ツアー1日目のテント泊
Nyani Campsite(タンザニア・セレンゲティ国立公園内)

サバンナのど真ん中で自分のテントを張る
1日目のサファリツアーも終わり、セレンゲティ国立公園内にあるキャンプサイトでテント泊をします。
肉食動物がいるサバンナのど真ん中でテント泊は危険過ぎないか? と思いますが、結論から言うと全く問題なし。
公園内でもキャンプサイトはなるべく集約していて、動物達もあまり近づかないようです。例え肉食獣が来たとしても、マサイ族の警備がいるので安心して過ごすことができます。
ただ夜トイレに行くときだけは注意するように言われます。間違って警備のいないサバンナに迷い込んだら命の保証はないそうです。
今回セレンゲティ国立公園で宿泊したのは、「Nyani Campsite」。周辺にはサファリツアー客用のキャンプサイトが多数ありますが、その一つのようです。
到着すると、沢山のテントが立ち並んでいます。そのままそのテントに泊まるのも良いですが、筆者と息子、は空いてる場所に自分達のテントを張ります。
ガイドに聞くと、自由にやって問題ないとの回答でした。

キャンプサイトに到着すると宿泊者用のテントがすでに張ってある

キャンプサイトの料理スペースで料理人が夕食を作っている

サファリツアーのキャンプ飯は本格的な料理だ
夕食は料理人が炊事場で料理をします。キャンプサイトがほぼ満員なので、料理人も10名以上いて炊事場を完全占拠しての料理です。
レストランの調理場のように手際良く調理をしています。
料理は、野外で作ったとは思えないほどのクオリティで、昼間と同じビッフェスタイル。きちんとスープも1人1人に給仕してくれて、デザートも含めると10品くらいありました。
味付けも抜群に旨くて本当に驚きました。サファリツアーは歴史も長いし世界中の人々が訪れるからこそ料理も洗練されていったのかと思います。

朝起きるとタンザニア国旗カラーの気球がサイトの上空を飛んでいた

朝のキャンプサイトにアフリカハゲコウが訪問してきた
一夜明けると、大きなバーナーの音が聞こえてきました。なんだろうと外へ出ると、ちょうど気球がキャンプサイトの上空を飛んで行くところでした。
サファリツアーには、オプションで気球ツアーもあるみたいです。気球の上から動物達を見るなんて、さぞかし絶景に違いないですね。気球を眺めていたら、今度は息子が大声を出しています。
なんだろうと思ったら体高が150センチくらいある大きなアフリカハゲコウが目の前を闊歩しています。
ごく稀にキャンプサイトに、色々な動物が迷い込むようですが、今回はアフリカハゲコウだったようです。
サファリツアー2日目

朝日に照らされるサバンナをサファリカーで今日も進んでいく

サバンナの掃除屋のハイエナ

体高が40センチくらいのウシ科の仲間のディクディク

アニビスヒヒなどの霊長類もサバンナでは生息している
サファリツアー2日目も、1日目と同様で、ひたすら広大なサバンナをサファリカーで走り抜けながら動物達を探しては観察していきます。
1日目では見れなかった動物も沢山見れたのも、ガイドがちゃんと無線で他の車と綿密に情報交換している証拠なのでしょう。
印象的だったのはディクディク。体高が40センチくらいで成獣らしく、シカの仲間かと思ったらウシの仲間だそうです。
世の中知り尽くしたと思い込んでいても世界には知らないことばかりです。

歓迎の歌を歌ってくれたのが印象的

タンザニアのマサイ族の女性

息子をこのまま転校させようかと悪巧みも考えました
セレンゲティからンゴロンゴロへと移動してくると、ガイドがマサイ族の村を訪問しますか? と聞いてきました。
自分と息子はケニア側ですでにマサイ族と触れ合っていましたが、息子がまた行きたいと言い始めて、行くことにします。
タンザニアのマサイ族の村へ行くと、男女のマサイ族が合わせて40名くらい出てきました。
出てくるなり、歓迎の歌を踊りを交えながら迎えてくれます。何故か息子がその踊りの輪に入れられるなど、微笑ましい演出もありました。
その後、マサイ族の長に学校を見るかと言われたので、青空天井と柵で囲われた場所へと通されます。
青空の下で授業を受けていることに驚きつつも、可愛らしい子供達の授業風景を見学できました。
冗談でマサイ族の長が「おたくの息子とウシ30頭と交換でどうだ?」と言ってきたので、「手のかかる息子を世話してくれるならどうぞどうぞ!」と言い返すと、大笑いしてました。
ツアー2日目のキャンプ地へ
シンバ・キャンプサイト A(タンザニア・ンゴロンゴロ保全区域内)

カルデラの頂上付近にある広い高原サイト
マサイ族の村のあとは、ンゴロンゴロ保全地域のカルデラの頂上にある「シンバ・キャンプサイトA」にてサファリツアーの2泊目を過ごします。

キャンプ場内はシマウマが歩いている
シンバ・キャンプサイトAの良いところは、野生動物が頻繁に訪問する点。
野生のシマウマだけではなく、ときにはゾウなどもキャンプサイトに迷い込むそうです。世界中探してもそんなキャンプ場はここだけかもしれません。

2日目の夕食も美味しい無国籍料理が振る舞われた

夜は満天の星空がキャンプサイトを包んでいた
2日目も料理人達が美味しい料理を提供してくれました。
世界中の人々がサファリツアーに参加しているので、夕食会場の中で沢山の言語が飛び交います。
他のツアー客との談笑も終わり、夕食の場所から外へ出ると上空には満天の星空が輝いていました。雲のような星雲が2つ見えていますが、これは大マゼラン星雲と小マゼラン星雲です。
そんな星空を眺めながら、テントでサファリツアーの思い出を息子と語りながら就寝します。いよいよ明日はサファリツアー最終日です。
サファリツアー最終日

ンゴロンゴロのクレーター内の神々しい程の景色が連続する
サファリツアー最終日は、ンゴロンゴロ保全地域のカルデラの中の平原へと入って行きます。
ンゴロンゴロのクレーターは、隕石のクレーターではなく火山活動によって作られたクレーターで、日本の阿蘇ようにカルデラの中に広い高原地帯が広がっています。
ここでは、動物達がカルデラの外に出るのが難しく、他の地域とは違った多種多様な生物が生息しています。
確かにセレンゲティでは、サファリカーをひたすら走らせて動物達を探し回っていた印象ですが、ンゴロンゴロはそこまで走らせなくても至る所に動物がいる印象でした。

まさに動物達の楽園のような風景

念願だったヌーの群れにも出会えて満足

オスライオンは寝てばかりが多い中やっと、練り歩いているオスライオンを発見

シマウマの上で休んでいる小鳥

ビッグ5の一角のバッファローも見ることができた
今までがなんだったかと思うほど、動物の楽園のような光景の連続です。ンゴロンゴロだけでも見たい動物がすべて見れるくらいです。
セレンゲティで見れなかったヌーの群れやバッファローに出会えたのに感動しました。残念ながらサイを見ることができなかったのが心残りですが、また今度の楽しみにしたいと思います。(また来ることあるのか!?)

池のほとりでツアー最後の食事をとる

面白かったのがサファリカーのアイスクリーム屋もう少し暑かったら速攻で食べていたはず
最終日の午前中に、ンゴロンゴロのクレーター内を走り抜けて、幾多の動物達を観察したら、カバが休んでいる池のほとりで、サファリツアー最後の食事を取ります。
寂しい気持ちよりも満足感の方が勝っていたのを覚えています。
食事も取り終えて、周りを散策するとゼブラカラーのサファリカーがあります。なんだろうと思ったら、コーヒーとアイスクリームを売っていました。
このときは、昼で15℃前後。もう少し暑かったらアイスクリームを息子と一緒に頬張っていたに違いありません。

ツアー最後の日に全貌を現したンゴロンゴロクレーター
最後にクレーターを駆け上がって、展望台からンゴロンゴロの全貌がようやく観ることができました。日本とはスケール感がまったく違います。
最後にこの光景を目に焼き付けることができて非常に良かったです。このままサファリカーでアルーシャの街まで送ってもらってツアーの最後を迎えました。

サファリツアーから帰ってきての家族3人で記念撮影
これにて大冒険のアフリカキャンプ旅の記事は終わります。準備編・ケニア編・タンザニア編と3本に渡ってアフリカキャンプを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
もしかすると、アフリカのキャンプ旅は荒唐無稽に見えたのかもしれません。
しかし、「キャンプ」という選択肢を取ることで、今までに経験したことのない風景や体験ができます。
節約して旅行が楽しめますし、絶景の中に身を置けるという強みもあります。
この記事を読んで下さった方の中で、海外キャンプ旅をしてくれる方がいれば本望です。人生は一度っきり! 旅行の可能性を広げてみてはいかがでしょうか!