

お湯の容量やバッテリー容量、重量などを考えると、使い道はやや限定的な「充電式ケトル」。
とはいえ、出先でも電源不要&たったの10分で熱湯が手に入るのは、間違いなく便利だと思います。
夜出発での遠征車中泊に、赤ちゃん連れでのロングドライブに、1つ持っていて損はナシの画期的なアイテムです!



