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2ルームテントって、しまうのが結構大変…

ファミリー層を中心に人気の2ルームテント。寝室とリビングを備える大型テントだけあって、初心者のうちは建てるのと同じ、もしくはそれ以上に大変なのが「撤収」です。

買ったときはキッチリ袋に入っていたはずが、しまおうとすると「あれれ、入らない」……なんていうことも。
そんな大型テントの撤収問題に悩める、一人のビギナーキャンパーさんが。この春念願の2ルームテントを購入したものの、さっそく撤収の壁にブチ当たってしまったそうなんです。

初心者さん:建てられるから撤収は楽勝~と思っていたら……予想以上に時間がかかってしまって。チェックアウトの時刻を過ぎてしまいました(トホホ)。
「自分で建てたはずのテントが、こんなにもスムーズにしまえないとは」というのは、初心者あるあるだったり。そこで、元アウトドアショップ店員で設営・撤収には自信のある編集部員Sが、スマート撤収のコツを伝授することに!
2ルーム初心者に、設営マスターが撤収のコツをレクチャー
編集部員S:チェックアウト時刻を過ぎてしまったとは、大変でしたね。でも、キャンプを始めたての方にとって、撤収は意外な落とし穴なんです。
初心者さん:予想もしていなかったので、かなり焦りました……。
そういえば、撤収するときは面倒で説明書を読まなかった! ちゃんと見ながらやればよかったんですかね?

編集部員S:もちろん、説明書通りにやるのは大前提! だけど、説明書に書かれていないちょっとした動きのコツで、次回からより簡単に撤収ができますよ。
初心者さん:ほんとですか~(泣)。ではさっそく、実際に撤収で困った3つの難関ポイントを相談させてください!
キャンプ初心者さんの撤収ハードルはこの3つ
難関ポイント① “おおきなかぶ”くらい、テントのポールが抜けない

初心者さん:いざ撤収を始めようと1本目のポールを引っこ抜こうとやってみたけど、ビクともしなくて。無理に力を入れると曲がってしまいそうだし焦りました。
難関ポイント② イリュージョンすぎる…入ってたはずの収納袋に入らない

出典:やまに
初心者さん:次に収納バッグに入れるために畳んだんですけど、パンパンに膨らんでて入る気配は一切なし。本当にこの袋に入ってたっけ? って思わず疑っちゃいましたよ。
難関ポイント③ ウソでしょ!? 最後のファスナーが閉まらない

初心者さん:やっとこさ詰めて何とかバッグに入れたものの、最終的に外袋のファスナーが閉まらず……。時間もなくてそのまま持って帰ってきちゃって、放置してしまっているんです。
……っていうこの3つ、どうすればよかったんでしょうか!?
編集部員S:なるほど、どれもあるあるですね! 私も経験したことがあります。
このハードルは、初心者がとくに手間取りがちな三大要素。ですが、コツさえ押さえておけば全部解決できますよ。ではさっそく、この3つの難関に打ち勝つコツを伝授します!
撤収のコツ① 硬く固定されたテントのポールを抜く場合
編集部員S:では、実際にコツを掴むべく、2ルームテントを使って一緒に実践してみましょう!
まずは、初心者さんが難関にぶち当たった撤収当時の動きを再現してもらってもいいですか?
テントのポールを抜く:初心者さんの場合

初心者さん:はい。よいしょ! っと……

編集部員S:ストップ! 屈んだこの体勢だと、手の力だけを利用して無理やりポールを引き抜くことになります。力を入れるのにも一苦労ですよね。
できるだけ省エネで、楽にポールを抜ける体勢に挑戦してみましょう!
スタンディングテープを足で踏んで固定し、逆手で抜く

編集部員S:抜きたいポールの留め具の元にあるスタンディングテープ(写真の黒いテープ部分)を足で踏み固定します。この時にテントの生地を踏んでしまわないよう注意してくださいね。

編集部員S:次にポールを綱引きをするように逆手で握ります。あとは上体を起こすように力を入れ、ポールを引き抜きましょう!

編集部員S:身体全体を使うことによりテンションが張り、硬く固定されたポールもスイッと抜くことができますよ。この姿勢は、設営時のポールの差し込みにも有効なので是非覚えておいてください。
どうです?
初心者さん:おお……今までの苦労は何だったのかといった感じで、すんなりと抜けました!
撤収のコツ② 収納ケースに畳んだテントを入れる場合
編集部員S:じゃあ次は、テントの本体を畳み、収納ケースに入れてみましょう!
畳んだテントを入れる:初心者さんの場合

初心者さん:だいたいこのくらいに畳んで……

編集部員S:ストップ! 慣れないうちから、感覚でテントを畳むのは失敗のもとです。おまけにテント本体を裾の部分から巻きましたね?
これだと、くるくると巻く際にシートの中に残っている空気が抜けづらく、収納サイズが大きくなってしまいます。
収納ケースよりちょっと小さめの幅で畳む。巻くのは「屋根」→「裾」

編集部員S:まずテント本体の生地を畳むときは、しっかり収納ケースに合わせた幅であることを確認して折畳みましょう! 収納ケースぴったりに大きさを合わせるというよりは、気持ち小さめの幅で畳んでおくといいですよ。
またくるくると巻く際は、屋根の方から裾に向かってシートの中にある空気を抜くことを意識してください。

編集部員S:収納ケースに入れるときは、本体を持ち上げて入れるのではなく、収納ケースを本体に被せてくるっとひっくり返しましょう!
この方法を実践すると、重くて持ち上げるのが大変なテントでも、できるだけ力を使わずに収納ケースに入れることができるんです。
初心者さん:なるほど。持ち上げる必要がないので、せっかく畳んだテントがバラける心配もありませんね!