編集部がアイテムを厳選!!CAMP HACK STORE

田中ケン氏連載企画:アウトドアで人生が変わった『僕のターニングポイント・夢の実現編』(2ページ目)

夢の実現

雪原のキャンプ場

その後、相変わらず僕は人の場所でアウトドアを楽しんでいた。仕事も、プライベートも。さらにキャンプ場が閉まって3年が経過した2007年。雪が降り始めたころ、僕は何の気なしに北軽井沢にある荒れ果てたある土地を見に行った。以前、その土地はキャンプ場として機能していたという。雪に覆われていたその土地の空間は、それは素晴らしい美しさだった。

田中ケン田中ケン

そのとき、ふと僕の脳裏に、オープンした僕のキャンプ場で遊ぶお客さんの姿が見えた気がした。アウトドアを仕事にしている僕にとって、自分のスタイルを表現する場所はここしかなかった。僕の心に何かスイッチが入った。この場所から出ているなにかエネルギーというものを感じたのだ。ここだ!僕はすぐにオープンに向けての準備に入った。雪が残っている間は建物などの施設の復旧とライフラインの復興に明け暮れる。極寒の北軽井沢に毎日のように通い、掃除やペンキ塗りを繰り返す。雪が解けてからは荒れたサイトを修復していく。楽な仕事ではなかったが、この空間が息を吹き返していることを日々感じられた。まさに自分の夢を開拓をしている気持ちだった。

outsideBASE
2008年4月26日。僕にとって忘れられない日が訪れた。この日、群馬県は北軽井沢に新しいキャンプ場が登場した。僕がプロデュースしたまさに自分のキャンプ場。この場所をBASEに様々なアウトドア、遊びを楽しんでほしいという願いを込めて、outsideBASEと名付けた。

キャンプを楽しむだけではない、ここからライトトレッキングで滝を見に行ける。さらにちょっと足を延ばせば100名山、200名山のトレッキングも楽しむことができる。キャンプ場から15分も歩けば、そこには岩場でのロッククライミングも楽しめる。敷地から川にもエントリーできる。カラマツ林に囲まれている敷地内ではツリーイングと呼ばれる、木登りや手作りの自然を活かした遊具も作った。車で30分も行けばリゾート地、軽井沢。日本三名泉の草津も近い。冬になれば近くにゲレンデがあるのは勿論、雪山を歩くスノーシューができるゲレンデやバックカントリーを楽しめる山々もある。まさに自然を思いっきり楽しむ”BASE”だ。

2008年4月26日。お祭り好きな僕はパーティを計画。200人以上のお客さんがお祝いがてらoutsideBASEに遊びに来てくれた。おかげさまで今年で丸8年を迎えることができた。outside BASEに完成はない。なぜならここを訪ねてくれる方”BASE”として使っていただき、それぞれのコーディネイトで楽しんでもらう場所だから。そして、僕の遊び心はまだまだ大きくなっている。

2016年4月。那須にももう一つキャンプ場を持つことができた。そして将来はもうひとつ。僕の遊び心が詰まったキャンプ場を持ちたいと思う!その構想は、また別の場で書いていこう。

2 / 2ページ