格上げ秘技その3|美味しい焼き方
鋳鉄製のスキレットを使う

フライパンは、鋳鉄製のスキレットが断然おすすめです(たけださん)
ほほう……フライパンとは何が違うんでしょうか?
鋳鉄製のスキレットは蓄熱性が非常に高く、熱にムラがなく均等に肉の中まで火を通してくれるので、比較的簡単に美味しく焼けるんです。
ちなみに、今回のポイントを押さえれば、フライパンでも普通に焼くよりは美味しくなりますよ!(たけださん)
両面に焼き目をつける

スキレットに牛脂を入れて十分に温めたら、まず中~強火で両面に焼き目をつけます(たけださん)
ここでいつも片面をじっくり中まで焼いてしまっていたんですが、どうやらそれはNGなんだとか!
最初に両面に焼き目をつけるのは、肉汁が流れ出ないようにしてうま味を閉じ込めるイメージです。なのでこの後に、じっくりと弱火でもう一度両面焼いていきますよ。
焼く時間は肉の厚さにもよりますが、今回の3cmほどであれば2分ずつくらいですね(たけださん)

なるほど。焼き過ぎに注意しながら両面に焼き目をつけ、弱火で焼いていきます。確かに肉汁があまり出ないですね。牛脂もいい具合に肉に絡んで、ジューシーに焼けています……!
アルミホイルで包んで休ませる

焼き終わったら最後にアルミホイルで包み、中の肉汁を全体に行き渡らせます。置く時間は焼いた時間の1/3程度で大丈夫です。なので今回は1分半程度ですね(たけださん)
たたき肉は中を加熱しすぎない

たたきも、スキレットで牛脂を使って焼きましょう。こちらは中火で、肉を転がしながら全面に焼き色をつけるだけでOK。各面おおよそ1分×2回ですね(たけださん)
たたき用の肉は厚さが5cmほどでかなり分厚いですが、そんなあっさりでいいんでしょうか……?
よくローストビーフと混同されることが多いのですが、たたきは中を加熱しすぎないのがポイントなんです。なので中心部を63℃で瞬時加熱殺菌できれば大丈夫。かつおのたたきをイメージしてもらうとわかりやすいですね。
そして肉汁をそもそも出させないので、アルミホイルで包んで余熱を加えたり、肉汁を行き渡らせたりもしません(たけださん)
まさに混同していました! 確かにローストビーフは赤身にも熱が加わり色がロゼのようですが、たたきはより赤っぽいですよね。
いざ実食!アドバイス無視で焼いたステーキとの違いは…?
じつは今回、たけだバーベキューさんのレシピと同時に、教えてもらったコツやポイントをあえてすべて無視して焼いたバージョンのステーキも比較用として作ってみました。具体的には、
・肉はとくに選ばずに購入
・冷蔵庫から取り出してすぐに塩コショウをし、冷たいまま焼き始める
・スキレットと牛脂は使わず、フライパンとサラダ油で調理
・焼き方は時間を計らず、片面ずつ1回焼いて終わり
・アルミホイルで包まずにそのまま完成
セオリーを無視して焼いた牛肉、まずくはないけれど……

見た目はまず、すぐに肉汁が皿に溜まってしまいました……。これは常温に戻さずに、すぐに焼いたことで焼きムラが出てしまったんでしょうか。
食べてみるとややパサついていて、焼けている部分が肉表面に層を作っているようで食感もよくありません。肉自体もなんとなく硬いような……。正直、とことんセオリーを無視した当然の味でした。
秘技を使って焼いた肉は、超美味〜!

では、いよいよ本命の方へ。こちらはもう、切っているときから違う感触。ステーキもたたきもやわらかい!
食べてみると、ステーキは中がジューシーで、表面にほどよく脂がのっていて肉のうま味がかなり感じられます。たたきも肉汁たっぷりで、卵黄とタレに絡んでご飯が止まらなくなる美味しさでした!
この基本をマスターすれば、安い肉でも高級店の味に!

さすがたけだバーベキューさん直伝の焼き方。リーズナブルな輸入肉でのチャレンジでしたが、いつもより格段に美味い! しっかりと違いを感じました。これは確かにA5ランクの肉に近づいたのではないでしょうか。
家庭のガスコンロを使って焼きましたが、アウトドアでBBQをする際も使えるテクニックですね! インドアでもアウトドアでも驚くほど簡単に美味しくできますので、ぜひ挑戦してみてください。
TEXT:WKC



