【ポップアップだけど本格派】ハイスペックなポイント6つ
形、構造がとにかく個性的なシルト。そのほかのスペックも、一般的なポップアップテントとはまーったく違うんです。
ポイント1|素材が「大型テント」そのもの

シルトの素材
- フライシート:68デニールのリップストップポリエステル
- (PUコーティング、耐水圧3,000mm、撥水加工、UVカット加工済み)
- フレーム:グラスファイバーポール
- センターポール:9mm A7001
まずシルトのフライシートの素材を見てびっくり。じつはラーテルワークスの人気大型テント「ヴァルライト」や「ヴォーゲル」といった6万円〜10万円クラスのテントとほぼ等しいスペックの素材が使われていました。

耐水圧は3,000mmで、ラーテルワークスの大型テント同様の高い耐水圧です。
テントの場合、耐水圧は2,000mmあれば雨でも問題なしとされているので、ポップアップテントにも関わらず、テントの標準以上の耐水圧をそなえていると言えるでしょう。

さらに引き裂き強度も高い素材なので、フィールドでの寝泊まりも安心してできるというわけです。
公園遊び、デイキャンプ、お泊まりキャンプのどれも楽しんでいる筆者としては、本格的なキャンプにも使えるスペックがとても魅力的でした。
ポイント2|ポップアップなのに「ダブルルーフ構造」

一般的なポップアップテントは一枚生地でできているのに対し、シルトはワンタッチで立ち上がるにも関わらず、側面が二重(ダブルルーフ)になっているんですよね。

だから、目線を隠しながらも通気性をよくすることができるんです。とくに暑いシーズンはこれがかなりいい!

さらに居住スペースとの間に空気の層ができることによって、多少は結露しにくいと思われます。
ポイント3|センターポールで変形を阻止

シルトにはポールが付属していて、天井部に挿し込むことで剛性を高めています。
よくあるポップアップテントの場合、強風に煽られるとぺしゃんこに潰れがち……ですが、シルトは風によって歪みにくくなっているところが◎。
ポイント4|+ガイロープで耐風性マシマシに

ガイロープが4本付属しているので、風が強い日は取り付けることで耐風性がさらにアップ。

本来「ポップアップテントは風に弱い」が定説なのですが、こうしたギミックで強風に耐えられるところも大きな特長ですね。
ポイント5|過ごしやすさはソロテントそのもの

テントのなかには、LEDライトやハンディファンを引っ掛けられるリングが前後2ヶ所にあったり……

メガネなど小物置き場に便利なメッシュポケットが下部に2ヶ所設けられていたりと、幕内も本格的なソロテントさながら。

内側はしっかりシームテープ処理されていたので、雨天時でも安心です(※ただし注意ポイントもあるので、それは後ほど)。
ほんと繰り返しになりますが、これポップアップテントとは思えない(いい意味で)。
ポイント6|作りはしっかりだけど、持ち運びやすい

これだけ自由度が高い構造にもかかわらず、収納サイズは直径約80cm。そこそこ大きいっちゃ大きいんですが、厚み9cmの薄型なので、車なら荷物の隙間にスッと差し込めば全然気になりませんでした。

重さは約4kg。シルトにはポールやペグが含まれているため、よくあるポップアップテントよりは重いです。
でも収納袋が肩掛けできることもあって、近距離の持ち歩きなら全然ヨユーでしたよ。

収納袋のジッパータイは、指を引っ掛けやすいオリジナルの型が使われていて、細部までこだわりを感じました。ちなみに、シルト本体もこのジッパータイが使われています。
肝心の「サイズ」に落とし穴が…!?

ここからはシルトのサイズ感について掘り下げていきますが、背の高いかたで「寝る」ことを想定している場合は、ちょっと気になるポイントがあるかも?
座るぶんにはちょうどいい

展開時のサイズは、幅145cm×奥行き240cm×高さ108cm。試しに1人用のマットを入れてみると……

両サイドはまだまだ余裕が。そこに身長180cmが座ってみると……

天井に頭がつくことはなく、違和感はありません。
座って横に並んで過ごすぶんには、大人2人でも余裕あり。個人的には、大人2人+小さな子ども1人でも許容範囲でした!
今度は寝てみた

そしてそのまま、180cmが寝っ転がってみました。ちょうどいい塩梅です。

2つ1人用マットを並べても、まだ余白あり。
筆者が持っている2人用の山岳テントが幅130cm×奥行き220cm×高さ104cmだったことを踏まえると、シルトのサイズは概ね大人2人が横になれるはず。
ということで試しに大人2人でも寝てみましたが、思いのほか窮屈さは感じませんでしたよ!
ただ、人によっては圧迫感があるかも?

パネルをフルオープンしているときは気付かなかったんですが、クローズにした状態で180cmが寝ると、足先が幕に当たってしまうんですよね……。

それもそのはず、前後のパネルは傾斜になっているので、寝ることを想定したときのリアルな居住空間は240cmもないですね。これは台形ゆえの弱点……。

ですが、「足先が当たるだけで、顔まわりの圧迫感はなかった」とのこと。
購入前のリサーチでは「背が高い人は窮屈、圧迫感がある……」というコメントを目にしていたので、感じかたには個人差がありそうですね。

筆者は2cm前後の薄手マットを使っていますが、厚み10cmクラスのマットだとかさ高が出るので、余計に窮屈さを感じてしまうかもしれません。
【結論】個人的にはまったく問題なし!

身長155cmの筆者は、むろんクローズ状態で寝てもまったく気になりません! パネルの傾斜による圧迫も感じませんし、足先も幕に当たることはありませんでした。めっちゃ快適です!
身長に限らず、デイキャンプで使うぶんにはあまり気にしなくていいと思いますが、背の高い人や分厚いマットを使う人で、「寝る」ことを想定している場合はご注意を。
いろんな使いかたができる

機能が本格的だからこそ、シルトは「単体」「タープの下」「インナーテント」の3パターンで使うことができます。
デイキャンプからはじめて、いずれ宿泊を伴うキャンプにステップアップしたいエントリー層にも、シルトを最初に買っておくと長く活用できるんじゃないかな? と思います。