燃料はペレットを

燃料にはペレットを使います。ウッドでもいいんですが、短くカットするのが面倒で……。
と言いつつ後方にカットされた小枝がありますね。記事の後半で小枝も燃やしてみます。

バーナーで着火しました。開口部からペレットまで距離があるので、いま思えば着火剤を使った方が楽ちんでしたね。
美しいトルネードが……!

着火から数分で二次燃焼の炎が現れ、10分も経てばこの通り……! 本体が高温になればなるほど炎の勢いが増し、トルネードの炎が伸びていきました。

日が傾くほどに、炎の輪郭が際立ってきます。編み上げられたような二次燃焼の炎は、これまでに体験したことのない、息を呑む美しさでした。

真上から見ると、空気穴につけられた角度がしっかり効いていることがわかります。そうして回転する炎をリングが束ね、上方に送り出しているというわけです。
ストーブとしての使い勝手は?
トルネード二次燃焼の炎は思いのほか美しく、15台の焚き火台を所有する筆者も感嘆するばかりでした。しかしキャンプで使う道具ですから実用性も気になるところ。ストーブとしての使い勝手を確かめてみましょう。
煮炊きはできる?

開口部が狭くてゴトクを乗せられないので、煮炊きをするにはトライポッドやアイアンスタンドが必要です。
トライポッドを使ってお湯を沸かしてみたところ、普通に沸騰はしました。細めの炎は風で逃げやすいので、上の画像よりもケトルを近づけた方がいいですね。
見ての通り無骨でもオシャレでもない、よくわからないスタイルとなりますが、とにかく煮炊きは可能です。
小枝でもやってみた

ウッドストーブとしても使ってみました。ペレットは購入する必要があり、うっかり買い忘れてキャンプ場に到着することもあるでしょう。林などに落ちている小枝を利用できれば助かりますよね。

はい、小枝でも勢いよく燃えています。が、短くカットする手間を惜しんだため、思い切りはみ出してしまいましたね。これはこれで風情があると思いますが、しっかり美しい炎にしたいなら、小枝の長さは12~3cmまでカットする必要があります。
しかし多少長い小枝でも、問題なく燃料になりました。
片付けは面倒くさい?

二次燃焼系の焚き火台に共通することですが、燃えカスは微々たるもの。片付けに苦労はありません。

こんなふうにひっくり返して、灰を捨てることができました。火床の穴から落ちた灰や燃えカスが、内部に残りそうな予感もありましたが、気になるほどではなかったです。
完ぺきに内部をきれいにしたい場合は、ネジを外せば念入りに掃除することもできます。まあ個人的には、そこまでやる必要性は感じません。
要注意ポイント
脚までかなりの高温に……!

燃焼中は、本体がかなりの高温となります。燃焼序盤に温度を計測すると、下の方までしっかり高温でした(ちなみに上部は500℃ほどでした)。これは燃焼するうちに、もっと高くなっていくでしょう。
燃焼中の取り扱いには、最大級の注意を要します。

困ったことに、脚にまでしっかりと熱が伝導します。革手袋をして触ってみたところ、数秒後に「あちぃ!」と脊髄反射で離すことになりました。
「卓上でも使える」と売られている本製品ですが、テーブルは選びます。
利便性にはあまり期待しない方向で

トルネードの炎には誰もが感動することと思います。しかし冷静になってみると、けっして便利なストーブではありません。世の中には軽量コンパクトに持ち運べて、薪を選ばず、調理もしやすい焚き火台がたくさんあります。
それらの製品とは、そもそも存在意義が異なることを理解してあげたいところです。
チルタイムの贅沢ギア

本製品は、人生初の焚き火台を探しているビギナーには、利便性の面でオススメできません。しかし暖房性能は高く、炎の美しさは極上の一言。二次燃焼するので煙が少ないのもいいですね。

筆者は本製品を、いわゆる焚き火台とは別物と考えて使おうと思います。チェア前に置いて暖房兼観賞用にするかもしれないし、卓上でサイトのシンボルにするかもしれません。
チルタイムの贅沢ギアといったポジションながら、わりとリーズナブルなのも好印象。KingCampの「まきひちゃん」、火遊び好きのキャンパーに検討してほしいアイテムです。
KingCamp まきひちゃん
サイズ | 直径163×232mm |
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重さ | 1.22kg |