※テント内での火気使用は、メーカー推奨の使用法にならって正しくお使いください。また幕内で火器を使用する際は自己責任となります。もし使用する際は換気を十分おこない、一酸化炭素報知器を必ず使用しましょう。
これまで薪ストーブを使わなかった理由は?
出典:plywood
冬キャンプで使われる定番の暖房器具のひとつ、薪ストーブ。とても暖かいと話には聞いていましたが、これまで筆者は薪ストーブを使うことなく冬キャンプを乗り切ってきました。
薪ストーブを使ってこなかったのには、2つの理由があります。
1つ目は、既に複数台石油ストーブを所有していたから。よほどの極寒環境に行かない限り、石油ストーブで事足りていました。そんな状況で積載面での負担が増えそうな薪ストーブを導入することに対して、そこまでメリットを感じなかったんです。
2つ目は、キャンプを始めた頃下の子が一歳で、安全面で不安があったというのもあります。
誘惑に負けて、ついに薪ストーブを導入!
……とは言うものの、他のキャンパーさんが使っている薪ストーブの煙突から立ち昇る煙を眺めては、常々「あぁ、とても良い雰囲気だな〜」とは感じていて、どこか我慢している節はありました。
そして、そんなモヤモヤを抱えたまま何シーズンか過ごした後、ついに我慢の限界に達し導入を決意!
大きい窓で炎がよく見える「ワークタフストーブ WTS-500」をお迎え
筆者の選んだ薪ストーブは、ワークタフストーブのWTS-500というモデル。
正面と側面にある大きなガラス窓が特徴で、炎の様子を存分に楽しむことができます。 ちなみに、筆者が導入したのは旧モデルで側面の窓が1面のみですが、現在は両側面が窓になっているモデルにアップデートされています。
ワークタフストーブ WTS500
サイズ | 約幅40×奥行54.5×高さ266cm(煙突、パーツ含む) |
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収納時サイズ | 約幅26×奥行50×高さ30cm |
脚の高さ | 約24cm |
重量 | 約10kg |
材質 | 素材 本体:ステンレススチール、ガラス部位:耐熱ガラス(正面ドア窓、サイド窓)、収納バッグ:ナイロン |
煙突直径 | 約7.62cm |
セット内容 | 本体(500)×1、煙突×4、ダンパー付き煙突×1、煙突蓋×1、灰落とし用スクレーパー×1、火格子×1、シェルフ×1、収納バッグ×1、ハンドル×1 |
「ワークタフストーブ」の良いところ
1|一番の懸念点をクリアした、コンパクト収納
このモデルは一般的な薪ストーブより収納サイズが比較的小さいため、積載面での負担が少なくて済むというのが大きな決め手。
収納サイズは、約幅26×奥行50×高さ30cm。大型2ルームテントの収納サイズより一回り小さいほどです。
2|炉内は市販の薪がそのまま入る、ゆとりあるサイズ
ちなみにワークタフストーブには奥行が短いよりコンパクトな「380モデル」もありますが、筆者は「市販の薪をそのまま入れられる」ことと「大きな薪を燃やせて熱量を大きくできる」という理由で、大きいサイズを選びました。
薪ストーブを使う前の準備&確認しておきたいもの
いざ、キャンプへ導入! しかし薪ストーブを使う場合、事前にチェックしておきたいことがあります。
それは野外で使うか、テントの屋内で使うか。筆者は愛用している薪ストーブ対応テントの屋内で使用したかったので、プラスして準備したものがあります。
薪ストーブ対応テント「ジルコン 9 CP」にインストール
薪ストーブをインストールするテントには、北欧のテントメーカー・テンティピの「ジルコン 9 CP」。
煙突ポートが付いていて、これはもういずれ薪ストーブを導入することを織り込み済みで買っていたということになるでしょうか(笑)。生地もTC素材でも燃えにくく、しっかり薪ストーブに対応しています。
テンティピ ジルコン 9 CP
サイズ | 高さ3.1×直径5.3 m |
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収納時サイズ | W28×H70 cm |
重量 | 13.3kg |
材質 | COTPOLMEX COMFORT(コットン/ポリエステル) |
プラスしたオプションは3つ
ただ、薪ストーブ導入の際、標準装備の煙突だと所有しているテントの煙突ポートに長さが足りなかったので、オプションを購入。
延長煙突2本と、テントの接触部分に煙突の熱を伝わりにくくして幕が焦げたり溶けたりするのを防ぐメッシュガード、あとは火の粉が舞うのを抑えるスパークアレスターを追加。
使用環境によってオプションアイテムが必要な場合もあるので、確認をおすすめします!
ワークタフストーブ用 スパークアレスター
サイズ | 約直径14×高さ21.5cm |
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重量 | 約230g |
素材 | ステンレススチール |
ワークタフストーブ用 メッシュテントプロテクター
サイズ | 直径12~13×高さ52cm |
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重量 | 約700g |
材質 | ステンレススチール |
ワークタフストーブ用延長煙突 Φ7.6×45cm
サイズ | 約直径7.6×長さ45cm |
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重量 | 約240g |
材質 | ステンレススチール |
一酸化炭素中毒に備え、警報器も設置
あとは、安全面への配慮として一酸化炭素濃度をチェックするための警報器も使用。基本的にテント内で火器の使用は推奨されていませんが、自己責任で使う場合でも安全面の準備はしっかりしておきましょう。
また換気をすることをお忘れなく。
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いざ、準備は整いました!
組み立て~着火まで
それでは、実際の使用シーンの様子をお届けします。 まずはテントを設営し、続いて薪ストーブの設営開始。
工具不要の簡単組み立てが最高~!
標準装備の煙突や脚などはすべて本体の中に収まっていて、それを取り出して組み上げていきます。ワークタフストーブは組み立てに工具などは不要で、特に手こずるところはありません。 煙突にメッシュガードを取り付けてから、煙突ポートに差し込んでいきます。ここも他に追加のパーツなどは必要無く、予想以上にスムーズにできました。 テントが薪ストーブ対応ということもあり、あっさり設営完了。慣れれば10分もかからずにできそうです。
いよいよ、火を入れていきます。細かく割った薪を何本か並べて、着火剤で点火! ほどなく薪に炎が行き渡り、難なく着火完了。
あとは焚き火と同じ要領で、徐々に大きな薪を入れていきます。
石油ストーブと比べて…ココが良かった!
1|窓から見える炎が美しく、抜群に暖かい
こちらが、窓から見える炎の様子。テントの中でぬくぬく暖まりながら焚き火の雰囲気を味わえるとは、なんて最高なんでしょう!
真冬の場合は屋外で焚き火をしていると寒さでブルッときてしまうことがありますが、薪ストーブであれば寒さとは無縁。上着すら不要で過ごすことができます。
石油ストーブがあれば暖をとることはできますが、この炎を眺める贅沢な時間は得られません。「薪ストーブを買って良かったな〜」と実感できた瞬間です。薪ストーブを選ぶときは、窓付きかどうかを判断基準にしてもいいかもしれません。
2|本格的な調理も楽しめる
せっかくなので、薪ストーブの熱でお湯を沸かしてコーヒーでも。薪ストーブの上でそのまま調理もできるので、これは完全にテントの中に引きこもって過ごすことになってしまいそうです。
3|趣あるキャンプが楽しめる
寒い外には出たくない気持ちになんとか打ち勝って、外からの様子も見てみました。いつも他人のテントで見ていた、煙突から立ち昇る煙の光景が自分のテントで……! 薪ストーブのある風景の良さを改めて実感した瞬間でした。
点火したら後は放置でOKな石油ストーブと比べると、薪を追加したりと火の面倒をみないといけない薪ストーブ。人によってはデメリットに感じるかもしれませんが、この趣はそれを上回る魅力だと自信をもって断言します!
薪ストーブを導入して気になったこと
室内レイアウトの工夫が必要
筆者が慣れていないというのもありますが、薪ストーブをセットした状態のテント内にも新たな課題が発生。 子供の寝場所として大型テントの中に小型テントをセットしていたのですが、テント内のレイアウトが若干窮屈に……。
この設営状態だと安全面にも不安があるため、もう少し大きいサイズのテントの方が良さそうだな、と感じました。
手間はかかるけど、暖かさと雰囲気の良さは抜群だった
と言うことで、長らく導入をためらっていた薪ストーブ。実際に使ってみた結果としては、当初予想していた積載面での負担は、収納サイズが小さい物を選んだことでさほど問題ありませんでした。
その上雰囲気の良さや暖かさも予想以上で、充分な満足度。もう少しファミリーでも扱いやすくなる状態を模索しつつ、コンスタントに使っていきたいと感じました。
ワークタフストーブ WTS500
サイズ | 約幅40×奥行54.5×高さ266cm(煙突、パーツ含む) |
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収納時サイズ | 約幅26×奥行50×高さ30cm |
脚の高さ | 約24cm |
重量 | 約10kg |
材質 | 素材 本体:ステンレススチール、ガラス部位:耐熱ガラス(正面ドア窓、サイド窓)、収納バッグ:ナイロン |
煙突直径 | 約7.62cm |
セット内容 | 本体(500)×1、煙突×4、ダンパー付き煙突×1、煙突蓋×1、灰落とし用スクレーパー×1、火格子×1、シェルフ×1、収納バッグ×1、ハンドル×1 |