浜田山に根を張る、新生テンプラサイクル

今年の4月末に杉並区・浜田山に移転オープンした「テンプラサイクル & ガレージ」。店舗は古い日本家屋をリノベーションし、一見すると自転車屋さんとは思えない佇まいです。
オーナーの小林健太さん曰く「浜田山にはなんの縁もゆかりもないんですよ」とのことで、物件ありきの移転だったことが窺い知れます。

今回、主役の小林健太さん。もともと原宿にデザイン会社「テンプラグラフィックス」を構えており、その下で2008年にテンプラガレージをオープン。
持ち前の人柄とセンスフルなオリジナルアイテムで、アウトドア好きを魅了し続けています。


小林さんが惚れ込んだ新店舗は、住宅街の一角にあります。
木造二階建てで、内外装ともに自分達がいいと思うようにリノベーションOKだったことも、この場所を選んだ理由のひとつ。
住宅地に馴染みながらもしっかりとテンプラサイクルらしいスタイリッシュな佇まいに仕上がっていました。


いままでもそうだったんですが、今回も自転車屋さんらしからぬスタイルに落ち着きました(笑)。スペースが限られている分、今まで以上かもしれないですね。
いまは土日中心の営業になるので、基本的に時間のかかる修理やカスタムはお預かりしてじっくり。すぐに直せるものに関してはその場で対応していきます



個性的な置き物が並ぶ店内には、健太さんの好きが詰まっています。
小学校の頃から好きなものがほとんど変わらないという言葉通り、遊び心をくすぐるようなアイテムが数多く鎮座。

こちらのテーブル型のアーケードゲームに関しては今回、どうしても店舗に起きたかったアイテムなんだとか。
このアーケードゲームをテーブルにして、打ち合わせとか商談したかったんですよね。……最高じゃない?笑

実際、CAMP HACKがテンプラサイクルとコラボして開発した「Osanpo Knapsack」は、このアーケードゲームの上で最終打ち合わせが行われていたそう。
こういった遊び心満載のインテリアが、日々のクリエイティブに刺激を与えているのかもしれませんね。
人との出会いが、道を作る

ぼくはただ周りの人に助けられるがまま、ご機嫌にお酒を飲んでたらこうなっていたって感じです
そんな印象的な言葉を残す健太さん。なかでも人生を変えるほどの出会いは、テンプラガレージの相方であり現ハーフトラックプロダクツのデザイナーである土屋雄麻さんとの出会いだといいます。

ぼくがデザイン事務所をやってるとき雄麻は会社員で、たまたまうちの下が通勤途中だったんです。それでぼくがバイクをいじってるところに度々通りがかり、話すようになりそのまま飲みにいって……みたいな感じでしたね(笑)
その後、テンプラガレージのオープンまではトントン拍子。健太さんは純粋に雄麻さんとの出会いに可能性を感じていたといいます。

東京にないモノを集めたい。2人でテンプラガレージというお店を始めたのは、その想いからでした。
雄麻は一言でいうと天才。象徴的な出来事は、オープンに際して、当時まだ東京では無名だった関西のローカルブランドを関東で初めて取り扱ったのですが、それも現地に商談に行き、そのまま担当者と酒を酌み交わし、仲良くなって仕入れたって感じでしたね(笑)。
人付き合いもモノ選びもどちらも感性がすごいんです


その後、雑誌などに取り上げられるようになってお店の注目度もどんどんと上がっていったといいます。
フェスに遊びに行ったらそこでたまたまGO OUTに取材されて。そこでもまた仲良くなって、いまもよくしてもらっています。
ぼくは基本的に周りの人に助けられて今があると思っていて、そう考えると運だけは良かったのかなって思っています(笑)。だからこそ当時も今も心掛けているのは、人との出会いを大事するということですね