撮影:筆者
ファミリーキャンパーがULに挑戦

テントを背負って2泊3日のロングトレイルに挑戦した筆者。今回のトレイルは山ではなく、海沿いの舗装路を歩くトレイル。
宿泊はキャンプ場なので、テントにクッカー、着替えなど必要な荷物を全部背負って長い距離を歩きます。
ゆえに道具はなるべく軽くしたいところ。とはいえ、普段はファミリーキャンプばかりの重量級キャンパーの筆者。ベースウェイトがそもそも重い!

そこで、心機一転。UL(ウルトラライト)系ギアのリサーチを開始。
先人たちの知恵を借りながら、できるだけ荷物を軽くするために、アイテムを厳選し直しました。
今回は、ファミリーキャンパーの筆者が実際に使って、便利だったUL系ギアをご紹介します。
今回歩いたのは、「ふくしま浜街道トレイル」

道具の紹介の前に、ちょっとだけ今回のコースを紹介させてください。
2011年3月11日の東日本大震災で大きな被害を受けた地域にある「ふくしま浜街道トレイル(総距離約200km)」のうちの一つを歩いてきました。

モデルコースは大きく分けて7つ用意されており、どのコースもエメラルドブルーが印象的な福島の海を見ながら歩けるので海好きにもおすすめ。
あの大きな震災から復興した福島の力強さを感じながら、福島の美味しいもの、福島の人の温かさに癒されるのが「ふくしま浜街道トレイル」です。

テレビやネットで見て知っていたはずの「あの震災」を、目で耳で肌を通すことより自分ごととして感じられ、防災に対しての意識もさらに強くなった気がします。
より詳しい話はまたいつか……。それではギアの紹介にいきましょう!
買ってよかったUL系キャンプギア5選
1|ベルモント「山箸」(19g)

まず一つめは、食事に欠かせない箸。コンパクトになる箸は数あれど、ここまで小さく収納でき、口当たりもいい箸に感動。
収納時は完全に手のひらに収まるサイズ(収納時:約75mm)です。

使用時のサイズは約172mm。いつも使っている箸と大差がないので、特に違和感なく使えます。重量も約19gと超軽量です。


箸の先端部分と持ち手部分が分解できるようになっていて、収納時は箸の先端部分が持ち手の中にすっぽり隠れる形。
箸の先端が剥き出しだと衛生的に気になるという人も、これなら安心ですよね。
ベルモント 山箸
サイズ | 使用時:約172mm、収納時:約75mm |
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材質 | 本体:18-8ステンレス・天然木(ウレタン抗菌塗装)、ケース:ポリプロピレン |
重量 | 約19g |
2|モンベル「エクセロフト キャンプシューズ」(144g)

二つめは快眠アイテム。
次の日もたくさん歩くので、睡眠はとても大切。当時、最低気温が3度前後で、寒さ対策で大活躍したのがモンベル「エクセロフト キャンプシューズ」です。
寒い季節のキャンプ、足が冷たいと寝つきも浅く、深夜に目が覚めてしまうことも。
とはいえダウンシューズはなかなか高額。これならダウンのように軽くて暖かく、お値段も5000円以下とダウンの半額程度でありがたい。

寒さ対策にあれやこれやと荷物を増やしたり、高額なシュラフを買い換えたりする前に、「エクセロフト キャンプシューズ」があれば足元からポカポカで快適です。

平均重量は約144g。
化繊なのでお手入れも特別な対応は必要なく、洗濯機で洗えます。
スタッフバッグ付きで持ち運びも便利。冬の山小屋泊から室内履きまで幅広く使えるので、アウトドアに限らず毎日使えるのも嬉しいポイントですよね。
ちなみに厚手の靴下を履いて使用するならワンサイズ大きめを買うと窮屈さを感じにくいですよ。
3|サーマレスト「ネオエアーXライトNXT」(370g)

3つめは寝心地を左右するマット。
たっぷり歩いた体を休め、次の日も元気に歩きたいならマットにはこだわりたいところ。
今回使用したサーマレスト「ネオエアーXライトNXT」(総重量370g)は、R値4.5で厳冬期以外ならいつでも使える便利なエアーマットです。

空気入れは付属の袋(ポンプサック)を使います。コツさえ掴めば苦労することなくとても簡単!

肝心の使い心地はというと、この上に座るだけで自分の体温で暖かく感じてきます。
今回は最低気温2.8度まで冷え込んだ朝もありましたが、地面からの冷気で目が覚めるということもありませんでした。
R値4.5なので、初冬や残雪期にも使えます(一般的にR値6以上で厳冬期にも使えます)。

マットの上で体が滑ることなく、エアマット特有の嫌なギュッギュ音もしにくい。変な底つき感もなく、とにかく寝心地最高で朝までぐっすりでした。
サーマレスト ネオエアーXライトNXT(R)
サイズ | 使用時:51×183cm 収納時:23×10cm |
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総重量 | 370g |
付属品 | ポンプサック、スタッフサック、リペアキット |
厚さ | 7.6cm |
R値 | 4.5 |
4|SOTO「マイクロレギュレーターストーブウインドマスター SOD-310」(67g)

4つめは、食事に欠かせない熱源。SOTOのストーブは数多くあるなか、筆者が選んだのは風にも寒さにも強い「ウィンドマスター SOD-310」。

手のひらサイズで、今回持っていったパーゴワークス「トレイルポットS900」にもすっぽり収まります。

総重量約67gと、同じくOD缶を使用するSOTO「アミカス(約81g)」と比べても14gほど軽く、かつ風や寒さにも強い仕様ということで、迷わず選んだ道具の一つ。


省スペースに貢献してくれているのが、付属の着脱式「小型3本ゴトク」。
こんなに小さいゴトクでもしっかりとクッカーを支えてくれる安心感も◎。もう少し大きなクッカーを使いたかったり、安定性を求めるなら別売りの「大型4本ゴトク」というのもあります。

気になる火力ですが、水もあっという間に沸騰するほどの高火力(外気温が低くても火力は2,800kcal/h)。
風防なしでも全く問題なく、1人用鍋を作ったり、コンビニチルド食品の湯煎など、今回のトレイルではかなり役立ちました。普段ソロキャンプに行くならこれでいいかも。
SOTO マイクロレギュレーターストーブウインドマスター SOD-310
製品サイズ | 幅90×奥行117×高さ100mm(使用時) 幅47×奥行51×高さ88mm(収納時) 幅90×奥行117×高さ100mm(バーナー+ゴトク使用時 ※3) 幅94×奥行10×高さ35mm(ゴトクのみ収納時) |
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材質 | バーナー/ゴトク/器具栓つまみ:ステンレス 点火スイッチ:樹脂 |
重量 | 60g (ゴトクを外した状態) 67g(バーナー+3本ゴトク) 7g(3本ゴトクのみ) |
発熱量 | 3.3kW(2,800kcal/h) |
使用時間 | 約1.5時間(SOD-725T 使用時) |
点火方式 | 圧電点火方式 |
5|asobito「山のゴミ袋」(56g)

最後に紹介するのは、今回かなり役立ったasobitoの「山のゴミ袋」。重さ56g。
ゴミ袋なんてコンビニの袋でいいと思っているなら大違い。

このasobito「山のゴミ袋」は、固定用のループがたくさんついていて、バックパックはもちろん、いつものキャンプや車内と、どんな位置にも取り付けられるのが◎。
バックパックからわざわざゴミ袋を取り出す手間なくすぐに捨てられます。

そして見た目問題もクリア。いかにも「ゴミ、ザックの外にぶら下げてます」という雰囲気の悪さから抜け出せます。
ロールトップ式なので、匂いもれを防いでくれるのもありがたいですね!

底にマチがあるのでたっぷり入って自立もOK。使わない時はペシャンコになって嵩張らず、軽いのが最大の特徴です。


もう一つ便利なポイントがこちら。「山のゴミ袋」は、内側にスナップボタンがついていてゴミ袋を固定できるようになっています。
サイズはアイラップなどのキッチン用ポリ袋がちょうどぴったり。筆者は防臭袋を使用。これでニオイも出ずに、持ち運びも苦になりません。

生地の感じもお気に入りのポイントの一つ。まるで紙袋のような高密度ポリエチレン100%で作られた耐久性のある不織布aso-TEX(asobitoオリジナル生地)で、使い続けていくうちに柔らかく馴染んでいく変化も楽しめます。ゴミ袋に見えないゴミ袋。最高に便利でした。ちなみに筆者はいつものキャンプでもキッチン周りに置いて使っています。自分の手の届く範囲にゴミ袋があるって、とても便利です!
ULって楽しいかも!

軽いだけでなく、使いやすさや快適さなど自分なりにこだわって揃えていくウルトラライトなキャンプギア。
普段のキャンプにも使えるので、もう少し荷物減らしたいなというキャンパーさんにもおすすめです。
今回ご紹介したアイテムは、胸を張って「いい!」と言えるアイテムばかり。気になった方はぜひチェックしてみてください!