そもそも、車中泊・キャンプに最適なクルマとは?
まずは、前提条件として、“何をもって車中泊・キャンプに最適なクルマとするか”の定義からお話します!
車中泊に最適なクルマとは?
文字通り、クルマの中で泊まることを目的として選ぶなら、「横になって寝ることができるクルマ」が最適です。
そのためには、すべてのシートを倒してフルフラットにできるか、または後席を倒す・格納してフラットな床面が作れるクルマが理想です。

また、クルマの中で寝るなら、「フラットになるかどうか」だけでなく、「フロアに傾斜や凹凸がないか、あっても気にならないレベル」であることも重要です。
よくあるのは、後席をたたんでもシート部分に傾斜が残ってしまったり、シート部とラゲッジ部の間に段差ができてしまうことです。
また、フルフラットにした際の段差や凹凸は、マットや布団を敷くことで、ある程度解決できますが、傾斜を解決するための調整は難しく、快眠を妨げる原因になります。
もう1つ重要なのは、「脚を伸ばして寝られるかどうか」です。
脚が伸ばせない就寝環境は、睡眠の質を大きく下げてしまいます。また、脚が伸ばせないまま寝ると血流が悪くなり、エコノミークラス症候群(肺塞栓症)につながる危険性もあります。
そのため、車中泊用のクルマを選ぶときは、自身の身長と車内の長さが合っているか、必ず確認しましょう。
【段落まとめ】車中泊に最適なクルマとは?
・横になって寝られる車が車中泊には最適。
・全席フルフラットになるか、後席を倒してフラットな床面が作れるかが重要。
・フラット化後の段差や凹凸はマットで解消できるが、傾斜の調整は難しく、快眠を妨げる要因に。
・脚をまっすぐ伸ばして寝られるスペースがあるかどうかも非常に重要。
・脚が伸ばせないと睡眠の質が下がり、エコノミークラス症候群のリスクも。
・自分の身長に対して車内の長さが十分かを必ず確認すべき。
キャンプに最適なクルマとは?

当然のことですが、キャンプに行くには「人と荷物が載ること」が最重要ポイントです。
荷室の容量に合わせてギアを選ぶ方法もありますが、キャンプ中心のライフスタイルなら、広い荷室を備えたクルマを選んで後悔することはありません。
また、乗車人数を踏まえて、人と荷物の積載性に優れたモデルを選ぶことが大切です。
悪路走破性能は考えなくてもいい
多くのオートキャンプ場では、車高を下げていないノーマルのクルマであれば、どんなタイプでもサイトまで乗り入れ可能です。
実際、サイトではコンパクトカーやセダン、さらにはマツダ「ロードスター」のような車種まで見かけることがあります。

ただし、最低地上高が極端に低いスポーツカーは例外です。それでもおおむね120mm以上の最低地上高があれば、問題ないケースがほとんどです。
なお、乗り入れ制限がある場合は、キャンプ場の公式サイトや「なっぷ」「Google」などの口コミに記載されていることが多いので、事前にチェックすると安心です。
注釈:悪路走破性能について
悪路走行では、最低地上高に加えて、以下の3つの指標も走破性能を判断するうえで重要ですが、キャンプ程度の走行であれば特に気にする必要はありません。ただし、「悪路走行に必要なのは最低地上高だけ」と誤解されるおそれがあるため、より詳しく知りたい方に向けて補足解説を加えます。

”悪路で路面とクルマが緩衝しない”ための3つの指標
A:「アプローチアングル」、C:「デパーチャーアングル」
…それぞれ、フロントバンパー/リアバンパーと前後輪を結んだ線と地面との角度。
B:「ランプブレークオーバーアングル」
…前後輪の接地点からホイールベース中央の車体底部を結んだ線と地面との角度。
大きな段差や岩を乗り越えやすいのは、これら3つの角度が大きいクルマです。オフロード性能を重視した車両は、これらの角度がしっかり確保されています。
逆に、これらの角度が小さいと、段差や石にバンパーや車体の底部が接触しやすくなります。
車中泊もキャンプも両方に最適なクルマとは?
「車中泊もキャンプも両方楽しみたい!」という方も多くいらっしゃいます。
その両方に適したクルマは、「人と荷物が載せられて、脚を伸ばして寝られるクルマ」です。「そんな欲張りな条件を満たすクルマは高価で大きいのでは……?」と不安に思う方もご安心ください。記事後半でしっかり紹介します。

